詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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九、014卷804_14 《冬夜寄溫飛卿 》 魚玄機
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2017年12月22日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、014卷804_14 《冬夜寄溫飛卿 》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9746
(長い冬の夜に。詩の師匠である温庭筠にこの詩を寄せる)
女性が詞を作るにはその表現に苦労します。自分の気持ちを適格に表現できるだけではいけないので字句を求めて、燈火の下で、吟じては修正するのです。冬の夜長、詩の語句を吟じると眠れずふとんにはいっても、寒さにふるえることもあるのです。
庭一面に木の葉が落ちています。さびしい風の音をたてて吹きぬけると木の葉が舞い踊ります。寝所のカーテンの透けて見える向こうには、薄絹を張った窓に月影がさしこんで、やがてその月も沈んでしまうので、この美しい光景を惜しむのです。
人には別れというものがあり、わたしもまだ、その別れがおさまったわけもないのですが、願いどおりの道土の生活に入ることができています。妻として楽しく暮らしていたころにはわからなかった、しかし空虚な生活で自分の本来の心を見出したのです。
げる所には住んではいけないのです。夕暮れの雀はチュッチュッと鳴いて空しく林を廻って自分の巣へ帰っていくのです。(再び、妻になろうなんて思いません。道観に入って修行するのがこれからの生き方でしょう。)
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魚玄機 全詩 |
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卷804_11 春情寄子安
山路欹斜石磴危,不愁行苦苦相思。
冰銷遠澗憐清韻,雪遠寒峰想玉姿。
莫聽凡歌春病酒,休招閑客夜貪棋。
如松匪石盟長在,比翼連襟會肯遲。
雖恨獨行冬盡日,終期相見月圓時。
別君何物堪持贈,淚落晴光一首詩。
卷804_12 打球作
堅圓凈滑一星流,月杖爭敲未擬休。
無滯礙時從撥弄,有遮欄處任鉤留。
不辭宛轉長隨手,卻恐相將不到頭。
畢竟入門應始了,願君爭取最前籌。
卷804_13 暮春有感寄友人
鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
獨憐無限思,吟罷亞枝松。
卷804_14 冬夜寄溫飛卿
苦思搜詩燈下吟,不眠長夜怕寒衾。
滿庭木葉愁風起,透幌紗窗惜月沈。
疏散未閑終遂願,盛衰空見本來心。
幽棲莫定梧桐處,暮雀啾啾空繞林。
卷804_15 酬李郢夏日釣
住處雖同巷,經年不一過。
清詞勸舊女,香桂折新柯。
道性欺冰雪,禪心笑綺羅。
跡登霄漢上,無路接煙波。
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魚玄機《冬夜寄溫飛卿》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9746 |
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卷804_14 【冬夜寄溫飛卿】魚玄機
冬夜寄溫飛卿
(長い冬の夜に。詩の師匠である温庭筠にこの詩を寄せる)
苦思搜詩燈下吟,不眠長夜怕寒衾。
女性が詞を作るにはその表現に苦労します。自分の気持ちを適格に表現できるだけではいけないので字句を求めて、燈火の下で、吟じては修正するのです。冬の夜長、詩の語句を吟じると眠れずふとんにはいっても、寒さにふるえることもあるのです。
滿庭木葉愁風起,透幌紗窗惜月沈。
庭一面に木の葉が落ちています。さびしい風の音をたてて吹きぬけると木の葉が舞い踊ります。寝所のカーテンの透けて見える向こうには、薄絹を張った窓に月影がさしこんで、やがてその月も沈んでしまうので、この美しい光景を惜しむのです。
疏散未閑終遂願,盛衰空見本來心。
人には別れというものがあり、わたしもまだ、その別れがおさまったわけもないのですが、願いどおりの道土の生活に入ることができています。妻として楽しく暮らしていたころにはわからなかった、しかし空虚な生活で自分の本来の心を見出したのです。
幽棲莫定梧桐處,暮雀啾啾空繞林。
げる所には住んではいけないのです。夕暮れの雀はチュッチュッと鳴いて空しく林を廻って自分の巣へ帰っていくのです。(再び、妻になろうなんて思いません。道観に入って修行するのがこれからの生き方でしょう。)
(冬夜、温飛卿に寄す)
苦思 詩を捜して燈下に吟じ、不眠の長夜 寒衾を怕る。
滿庭の木葉 愁風 起き,透幌の紗窗 惜月 沈む。
疏散 未だ閑ならざるも 終に願いを遂ぐ,盛衰 空しく見る本來の心。
幽棲 定まる莫れ梧桐の處,暮雀 啾啾 空しく林を繞る。
《冬夜寄溫飛卿》 現代語訳と訳註
(本文)
冬夜寄溫飛卿
