詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.78 薛濤 《別李郎中 》
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2017年11月4日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.78 薛濤 《別李郎中 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9417
(李郎中さまと別れる。)
あお桐の花が落ちる時節になり、李郎中さまは、奥方さまがおなくなりおわかれになった。あお桐に棲む鳳凰が、永遠の別れをした。これから都むかえば、秦嶺の上からは、遠く眼下に長安の平野が望まれ、きっと堪らなく淋しいことでしょう。
郎中さまは詩人としてもあの晋の潘岳に並ぶ方で、きっとまた詩をお作りになるでしょう。妻の死を悲しんで「悼亡」の詩を詠ったように、「起承転」の大部分が「悼亡」ということになるでしょう。
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薛濤詩 |
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73. 寄詞
菌閣芝樓杳靄中,霞開深見玉皇宮。
紫陽天上神仙客,稱在人間立世功。
74. 送友人
水國蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
誰言千里自今夕,離夢杳如關塞長。
75. 贈遠二首 其一
擾弱新蒲葉又齊,春深花發塞前溪。
知君未轉秦關騎,月照千門掩袖啼。
76. 贈遠二首 其二
芙蓉新落蜀山秋,錦字開緘到是愁。
閨閣不知戎馬事,月高還上望夫樓。
77. 寄張元夫
前溪獨立後溪行,鷺識朱衣自不驚。
借問人間愁寂意,伯牙弦絕已無聲。
78. 別李郎中
花落梧桐鳳別凰,想登秦嶺更淒涼。
安仁縱有詩將賦,一半音詞雜悼亡。
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薛濤 78 《別李郎中》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9417 |
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別李郎中
(李郎中さまと別れる。)
花落梧桐鳳別凰,想登秦嶺更淒涼。
あお桐の花が落ちる時節になり、李郎中さまは、奥方さまがおなくなりおわかれになった。あお桐に棲む鳳凰が、永遠の別れをした。これから都むかえば、秦嶺の上からは、遠く眼下に長安の平野が望まれ、きっと堪らなく淋しいことでしょう。
安仁縱有詩將賦,一半音詞雜悼亡。
郎中さまは詩人としてもあの晋の潘岳に並ぶ方で、きっとまた詩をお作りになるでしょう。妻の死を悲しんで「悼亡」の詩を詠ったように、「起承転」の大部分が「悼亡」ということになるでしょう。
(李郎中に別る)
花落ちて梧桐【ごとう】鳳は凰【おう】に別る,想うに秦嶺【しんれお】に登りなば更に淒涼【せいりょう】ならん。
安仁【あんじん】縱【たと】い 詩 將に賦せんとする有るも,一半の音詞は悼亡【とうぼう】を雜【まじ】えん。
花落梧桐鳳別凰,想登秦嶺更淒涼。
安仁縱有詩將賦,一半音詞雜悼亡。
(下し文)
(李郎中に別る)
花落ちて梧桐【ごとう】鳳は凰【おう】に別る,想うに秦嶺【しんれお】に登りなば更に淒涼【せいりょう】ならん。
安仁【あんじん】縱【たと】い 詩 將に賦せんとする有るも,一半の音詞は悼亡【とうぼう】を雜【まじ】えん。
(現代語訳)
(李郎中さまと別れる。)
あお桐の花が落ちる時節になり、李郎中さまは、奥方さまがおなくなりおわかれになった。あお桐に棲む鳳凰が、永遠の別れをした。これから都むかえば、秦嶺の上からは、遠く眼下に長安の平野が望まれ、きっと堪らなく淋しいことでしょう。
郎中さまは詩人としてもあの晋の潘岳に並ぶ方で、きっとまた詩をお作りになるでしょう。妻の死を悲しんで「悼亡」の詩を詠ったように、「起承転」の大部分が「悼亡」ということになるでしょう。
(訳注)
別李郎中
1. (李郎中さまと別れる。)
2. ・李郎中 郎中は官名。各部にあり、宿衛の官。一本に中郎に作るとあるが、中郎の称は六朝まで。採らぬ。
花落梧桐鳳別凰,想登秦嶺更淒涼。
あお桐の花が落ちる時節になり、李郎中さまは、奥方さまがおなくなりおわかれになった。あお桐に棲む鳳凰が、永遠の別れをした。これから都むかえば、秦嶺の上からは、遠く眼下に長安の平野が望まれ、きっと堪らなく淋しいことでしょう。
3. ・梧桐 鳳凰は、霊泉(醴泉〈れいせん〉、甘い泉の水)だけを飲み、60-120年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐の木にしか止まらないという。『詩経』には「鳳凰鳴けり、彼の高き岡に。梧桐生ず、彼の朝陽に」とある。
4. ・鳳凰 梧桐の内に棲む想像上の鳥、雄と雌。瑞鳥として考えられ、ここでは李郎中を、その妻を恩にたとえたもの。結句に「悼亡」の語があるから、妻の死を悲しんだことになる。妻は都にのこしておいたと解釈する方が、いくらか自然に近いであろう、ここでは妻は都で留守中に死亡した。
5. ・秦嶺 四川から剣門の峠を越えて都の長安の方へおりてゆく道に横たわっている山脈の名。長安の南背後にある。やがて長安の方が望見せられる位置。
6. ・凌涼(せいりょう) たまらなくさびしい。
安仁縱有詩將賦,一半音詞雜悼亡。
郎中さまは詩人としてもあの晋の潘岳に並ぶ方で、きっとまた詩をお作りになるでしょう。妻の死を悲しんで「悼亡」の詩を詠ったように、「起承転」の大部分が「悼亡」ということになるでしょう。
7. ・安仁 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」 の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。
8. ・悼亡 妻の死をなげくこと。
9. ・一半音詞 詩の大部分がということであるが、詩(起承転結)の起承転に「悼亡」の意味を含んでいると具体的な例ということ。
魚玄機『光威裒姉妹三人、・・・・因次其韻。-#8』 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2177
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
いや、もうすでに、よい愛人と、花の下で憩をささやいて、何度も阿母さんから叱られたこともあるでしょうし、夢の中では、美男子の潘岳のような詩才もある男が、きっと彼女たちのところへ通ってきていることでしょう。
・阿母 娼妓を置いている館の女主人。仮母である。
・藩郎 晋の潘岳。美男子であり、詩人であった。
魚玄機『迎李近仁員外』
今日喜時聞喜鵲,昨宵燈下拜燈花。
焚香出戶迎潘嶽,不羨牽牛織女家。
迎李近仁員外 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-115-50-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2122
・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。
『和新及第悼亡詩二首 其一』
仙籍人間不久留,片時已過十經秋。
鴛鴦帳下香猶暖,鸚鵡籠中語未休。
朝露綴花如臉恨,晚風欹柳似眉愁。
彩雲一去無消息,潘嶽多情欲白頭。
和新及第悼亡詩二首 其一 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-87-23-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1982
和新及第悼亡詩二首 其二 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-88-24-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1987