詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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九、集-02【字解集】 9.情書(書情寄李子安) 10.閨怨 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9711
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2017年12月18日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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Ⅰ李白詩(李白集校注) LiveDoor |
746-018-#2卷一七四 夢遊天姥吟留別(卷十五(一)八九八)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集Blog9671 |
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花間集 訳注解説 (325)回目顧敻巻六43甘州子五首其一 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9737 (12/18) |
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九、集-02【字解集】 9.情書(書情寄李子安) 10.閨怨 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9711 |
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前日からの続き
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芸妓について
妓女(ぎじょ)は、中国における遊女もしくは芸妓のこと。娼妓、娼女という呼称もある。歌や舞、数々の技芸で人々を喜ばせ、時には宴席の接待を取り持つこともあった。娼婦を指すこともある。また、道教の寺観にも娼婦に近い巫女がいた。この時代において、女性が男性と対等にできる唯一の場所であった。
もともとは国家による強制的な徴発と戦時獲得奴隷が主な供給源だったと考えられるが、罪人の一族を籍没(身分を落とし、官の所有とする制度)する方法が加わった。また、民間では人身売買による供給が一般的であった。区分すると以下の通り。
(1.宮妓 2.家妓 3.営妓、4.官妓、5.民妓、6.道妓)
1 宮妓
皇帝の後宮に所属。籍没された女性や外国や諸侯、民間から献上された女性。后妃とは別に、後宮に置かれ、後宮での業務をし、技芸を学び、皇帝を楽しませた。道教坊で技芸を習得した女性もこれに含まれる。班婕妤・趙飛燕や上官婉児などのように后妃に取り立てられるものもいた。
2 家妓
高官や貴族、商人の家に置かれ、家長の妾姫となった。主人だけではなく、客を歓待する席でも技芸により、これをもてなす役目があった。官妓から、臣下に下賜されて家妓になるものもいた。始皇帝の母にあたる呂不韋の愛人や、西晋の石崇の愛妾である緑珠が有名。
3営妓
軍隊の管轄に置かれ、軍営に所属する官人や将兵をその技芸で楽しませた。蘇小小。唐代女流詩人の薛濤が有名。
4官妓
中央政府の道教観や州府の管轄に置かれた。実際は、妓楼や酒楼は個別に運営されており、唐代・長安の北里、明代・南京の旧院は、その代表的な色町である。唐代の天宝年間以降に彼女らを題材にして、多くの士大夫が詩文にうたい、妓女となじんだという記録が盛んになる。唐代はその活動は最大なものであった。
唐代女流詩人の魚玄機、明代の陳円円、李香君、柳如是が有名。
5民妓
民営の妓楼に所属した。売春だけを目的とした女性も含まれる。明代以降、官妓が衰退した後、大きな役割を果たすようになった。清代は上海に多くの民妓がいた。宋代の李師師が有名。
6.道妓
道教の祠に学問等していない娼婦に近いものが多かった。