苦思搜詩燈下吟,不眠長夜怕寒衾。
滿庭木葉愁風起,透幌紗窗惜月沈。
疏散未閑終遂願,盛衰空見本來心。
幽棲莫定梧桐處,暮雀啾啾空繞林。
(下し文)
(冬夜、温飛卿に寄す)
苦思 詩を捜して燈下に吟じ、不眠の長夜 寒衾を怕る。
滿庭の木葉 愁風 起き,透幌の紗窗 惜月 沈む。
疏散 未だ閑ならざるも 終に願いを遂ぐ,盛衰 空しく見る本來の心。
幽棲 定まる莫れ梧桐の處,暮雀 啾啾 空しく林を繞る。
(現代語訳)
(長い冬の夜に。詩の師匠である温庭筠にこの詩を寄せる)
女性が詞を作るにはその表現に苦労します。自分の気持ちを適格に表現できるだけではいけないので字句を求めて、燈火の下で、吟じては修正するのです。冬の夜長、詩の語句を吟じると眠れずふとんにはいっても、寒さにふるえることもあるのです。
庭一面に木の葉が落ちています。さびしい風の音をたてて吹きぬけると木の葉が舞い踊ります。寝所のカーテンの透けて見える向こうには、薄絹を張った窓に月影がさしこんで、やがてその月も沈んでしまうので、この美しい光景を惜しむのです。
人には別れというものがあり、わたしもまだ、その別れがおさまったわけもないのですが、願いどおりの道土の生活に入ることができています。妻として楽しく暮らしていたころにはわからなかった、しかし空虚な生活で自分の本来の心を見出したのです。
げる所には住んではいけないのです。夕暮れの雀はチュッチュッと鳴いて空しく林を廻って自分の巣へ帰っていくのです。(再び、妻になろうなんて思いません。道観に入って修行するのがこれからの生き方でしょう。)
(訳注)
冬夜寄溫飛卿
1. (長い冬の夜に。詩の師匠である温庭筠にこの詩を寄せる)
2. ・温飛卿 温庭筠、初名は岐。魚玄機の詩才を認め、都にあったころはしたしく指導した、当時の代表的詩人。このブログに60首程度掲載している。
苦思搜詩燈下吟,不眠長夜怕寒衾。
女性が詞を作るにはその表現に苦労します。自分の気持ちを適格に表現できるだけではいけないので字句を求めて、燈火の下で、吟じては修正するのです。冬の夜長、詩の語句を吟じると眠れずふとんにはいっても、寒さにふるえることもあるのです。
3. ・苦思 魚玄機の詩は他の女性の詩とは異なる。芸妓としても語句も、詩風も異なっている。それは評価される場合と逆に批判もあったはずで、その面において温庭筠に相談を持ちかけたのではあるまいか。
4. ・捜詩 女性の詩は韻重視のものが多く、律詩は少ない。韻と対句、女性として生意気でなく、優しそうな意味と優しそうな言葉を捜す。律詩における対句七言律詩は男性詩人であっても難しいので作品は少ない。
滿庭木葉愁風起,透幌紗窗惜月沈。
庭一面に木の葉が落ちています。さびしい風の音をたてて吹きぬけると木の葉が舞い踊ります。寝所のカーテンの透けて見える向こうには、薄絹を張った窓に月影がさしこんで、やがてその月も沈んでしまうので、この美しい光景を惜しむのです。
5. ・幌 とばり、たれぎぬ。帷帳。
6. ・紗窗 紗はうすぎぬ。きわめて軽く薄い織物。それをはった窓。
疏散未閑終遂願,盛衰空見本來心。
人には別れというものがあり、わたしもまだ、その別れがおさまったわけもないのですが、願いどおりの道土の生活に入ることができています。妻として楽しく暮らしていたころにはわからなかった、しかし空虚な生活で自分の本来の心を見出したのです。
7. ・疏散 疏はうとんぜられること。散はわかれること。
8. ・盛衰 李億の妻として楽しく暮らしていたころのこと。
幽棲莫定梧桐處,暮雀啾啾空繞林。
今は、人里離れた静かなところで鳳凰の住む梧桐のしげる所には住んではいけないのです。夕暮れの雀はチュッチュッと鳴いて空しく林を廻って自分の巣へ帰っていくのです。(再び、妻になろうなんて思いません。道観に入って修行するのがこれからの生き方でしょう。)
9. ・幽棲 人里離れた静かなところ。道観の咸宜観のこと。
10. ・梧桐 あおぎりの葉が茂ること。つがいの鳳凰が住むところとされる。
「古朗月行」 #2 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集 265/350
「蟾蜍蝕圓影、大明夜已殘。 羿昔落九烏、天人清且安。陰精此淪惑、去去不足觀。 憂來其如何、淒愴摧心肝。」(蟾蜍(せんじょ)は 円影を蝕し、大明 夜已に残く。羿(げい)は昔 九鳥を落とし、天人 清く且つ安し。陰精(いんせい) 此に淪惑(りんわく)、去去 観るに足らず。憂 來りて 其れ如何、悽愴(せいそう) 心肝を摧(くだ)く。)
月の中にはヒキガエルがすんでいて、月のまるい影を食べている。月明かりが大きく照らさている夜があり、欠けてしまって夜の明りがのこる。大むかし十個の太陽があっって、日が定まらず困っていたので、弓の名手の羿が、九羽のカラスを射落すことによって、天は清らかに、人びとは安らかになった。天道には、陰と陽があり、陰の象徴である月の梧桐から追い出され后妃を殺し、沈みきって蜀まで迷い逃げた。叛乱軍は衰えるところなく時は、しだいに都を見るかげもないものにして行った。この先行きに対し、憂いのおこるのをどうしたらよいのであろう。この国のことを考えるにつけ、いたみかなしみがとめどなく、わたしの心をこなごなにする。