詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.94 薛濤 《江月樓 》
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2017年11月20日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.94 薛濤 《江月樓 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9529
(節度使の軍営に慰問に回る、簡陽の江月樓で虹のかかるのを見、漁船を見る。江南の景色と見紛う景色と風興をあじわう。)
悲秋を感じさせる風が吹き始め、簡州の江月楼からの眺めは、あたかも江南の江を眺めているようななのだ。川辺にかもめやさぎがいり乱れてあちこちに、この風景でわたしは夕陽の残光の中に、じっと動かないでいるのです。
小雨のあとに、まるい虹がかかり、その裾は城門の望楼のあたりで消えていて、城の墻の上からは、魚をとる小舟がいくつか見おろせるのも江南の景色でしょう。
そこでこれを見た簡州陽安の子どもたちは手をたたき、よろこび微笑んで、州長官さまが、魔法を使ってこんな景色をあらわしてくださったんだなどと申しております。(よい政治、あたたかい政治をしておられることの表れでしょう。)
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薛濤詩 |
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90. 酬吳使君
支公別墅接花扃,買得前山總未經。
入戶剡溪云水滿,高齋咫尺躡青冥。
91. 籌邊樓
平臨云鳥八窗秋,壯壓西川四十州。
諸將莫貪羌族馬,最高層處見邊頭。
92. 棠梨花和李太尉
吳鈞蕙圃移嘉木,正及東溪春雨時。
日晚鶯啼何所為,淺深紅膩壓繁枝。
93. 和劉賓客玉蕣
瓊枝玓瓅露珊珊,欲折如披云彩寒。
閑拂朱房何所似,緣山偏映日輪殘。
94. 江月樓
秋風仿佛吳江冷,鷗鷺參差夕陽影。
垂虹納納臥譙門,雉堞耽耽俯漁艇。
陽安小兒拍手笑,使君幻出江南景。
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薛濤 94 《江月樓》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9529 |
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江月樓
(節度使の軍営に慰問に回る、簡陽の江月樓で虹のかかるのを見、漁船を見る。江南の景色と見紛う景色と風興をあじわう。)
秋風仿佛吳江冷,鷗鷺參差夕陽影。
悲秋を感じさせる風が吹き始め、簡州の江月楼からの眺めは、あたかも江南の江を眺めているようななのだ。川辺にかもめやさぎがいり乱れてあちこちに、この風景でわたしは夕陽の残光の中に、じっと動かないでいるのです。
垂虹納納臥譙門,雉堞耽耽俯漁艇。
小雨のあとに、まるい虹がかかり、その裾は城門の望楼のあたりで消えていて、城のめがきの上からは、魚をとる小舟がいくつか見おろせるのも江南の景色でしょう。
陽安小兒拍手笑,使君幻出江南景。
そこでこれを見た簡州陽安の子どもたちは手をたたき、よろこび微笑んで、州長官さまが、魔法を使ってこんな景色をあらわしてくださったんだなどと申しております。(よい政治、あたたかい政治をしておられることの表れでしょう。)
秋風 吳江の冷しきに仿佛し,鷗鷺【おうろ】 參差【しんし】 夕陽の影。
垂虹【すいこう】 納納【のうのう】 譙門【しょうもん】に臥し,雉堞耽耽俯漁艇。
陽安の小兒 拍手をって笑う,使君 幻出し 江南の景と。
『江月樓』 現代語訳と訳註
(本文)
江月樓
秋風仿佛吳江冷,鷗鷺參差夕陽影。
垂虹納納臥譙門,雉堞耽耽俯漁艇。
陽安小兒拍手笑,使君幻出江南景。
(下し文)
(江月樓)
秋風 吳江の冷しきに仿佛し,鷗鷺【おうろ】 參差【しんし】 夕陽の影。
垂虹【すいこう】 納納【のうのう】 譙門【しょうもん】に臥し,雉堞耽耽俯漁艇。
陽安の小兒 拍手をって笑う,使君 幻出し 江南の景と。
(現代語訳)
(節度使の軍営に慰問に回る、簡陽の江月樓で虹のかかるのを見、漁船を見る。江南の景色と見紛う景色と風興をあじわう。)
悲秋を感じさせる風が吹き始め、簡州の江月楼からの眺めは、あたかも江南の江を眺めているようななのだ。川辺にかもめやさぎがいり乱れてあちこちに、この風景でわたしは夕陽の残光の中に、じっと動かないでいるのです。
小雨のあとに、まるい虹がかかり、その裾は城門の望楼のあたりで消えていて、城の墻の上からは、魚をとる小舟がいくつか見おろせるのも江南の景色でしょう。
そこでこれを見た簡州陽安の子どもたちは手をたたき、よろこび微笑んで、州長官さまが、魔法を使ってこんな景色をあらわしてくださったんだなどと申しております。(よい政治、あたたかい政治をしておられることの表れでしょう。)
(訳注)
江月樓
1. (節度使の軍営に慰問に回る、簡陽の江月樓で虹のかかるのを見、漁船を見る。江南の景色と見紛う景色と風興をあじわう。)
2. 江月樓 簡州簡陽県の地にある。簡陽(中国歴史地図唐e-2)現在、成滝鉄道の沿線の都市で、汶江に臨んでいる。古の簡県の地で、西南三里に、三国時代の陽安関があるので、別に陽安ともよばれている。その陽安の南三十歩に赤水というのがあり、また際水というのも流入しているが、その赤水と雁水の中間にあるのが江月榛だと「九州要記」に記され、薛濤のこの詩も載せられている。
3. 【構成】
秋風仿佛吳江冷 鷗鷺參差夕陽影
垂虹納納臥譙門 雉堞耽耽俯漁艇
陽安小兒拍手笑 使君幻出江南景
○△△●○○△ ○●△△●○●
○△●●●○○ ●●△△●○●
○○●○●●● ●○●●○○●
秋風仿佛吳江冷,鷗鷺參差夕陽影。
悲秋を感じさせる風が吹き始め、簡州の江月楼からの眺めは、あたかも江南の江を眺めているようなのだ。川辺にかもめやさぎがいり乱れてあちこちに、この風景でわたしは夕陽の残光の中に、じっと動かないでいるのです。
4. ・秋風 悲秋を感じさせる風。
5. ・彷彿 はっきり見分けにくいさま。そこで、さながら、さも似たりの意となる。
6. ・呉江 今の呉淞江。ただしここでは、江南の呉地方の河というていどの意。それは江南地方の温暖平穏な川の風景を想像させる。
7. ・鷗鷺 鷗:かもめと鷺:きざ。
8. ・参差 いり乱れている形。
垂虹納納臥譙門,雉堞耽耽俯漁艇。
小雨のあとに、まるい虹がかかり、その裾は城門の望楼のあたりで消えていて、城のめがきの上からは、魚をとる小舟がいくつか見おろせるのも江南の景色でしょう。
9. ・垂虹 空から地へ半円を措いてとどい に.している虹。
10. ・納納 物を包み入れるさま。まるく包むように虹がかけているありさま。
11. ・譙門 物見やぐらのついている城門。
12. ・雉堞 城上のひめがき。女墻に同じ。
13. ・耽耽 見おろすさま。