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妓館には、花や植物が植えられ、狆や鸚鵡が飼われ、香炉が置かれ、また、雲母屏風、山水画や骨董が飾られているところが多く、庭園風になっているものもあった。妓館は、互いに奇をてらい合い、提供される様々な香りが数里先まで漂ったと伝えられる。さらに、厨女(女料理人)が働いており、彼女らが料理する山海の珍味がすぐに作れるように準備されていた。旧院には商店もあり、客が妓女に贈るための高級品が置かれていた。また、茶を専門とする茶坊もあった。夜には、妓女による音楽が奏でられ、芝居が上演された。妓館の額もまた、名人の手になるものがいくつもあった。妓館には、他に下働きの下女と男衆が別にいた。
妓女の部屋もまた、趣味がよく風雅であり、文人の書斎風になっているものもあった。李白の作品、李商隠の作品で登場する舞台はここの事である。
【字解集】 9.情書(書情寄李子安)
情書
飲冰食檗誌無功,晉水壺關在夢中。
秦鏡欲分愁墮鵲,舜琴將弄怨飛鴻。
井邊桐葉鳴秋雨,窗下銀燈暗曉風。
書信茫茫何處問,持竿盡日碧江空。
(情書、李子安に寄す)
冰を飲むも檗【きにた】を食ふも志 功なし、晉水 壺關【こくかん】夢中に在り。
秦鏡【しんきょう】分たんと欲するも墮鵲【だじゃく】を愁ひ、舜琴【しゅんきん】弄【ろう】せんと將【す】るも飛鴻【ほこう】を怨む。
井邊【せいへん】の桐葉【とうよう】は 秋雨に鳴り、窗下【そうか】の銀燈【ぎんとう】は 暁風【ぎょうふう】に暗し。
書信【しょしん】 茫茫 何れの處にか問はん、竿を持つこと盡日【じんじつ】なるも 碧江【へきこう】空し。
情書情書(書情寄李子安)
1. (こころをこめて李子安さまへ書を寄せます。)
2. 山西の澤州の夫の実家から、自分だけひと足さきに長安に戻ってきた彼女が、すぐ後を追って長安へもどるといった李億がなかなか歸ってこないので、いらいらして待ちわびているころの作。
第一句の.こときは情熱の女魚玄機らしく、あからさまにばっと自分の悶える心をぶっつけている。詩全般としてもよいできばえの一つ。
飲冰食檗誌無功,晉水壺關在夢中。
氷をのんでも、あんなに食べにくいキハダを食べても、情炎を消すことできないのです。夜ごとの夢のなかに、あなたとすごした晉水、壺關にいたころのことが毎夜あらわれるのです。
3. ・冰(こおり)
4. ・檗 キハダ。黄檗(おうばく)のこと。1 (「黄柏」とも書く)キハダの別名。また、キハダの樹皮から作った染料、または生薬。漢方で内皮を健胃・収斂(しゅうれん)薬などに使用。熱をさげる効果がある。「木鶏」(中国の有名な机物に関する薫物) にも見えている。
5. ・晉水 山西省を流れている河。末は黄河に合流するひ この地方に李子安がいるわけ。魚玄機も去年はそこにいた。魚玄桟の第一の澤州の旅。
6. ・壺關(こかん) 壺關山のこと。山西省の長治牌の壷口山をいう。やはり李子安がいる地方をさす。
秦鏡欲分愁墮鵲,舜琴將弄怨飛鴻。
このままだと私だってカササギが落ちて愁いを分けた様「秦鏡」に映しだされてしまう操を守れないかもしれませんよ。また古代舜の時代からの琴を弾くと「南風」がおこり、飛べないわが身をとんでいきたいと思うばかり、大鳥が飛んでいくのを恨むばかりです。
7. ・秦鏡欲分愁墮鵲 「西京雑記」に、秦の始皇が人間の腸や胃など五臓を照らし見ることのできる鏡をもっていて、女が邪心なおもいをいだくと、胆臓が張り心臓が動くのでわかったという。心の奥底を照らし見せる鏡の意。また「鵲鏡」ということばがあり、「神異経」に、昔、別居している夫婦があり、それぞれ鏡の半分を分けてもっていたが、ある時、妻の方がよその男と通じた。すると女のもっていた鏡が、鵲に化して夫のもとへ飛んでいった。それから鵲を鏡の裏面にうきぼりにするようになったという。呉均の「閏怨」 の詩に、「ねがはくは飛鵲の鏡となり翩々として別離を照さん」という句がある。魚玄機の詩のこの旬は、これらを踏まえて詠じたもの。
8. ・舜琴將弄怨飛鴻 舜が五弦の琴を作り、「南風」の詩をうたったことが、「礼紀」という古典に見えている。「怨飛鴻」はあるいはそういう題の琴曲があるのではあるまいか。
9. ・弄(ろう)は琴を弾くこと。
書信茫茫何處問,持竿盡日碧江空。
帰られるお約束はともかく私への書簡さえも春笠にまで注意してみていてもどこからもなにも言って来ませんね。鳥も、飛脚もだめで、魚書でというなら釣竿を以て日がな一日、青空が夕空に変わるまで釣り糸を垂れましょう。
13. ・書信 魚書・尺素・雙鯉・雙魚ともいう。
古詩十九首之第十七首
孟冬寒氣至,北風何慘栗。愁多知夜長,仰觀眾星列。三五明月滿,四五蟾兔缺。客從遠方來,遺我一書劄。上言長相思,下言久離別。置書懷袖中,三歲字不滅。一心抱區區,懼君不識察。
孟冬寒気至り、北風何ぞ慘栗たる。
愁多くして夜の表きを知り、仰いで衆星の列るを観る。
