詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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集-06-B【字解集】 26-重陽阻雨 27-早秋 28-感懷寄人 29-期友人阻雨不至 31-訪趙煉師不遇
2018年1月22日 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、集-06-B【字解集】 26-重陽阻雨 27-早秋 28-感懷寄人 29-期友人阻雨不至 31-訪趙煉師不遇 》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9930 |
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九、集-06-B【字解集】 26-重陽阻雨 27-早秋 28-感懷寄人 29-期友人阻雨不至 31-訪趙煉師不遇 》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9930
蒼蒼松與桂,仍羨世人欽。
あなたさまは隆々とした松、青々としげる桂なお方と存じ上げています。あなた様を押し対することは世間の人もとても羨んでいます。
9. ・蒼蒼(そうそう) 線の色をみせていきいきと生きている。
10. ・松輿桂 ともにりっはな男性をたとえたもの。
11. 欽 うやまう。つつしむ。李白の「下邦杷橋に張子房を懐ふ」詩に、「我來圯橋上、懷古欽英風。」(我 圯橋(いきょう)の上に來り、古(いにしえ)を懐うて、英風を欽(しと)う。)經下邳圯橋懷張子房 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -272
月色苔階凈,歌聲竹院深。
あなたがお渡りになる苔むしたきざはしであっても塵ひとつないことは、月の光にきれいに照らされればわかります。また歌聲は竹の庭の奥深くにあるものです。
12. ・ここは奥の書斎で接待するということ、そこには誰も近づかないということを云う。
門前紅葉地,不掃待知音。
門の前には、紅葉が散りしいております。わざと掃いたりしないので、「知音」のおかたとしてお待ちしております。
13. ・紅葉(こうよう) かえでの葉とはかぎらない。あかくなった木の葉。出入りの様子が残るようなことをしないというほどの意味。
14. ・知音 自分の心を知るしたしい友人。○知音 知己。自分の琴の演奏の良さを理解していくれる親友のこと。伯牙は琴を能くしたが、鍾子期はその琴の音によって、伯牙の心を見抜いたという。転じて自分を理解してくれる知人。
『列子、湯問』「伯牙善鼓琴。鐘子期善聽。伯牙鼓琴。志在登高山。鐘子期曰。善哉。巍巍兮若泰山。志在流水。鍾子期曰。善哉。洋洋兮若江河。伯牙所念。鐘子期必得之。伯牙游於泰山之陰。卒逢暴雨。止於巖下心悲。乃援琴而鼓之。初為霖雨之操。更造崩山之音。曲毎奏。鐘子期輒窮其趣。伯牙乃舍琴而嘆曰。善哉善哉。子之聽。夫志想象。猶吾心也。吾於何逃聲哉。」
伯牙善く琴を鼓し、鍾子期善く聴く。
伯牙琴を鼓し、志泰山登るに在り、鍾子期曰く、善い哉、巍巍兮として泰山の若し、と。
志流水に在らば、鍾子期曰く、 善い哉、琴を鼓する、洋洋兮として江河の若し、と。
伯牙の念ふ所、鐘子期必ず之を得。
伯牙、泰山の陰に遊び、卒に暴雨に逢ふ。
巖下に止まりて心悲しみ、乃ち琴を援りて之を鼓す。
初め「霖雨の操」を為し、更に「崩山の音」を造す。
曲奏する毎に、鐘子期輒ち其の趣きを窮む。
伯牙乃ち琴を舎きて嘆じて曰く、善い哉、善い哉、子の聴く。
夫れ志を想像する、猶ほ吾が心のごときなり。
吾れ何に於いて声を逃れんや、と。
魚玄機【字解集】 卷804_29 期友人阻雨不至
期友人阻雨不至
1. (逢うことを約束していた友人が長雨に阻まれてくることが出来ないのでこの詩を作る)
2. 道女であること。半隠遁していること。訪ねて遭わず。これらは多くの詩人が詠ってきたことである。魚玄機もその心境で作ったものであろう。
雁魚空有信,雞黍恨無期。
お勤め先からの訪ねてくるという空しい便りがあったが、論語の教え通りに「鷄黍之款」と御馳走を用意す予定も不満足なものです。
3. ・友人 花街の友人であるから、懇意なお客、楽しみで期待できるひとということであろうか。
4. ・阻 ははまる。さえぎられる。じゃまされる。
5. ・雁魚 雁足、魚尺ともいう。手紙のこと。
6. ・難黍(けいし上) にわとりのあつものと、きびのめし。人をもてなすことをいう。「論語」の微子篇に、「殺鷄為黍而食之」(鷄を殺し黍を為りて、これを食ふ)の句があり、馳走をこしらえて人を迎えることを、「鷄黍之款」という。
7. ・期 約束した日。
閉戶方籠月,褰簾已散絲。
窓を閉めているけれど薄雲からさす月明かりが窓に映る。窓の簾をまきあげると、長雨のために、簾のとじ絲が切れて、ばらばらにこわれそうになってしまっている。
8. ・方 四角の小窓
9. ・籠月 うす虞後に隠れた月で時折りあらわれる。籠の中の月。妓女の魚玄機らしい表現だ。
10. ・褰簾 納めている簾。
近泉鳴砌畔,遠浪漲江湄。
