詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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九、013卷804_13 《暮春有感寄友人》 魚玄機
2017年12月21日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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九、013卷804_13 《暮春有感寄友人》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9739
(春も終わりかけて思うところあって、この詩を友人に寄せる。)
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方の靄がしだいに漉く起ちこめてくる。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
いまひとりでいて、さまざまな思いがとまらないのは憐れなものだ。松の横枝に手をかけながら、口ずさんでいた詩も、少しずつ冷めてきてやめてしまった。
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魚玄機 全詩 |
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卷804_11 春情寄子安
山路欹斜石磴危,不愁行苦苦相思。
冰銷遠澗憐清韻,雪遠寒峰想玉姿。
莫聽凡歌春病酒,休招閑客夜貪棋。
如松匪石盟長在,比翼連襟會肯遲。
雖恨獨行冬盡日,終期相見月圓時。
別君何物堪持贈,淚落晴光一首詩。
卷804_12 打球作
堅圓凈滑一星流,月杖爭敲未擬休。
無滯礙時從撥弄,有遮欄處任鉤留。
不辭宛轉長隨手,卻恐相將不到頭。
畢竟入門應始了,願君爭取最前籌。
卷804_13 暮春有感寄友人
鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
獨憐無限思,吟罷亞枝松。
卷804_14 冬夜寄溫飛卿
苦思搜詩燈下吟,不眠長夜怕寒衾。
滿庭木葉愁風起,透幌紗窗惜月沈。
疏散未閑終遂願,盛衰空見本來心。
幽棲莫定梧桐處,暮雀啾啾空繞林。
卷804_15 酬李郢夏日釣
住處雖同巷,經年不一過。
清詞勸舊女,香桂折新柯。
道性欺冰雪,禪心笑綺羅。
跡登霄漢上,無路接煙波。
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魚玄機《暮春有感寄友人》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9739 |
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卷804_13 【暮春有感寄友人】魚玄機
暮春有感寄友人
(春も終わりかけて思うところあって、この詩を友人に寄せる。)
鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方の靄がしだいに漉く起ちこめてくる。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
獨憐無限思,吟罷亞枝松。
いまひとりでいて、さまざまな思いがとまらないのは憐れなものだ。松の横枝に手をかけながら、口ずさんでいた詩も、少しずつ冷めてきてやめてしまった。
暮春、感ずるありて、友人に寄す
鴬語 殘夢を驚かす、軽妝 浜容を改む。
竹 陰りて初月薄く、江 静まりて晚煙 濃し。
濕える觜に泥を銜んだ燕なり,香える須は蕊を采る蜂なり。
獨りにて憐む無限の思いする,吟じて罷む 亞枝の松なり。
『暮春有感寄友人』 現代語訳と訳註
(本文)
鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
獨憐無限思,吟罷亞枝松。
(下し文)
暮春、感ずるありて、友人に寄す
鴬語 殘夢を驚かす、軽妝 浜容を改む。
竹 陰りて初月薄く、江 静まりて晚煙 濃し。
濕える觜に泥を銜んだ燕なり,香える須は蕊を采る蜂なり。
獨りにて憐む無限の思いする,吟じて罷む 亞枝の松なり。
(現代語訳)
(春も終わりかけて思うところあって、この詩を友人に寄せる。)
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方の靄がしだいに漉く起ちこめてくる。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
いまひとりでいて、さまざまな思いがとまらないのは憐れなものだ。松の横枝に手をかけながら、口ずさんでいた詩も、少しずつ冷めてきてやめてしまった。
(訳注)
暮春有感寄友人
1. (春も終わりかけて思うところあって、この詩を友人に寄せる。)
2. 花街の女性である、思わせぶりと、寂しさをアピールするのは当然の事であろう。この詩が魚玄機を棄てた慕情を詠うものというのは全く違う。主観がありすぎると間違う。
鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
3. ・鶯語 鶯の鳴き声、さえずり。春を知らせる。夜あげに啼く。
4. ・殘夢 曉け方のうとうととした夢路。春のこと、胸を焦がして眠れないことをいみする。
5. ・嘩牧 化粧。朝の化粧直し。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方のもやがしだいに漉くたちこめてくる。
6. ・初月【はつづき】三日月。陰暦で月の初めに西の空に見える細い月。陰暦八月三日の月を指すこともあり、「秋」の季語でもある。 また、月と太陽の視黄経が等しくなるその時刻を指し、朔(さく)と言われることもある。新月 には美しい浄化のエネルギーに満ちあふれており、何かを始めるのには最適な時刻・時期だと感じていたのである。
7. ・江 大江。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
8. ・觜 嘴
李商隠『茂陵』
漢の武帝は、遠征して大宛の国を討ち、天馬のように一日、千里をはしる馬を得た、その馬が蒲梢産であったから、蒲梢と名づけた。ある時は張鶱を西域に遣わし、その馬の好物である苜蓿をはじめ、石榴や胡桃などの珍樹を持ち帰らせ、それを国都の近郊に植えさせ、珍しい草木の花々が、一般化したということだ。宮中の庭苑内に多くの禽獣を飼い、弓を弾き狩猟のみした。弓の弦が切れたら、鳳の觜から作ったという接着剤を唾でとかすだけで剣でも接着するのにただ知っているだけだった。武帝が巡行する時の属車に鸞鈴をつけた旗はどの車にもつき立てられていなかった。毎度、お忍びの夜遊びをしていた。
漢家天馬出蒲梢、苜蓿榴華遍近郊。内苑只知銜鳳觜、属車無復插鶏翹。
玉桃倫得憐方朔、金屋粧成貯阿嬌。誰料蘇卿老歸國、茂陵松柏雨蕭蕭。
茂陵 李商隠 :紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 65