三五明月満ち、四五蟾兔【せんと】缺く。
客遠方より来り、我に一書札を遣る。
上には長く相思ふと言ひ、下には久しく離別すると言ふ。
書を懐袖【かいしゅう】の中に置き、三歳なるも字滅せず。
(現代語訳)
一心に區區を抱き、君の識察せざらんことを憤る。)
冬の初めというのに極寒の気がおとずれ来た、北風のなんとものすごくつめたいことであろうか。
愁いが鬱積して堪らないのに夜が長いのは身にしみるくるしさだ。見上げる空には多くの星かならんでいる。
月は三夜五夜と日々明るくなり、十五夜には満月になる、四夜五夜と蟾蜍に喰われ兔もいなくなり、二十日夜になると欠け月になる。
こうして辛い月日を過ごしたある日、遠方から訪ねて来た客が、わたしに一連の手紙を渡してくれた。
夫からの便りで、始めの方には「いつまでも忘れぬ」とあり、文末の方には「もうすこしこの別れが久しくなる」と書いてあった。
わたしはこの手紙を懐におさめて肌身離さず大切にし、三年たっても一字も消えてはいないのだ。
心のなかにひとつあるのは夫を思う女心のこまごまとした思い、それをあなたが察してくださらないのかと心配でたまらないのです。
古詩十九首之十七 漢の無名氏 (17) 漢詩<104>Ⅱ李白に影響を与えた詩539 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1434
・茫茫(ほうほう) はるかで見きわめがたいこと。ここではいくら待ち望んでも見られないの意。
・盡日一日中。
・碧江(へきこう) 青い水の流れる河。たんに河の意。
この詩を読むと恋しくてたまらないという内容ではないように思う。魚玄機の作詩能力が高く、過去の故事や、基になる詩があるというだけで、李億がどこまで理解してくれるのか確かめているようにしか思えない。魚玄機が李億に棄てられて嫉妬心でヒステリックな状態でいたという固定観念を捨てて客観的に解釈する必要があるのである。この固定観念により間違った解釈が横行している。ここではそういった解釈を一つ一つ訂正して行こうと思っている。
【字解集】 10.閨怨
閨怨
蘼蕪盈手泣斜暉,聞道鄰家夫婿歸。
別日南鴻才北去,今朝北雁又南飛。
春來秋去相思在,秋去春來信息稀。
扃閉朱門人不到,砧聲何事透羅幃。
(閨怨)
蘼蕪【びぶ】手に盈ちて斜暉【しゃき】に泣く,聞道らく鄰家夫婿【ふせい】の歸。
別日は南鴻【なんこう】才に北去し,今朝 北雁 又南に飛ぶ。
春來り秋去るも相い思う在り,秋去り春來るも 信に 息うも稀れなり。
扃閉じ朱門は人到らざる,砧聲【ちんせい】何事ぞ羅幃【らい】を透す。
閨怨
1. (今度、夫に遭えたなら、やっぱり自分の方が魅力的な女だと別れたことを後悔するに違いないと思い、願い、希望とすると詠う。)
2. 魚玄機の詩は仕事柄、いわゆる「賦得」という詩題を与えられてつくる、あるいはテーマが先に有って、来客の受けを狙っているものである。だから、大人気だったのである。詩の内容が李億とのことで魚玄機があわれになればなるほど人気は高まった。この詩も、実際の出来事と詩の内容から魚玄機の心情を考えるというのは薄知恵である。
3. ・閨怨 ねやのもだえ。女のひとり寢のなやみ、さびしさをかこつうた。おそらく、これまでの詩人の同詩題の話題で作られたものだろう。
蘼蕪盈手泣斜暉,聞道鄰家夫婿歸。
ある日、漢の古詩にあるように「蘼蕪」を手にいっぱいにとって山を下りると日が西に傾き女は誰にも会わないのです。こちらの女に聞くところによると帰ってこないと思っていた隣の浮気者の夫は帰ってきたというのです。
4. ・蘼蕪盈手泣斜暉 ・蘼蕪 おんなかつら。この句は漢の無名氏、古詩、追い出された妻の話に基づいている。古詩 「上山採蘼蕪. 上山採蘼蕪,下山逢故夫。長跪問故夫:新人復何如?新人雖言好,未若故人殊。顏色類相似,手爪不相如。新人從門入,故人從閣去。新人工織縑,故人工織素。織縑一日匹,織素五丈餘。將縑來比素,新人不如故。」
山の上で香草をとり、帰りみち、ふもとで前の夫に出あった。そこで追い出された女が、前の大の前にひざまずいて、「新しい奥さまはどうですか」とひにくったところ、大の答えろのに、なるほど新しい妻はよいのはよいが、やっぱりおまえのガが突入だった。まあ所の美しさは、かりにおっかつだとしても、手の働きはとてもおまえにおJばない。後妻がきたのでおまえを追い出してしまったが、新しい後妻は桐を織るのが上手なぜいたくな女、おまえの方は、木綿を織るのが上手な働き者だったよ。