又雨が降り出して部屋の近くにある池のほとりの敷石の雨音がしている。この分では大江の水嵩も高くなり遠くから波が押し寄せているのでしょう。(これではこれなかったのもしかたがない)
11. ・近泉 近くの池。
12. ・砌畔 みぎり【砌】とは。意味や解説。《「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを 限るところからという》1 時節。おり。ころ。
13. ・遠浪 遠くに見える水な禿
14. ・江湄 江は大江。湄は、みぎわ。水際。
鄉思悲秋客,愁吟五字詩。
あの友人もこちらに帰ってこれないことできっと旅の空で「悲愁」のことでしょう。そんな「悲愁」にはこうして五言詩を贈るので吟じてください。
15. ・郷思 友人が故郷を思うこと。自分のことを思っていること。
16. ・悲秋客 友人が旅人として悲愁のを感じている。
17. ・愁吟 さびしく詩歌を口ずさむこと。この詩を贈る相手に吟じてくれるように思いを送る。
中国人は自分がこう思うということよりも相手が自分のことをどう思うかでなく、こんな風に思っているという言い方をする。「鄉思」「悲秋」「客」は友人の事である。
魚玄機【字解集】 卷804_30 訪趙煉師不遇
訪趙煉師不遇
1. (趙煉師を訪ねて遇はず)
2. 妓女である魚玄機が趙煉師ということは三国時代孫権が最も寵愛した夫人のことであり、花街の女が官僚の女になったものの互いに呼び合った名前である。森鴎外は小説の中で「かねて交っていた道士趙錬師を招待して、魚玄機の身の上を託した。玄機が咸宜観に入って女道士になったのは、かうした因縁であった。」とかいている。この詩が根拠ということなのである。
妓女から役人の妻へ、そして、おそらく道士趙錬師はまさに魚玄機があこがれていた女性でもあったのではないだろうか。
少なくとも、この詩でわかるように、魚玄機は道士への憧れを持っていた。この詩はその気持ちを詠ったものである。
李白『訪載天山道士不遇』、賈島「尋隠者不遇」柳宗元、韋応物など多くの詩人が詩題にしている。
この詩が役人の妻という実績が出来、そして道観に隠遁するという、当時の妓女のステータスであったのである。したがって、魚玄機の李億に対する未練のかけらもないことを示す詩なのである。そういう意味でこの詩は重要なものである。おそらく、この詩も、書斎の中で作られたものであろう。
何處同仙侶,青衣獨在家。
お友だちの道士の方と、どこか行かれたらしい。青衣の下女がひとりでお留守番をしていた。
3. ・仙侶 仙は道士、侶は仲間。同じ道士のひとと。仙侶、錬師は、女性であったのであろう。
4. ・青衣 下女のこと。昔、身分のいやしい者が、青衣を着たことから、婦女・給仕の者を、青衣というようになった。
暖爐留煮藥,鄰院為煎茶。
出掛けられて間もないのか、爐があたたかであり、仙薬が煎じられている。庭の向こう隣りから、お茶をたててきて、もてなしてくれる。
5. ・煮藥 道士は薬草を煎じるというのも常套である。
6. ・鄰院 隣の中庭のあるブロック。
畫壁燈光暗,幡竿日影斜。
祭壇のある壁画壁のある部屋には、燈火がついているが薄暗い。それと反対に明るい庭の方に建っているはたをかかげる竹竿には、午後の日が斜めにあたっている。
7. ・畫壁 壁画のある壁。
8. ・幡 はた。仏寺や道観にたてられているはた。
殷勤重回首,墻外數枝花。
歸りかけておもむろに後ろをふりかえると、かきねの外にまで何本か出ている枝に花が咲いている。
9. ・殷勤 ねんごろ、ていねい。この場合、ていねいにまたふりかえってみたこと。
10. ・墻 土塀の垣根。
参考<隠者に対する敬具のあらわす>
李白「訪載天山道士不遇」
犬吠水声中、桃花帯露濃。
樹深時見鹿、渓午不聞鐘。
野竹分青靄、飛泉挂碧峰。
無人知所去、愁倚両三松。
犬は吠ゆ水声の中、桃花は露を帯びて濃やかなり。
樹は深くして時に鹿を見、渓は午にして鐘を聞かず。
野竹は青靄を分け、飛泉は碧峰に挂かる。
人の去く所を知る無し、愁えて倚る両三松。
・不遇
六朝の末ごろから詠い出されたこのテーマは、いないことによって却って隠者の縹渺(ひょうびょう)たる風趣が漂う、ことを狙いとする」韋応物(いおうぶつ)の「休日 人を訪ねて遇(あ)わず」の詩。昔の官吏は九日働いて一日休み、という過酷な勤め。折角の休みに隠者に会うべく山中に尋ねてきたが、留守で会えない。「六朝の末ごろから詠い出されたこのテーマは、いないことによって却って隠者の縹渺(ひょうびょう)たる風趣が漂う、ことを狙いとする」と解説される。
・錬師
花街の女が官僚の女になったものの互いに呼び合った名前らしい。孫権の歩夫人にあやかっての呼び合っていたのであろう。ちなみに歩夫人は徐州臨淮郡淮陰(現在の江蘇省淮安市)の出身。呉に仕えた歩隲の同族。諱は「練師」だった(『建康実録』)。史書に名前が残る孫権の妻の一人。戦乱を避けて母と共に江東に移住した所、孫権に見初められて夫人となった。嫉妬しない性格だったため孫権が最も寵愛した夫人となった。孫権が皇帝に即位すると内心歩夫人を皇后にしようと考えていたが、皇太子の孫登や群臣達は孫登の養母である徐夫人を皇后にすることを望んでいた。しかし孫権は徐夫人の立后を拒否し、歩夫人もまた皇后につこうとせず238年に没した。
孫権はあらためて歩夫人に皇后の位を追贈し、孫権死後に陵墓である「蒋陵」に一緒に葬られることになった。