詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.51 薛濤 《十離詩十首 鏡離台 》
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2017年10月7日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.51 薛濤 《十離詩十首 鏡離台 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9207
(鏡は台から取り去られる。) この鏡は、黄金を鋳造して磨かれた立派な鏡なのです。それは初月から、三日月、五日月、そして満月になってぶらぶらと徘徊いたします。
ところが、何かのことで、鏡に、限りない塵に蔽われてしまうようなことになったというのです。華やかな富貴の奥座敷の美しい台の上にのせられることも、許されなくなってしまうのです。
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薛濤詩 |
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40十離詩十-幷序
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。因事獲怒。遠之。涛作十離詩以献。逐復善焉。
41.犬離主
出入朱門四五年,為知人意得人憐。 近緣咬著親知客,不得紅絲毯上眠。
42. 犬離主
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。因事獲怒。遠之。涛作十離詩以献。逐復善焉。
43. 筆離手
越管宣毫始稱情,紅箋紙上撒花瓊。 都緣用久鋒頭盡,不得羲之手里擎。
44. 馬離廄
雪耳紅毛淺碧蹄,追風曾到日東西。 為驚玉貌郎君墜,不得華軒更一嘶。
45. 鸚鵡離籠
隴西獨自一孤身,飛去飛來上錦茵。都緣出語無方便,不得籠中再喚人。
46. 燕離巢
出入朱門未忍拋,主人常愛語交交。銜泥穢污珊瑚枕,不得梁間更壘巢。
47. 珠離掌
皎潔圓明內外通,清光似照水晶宮。只緣一點玷相穢,不得終宵在掌中。
48. 鷹離鞲
爪利如鋒眼似鈴,平原捉兔稱高情。無端竄向青云外,不得君王臂上擎。
49. 鷹離鞲
爪利如鋒眼似鈴,平原捉兔稱高情。無端竄向青云外,不得君王臂上擎。
50. 竹離亭
蓊郁新栽四五行,常將勁節負秋霜。 為緣春筍鑽牆破,不得垂陰覆玉堂。
51. 鏡離台
鑄瀉黃金鏡始開,初生三五月徘徊。 為遭無限塵蒙蔽,不得華堂上玉台。
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薛濤詩 49 《十離詩十首 竹離亭》 |
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49 鏡離台 80
鏡離台
(鏡は台から取り去られる。)
鑄瀉黃金鏡始開,初生三五月徘徊。
この鏡は、黄金を鋳造して磨かれた立派な鏡なのです。それは初月から、三日月、五日月、そして満月になってぶらぶらと徘徊いたします。
為遭無限塵蒙蔽,不得華堂上玉台。
ところが、何かのことで、鏡に、限りない塵に蔽われてしまうようなことになったというのです。華やかな富貴の奥座敷の美しい台の上にのせられることも、許されなくなってしまうのです。
『鏡離台』 現代語訳と訳註
(本文)
鏡離台
鑄瀉黃金鏡始開,初生三五月徘徊。
為遭無限塵蒙蔽,不得華堂上玉台。
(下し文)
鏡 台を離る
黃金を鑄瀉して鏡は始めて開かる,初生 三五 月徘徊す。
無限にして塵の蒙蔽するに遭うが為に,華堂 玉台に上るを得ず。
(現代語訳)
(鏡は台から取り去られる。) この鏡は、黄金を鋳造して磨かれた立派な鏡なのです。それは初月から、三日月、五日月、そして満月になってぶらぶらと徘徊いたします。
ところが、何かのことで、鏡に、限りない塵に蔽われてしまうようなことになったというのです。華やかな富貴の奥座敷の美しい台の上にのせられることも、許されなくなってしまうのです。
(訳注)
鏡離台
67. (鏡は台から取り去られる。)
鑄瀉黃金鏡始開,初生三五月徘徊。
この鏡は、黄金を鋳造して磨かれた立派な鏡なのです。それは初月から、三日月、五日月、そして満月になってぶらぶらと徘徊いたします。
68. ・鑄瀉 鋳はいること。潟は型に流しこむこと。写るまでにすることで、磨いて遷るようにする。
69. ・黄金 銅と水銀をまぜたものでつくる。りっはな鏡というもの。
70. ・初生 生まれたばかり。三日月よりも前の月で初月である。新月、初月は陰語を含むものである。
71. ・三五 三かける五で十五。十五夜をいう。満月である。当時の鏡は円形であった。ここは月にもじって新月から満月になり名残月と進んでゆくことで時間の経過、使用頻度、私用する女子が若かったことから年増になっていくことを意味している。
72. ・徘徊 ゆきつもどりつすること。ゆっくり動くかたち。時間経過を示すもの。男女の恋のゆくへを示唆するものである。
為遭無限塵蒙蔽,不得華堂上玉台。
ところが、何かのことで、鏡に、限りない塵に蔽われてしまうようなことになったというのです。華やかな富貴の奥座敷の美しい台の上にのせられることも、許されなくなってしまうのです。
73. ・蒙蔽 蒙はこうむる。蔽はおおう。磨かなければ映らなくなることをいう。年増になる姿を写したくないというのが理由なのであろう。
74. ・華堂 玉堂におなじ、富貴のりつばなお座敷。
75. ・玉臺 玉の飾りりついたようなりつはな台。台はここではもちろん鏡台をいう。
76. 十首目にふさわしく妓女の生涯を鏡になぞらえ詠ったもので、一夫多妻制の時代、女として価値あるものとして扱われるのが十代であり、その後は次第に相手にされないことをいうのである。
魚玄機なら「男のその時の好みによって相手にされたり、捨てられたり、そんな勝手が許されるのか」というとこであろうが、薛濤は「十離詩十首」という詩で、やんわりと元稹に許しを乞うたのである。