絹は一日に一匹(四丈)だが、木綿ならば、五丈を超える。はたらきものだった点では、やっぱりおまえほがよかったよ。-と答えたという。
5. ・斜暉 夕方の光線のなかで。
6. ・聞道鄰家夫婿歸 この詩は杜甫の詩に基づく。
杜甫『佳人』
世情惡衰歇,萬事隨轉燭。
夫婿輕薄兒,新人美如玉。
合昏尚知時,鴛鴦不獨宿。
但見新人笑,那聞舊人哭?』
世情【せじょう】衰歇【すいけつ】を悪む、万事【ばんじ】転燭【てんしょく】に随う。
夫婿【ふせい】は軽薄の児、新人【しんじん】美なること玉の如し。
合昏【ごうこん】すら 尚お時を知る、鴛鴦【えんおう】独り宿せず。
但だ見る新人の笑うを、那【なん】ぞ聞かんや旧人の哭するを。』
普通世間の人にたいする情というものは女盛りなら誰でも愛すものだが、歳を重ね衰えてしまった肢体顔色、後ろ盾がなく、頼る背のないものは嫌がられるものであり、わが身づくろいも万事はその場の成り行きのままになってきた。
見栄えと親族兄弟の後ろ盾の無くなった自分に対し婿夫【むこ】はうわきもので、わかくて玉のような美人をあらたにむかえいれた。
「ねむ」の花は、夕方になれば葉と葉がよりあう時刻を知っているものであり、おしどりのつがいは独りでは宿らず必ず並びあってねむる。(かつて私にそうであったように(新人に合歓の葉、おしどりのようにしている。)
ただ、新しい女のおもしろそうに笑うことはできているのはみとめられるが、彼らには元の妻が泣き悲しむ声などを聞く耳などありはしないのだ。(そのうち自分のみに帰ってくることだ)』
佳人 <229-#2>杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1112 杜甫特集700- 335
別日南鴻才北去,今朝北雁又南飛。
別れた日は大鳥が北に変える春の日でした。けさ、北に帰っていた雁が、南につがいで飛んでくる。
7. ・南鴻 鴻は、わたり鳥で、雁の大きなもの。南鴻は、寒くなって南方にきていた雁。帰る時は孤雁でも來るときはつがいになっている。
春來秋去相思在,秋去春來信息稀。
春に来て秋に去って行く雁には互いのことを思う気持ちがある。秋去るけれど春には來るという書簡に癒されるのは稀の事でいいのです。
8. ・漢の蘇武が雁の足につけたてがみを天子が射て得たというはなしがある。また古人は絹に書信をかきそれを鯉魚の形状に結んだという。
扃閉朱門人不到,砧聲何事透羅幃。
貴族の家の南門は閂がされたままで主人は帰ってこない。秋に夫の冬着の準備の砧の音をさせるころ何事もなく薄いとばりを抜けて入ってくるのはその音だけなのです。
9. ・扃 かんぬき。戸じまり用の横木。また出入り口。
10.・朱門 高貴の邸は家の方位が守られ主用の門が南門で朱色で塗ってあったから、血八族または金持ちの意につかう。
11. ・人不到 他人がはいってこない意(ひとり夫を思って浮気もしないでいる心)。また自分がひたすら待ち続けている主人が入って來るもんは開けられない。隣家の夫は高貴な身分かどうかはわからないが、ここでいう夫は、朱塗りの門の夫で女が何人もいてもおかしくない。この時期の富貴のものは金に飽かして何人もいた、それがステータスでおかしいことはなかったのだ。
12. ・砧 きぬた。洗濯した衣桝を木製の台にのせ、木のつちでたたいて、布を閉めのはし縫いやすくする道具。秋になると、冬に備えて、主婦がする夜なべの什事。
謝惠連『擣衣』
衡紀無淹度、晷運倐如催。
白露園滋菊、秋風落庭槐。
肅肅莎雞羽、烈烈寒螿啼。
夕陰結空幕、霄月皓中閨。
美人戒裳服、端飭相招攜。
簪玉出北房、鳴金步南階。
楣高砧響發、楹長杵聲哀。
微芳起兩袖、輕汗染雙題。」
紈素既已成、君子行不歸。
裁用笥中刀、縫為萬里衣。
盈篋自予手、幽緘俟君開。
腰帶准疇昔、不知今是非。」
擣衣 謝惠連 <83-#3>Ⅱ李白に影響を与えた詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1362
杜甫『擣衣』
亦知戍不返,秋至拭清砧。
已近苦寒月,況經長別心。
寧辭擣衣倦,一寄塞垣深。
用盡閨中力,君聽空外音。
搗衣(擣衣) 杜甫 <295> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1352 杜甫詩 700- 415
李白
李白『子夜呉歌其三 秋』
長安一片月、万戸擣衣声。
秋風吹不尽、総是玉関情。
何日平胡虜、良人罷遠征。
《巻五 29李白24 子夜呉歌其三 秋》kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6583