詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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26-重陽阻雨 27-早秋 28-感懷寄人 29-期友人阻雨不至 30-訪趙煉師不遇
2018年1月21日 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、集-06-A【字解集】 26-重陽阻雨 27-早秋 28-感懷寄人 29-期友人阻雨不至 30-訪趙煉師不遇 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9923
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魚玄機 全詩 5首 |
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卷804_26 重陽阻雨
滿庭黃菊籬邊拆,兩朵芙蓉鏡裏開。
落帽臺前風雨阻,不知何處醉金杯。
卷804_27 早秋
嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
思婦機中錦,征人塞外天。雁飛魚在水,書信若為傳。
卷804_28 感懷寄人
恨寄朱弦上,含情意不任。早知雲雨會,未起蕙蘭心。
灼灼桃兼李,無妨國士尋。蒼蒼松與桂,仍羨世人欽。
月色苔階凈,歌聲竹院深。門前紅葉地,不掃待知音。
卷804_29 期友人阻雨不至
雁魚空有信,雞黍恨無期。閉戶方籠月,褰簾已散絲。
近泉鳴砌畔,遠浪漲江湄。鄉思悲秋客,愁吟五字詩。
卷804_30 訪趙煉師不遇
何處同仙侶,青衣獨在家。暖爐留煮藥,鄰院為煎茶。
畫壁燈光暗,幡竿日影斜。殷勤重回首,墻外數枝花。
魚玄機【字解集】 卷804_26 重陽阻雨
重陽阻雨
1. (重陽の日に雨に阻まれる。)
2. 重陽節は、古来より「邪を避ける」日である。その起源は下記の故事が元になっている。
『續齊諧記』後漢の時代、河南省汝南に桓景という男が住んでいた。桓景は道士の費長房に師事していた。ある時、師匠の費長房が「9月9日、お前の故郷に災難が襲い掛かるだろう」と予言した。それを聞いた桓景は急いで帰郷し、家族を連れて、師匠に言われた通りに、茱萸(グミの一種)の袋を肘にかけ、高い山へ登って菊花酒を飲めば災難からのがれることができる。」と、教えた。桓景はそのとおりにして、やまからおろて家へかえってみると、犬や牛、羊など飼っていた動物は皆死んでいた。桓景がこの話を費長房にしたところ、「動物たちが家族の代わりに災いを受けてくれたのだ。」と。
この話が広まって、9月9日には茱萸を腕に結んだり、登山をしたり、菊花酒を飲む風習が生まれたとされる。
滿庭黃菊籬邊拆,兩朵芙蓉鏡裏開。
まがきのあたりに、一面に咲いていた黄金色の菊の花は、雨風にたたかれて、茎の折れてしまったものさえある。外は雨、鏡を開けると、蓮の花が兩の頬に咲いているように映る。
3. ・黃菊(こうきく)(1)黄色い花の菊。[季]秋。(2) 襲(かさね)の色目の名。表は黄、裏は青。また、表は黄、裏は萌黄(もえぎ)。秋に用いる 。
4. ・籬 まがき。
5. ・折 おれる。
6. ・兩朵(りょうだ) 朵は花の茎を数える単位。二本。
7. ・芙蓉 蓮の花。両頬が白粉により美しくなったことを蓮花にたとえていった。
8. ・鏡裏(きょうり)鏡の中鏡に映る姿。
落帽臺前風雨阻,不知何處醉金杯。
晋の孟嘉の故事のように山に昇れば帽子が飛ばされても気が付かないほどお酒をいただき、良い詩を返そうと思う前に嵐によって山に向かう外に出るのさえ阻まれたのです。こんなことではどこで黃菊酒の盃で酔えばよいのかわからない。
9. ・落帽臺前 ・落帽;ここは山の名前を云うのではなく晋の孟嘉の故事をしめすもの。・臺前 やまをまえにしたこと。この詩では場所を特定する意味は全くないのである。雨が降ってしまって、黄菊酒が酔うほど飲めないこと、詩を作りたかったけれどできなかったことを詩にしたもので、大系15のように全く関係のない重陽と関係のない、関羽の落帽場所に無理やりこじつけて解説している。詩は作者が何を云わんとしているのかを解釈しないといけないのである。自説、仮設、主観だけで解釈して行くのは間違い。
晋の孟嘉 落帽山(後世の龍山落帽図など参照)
晋の孟嘉が桓温の参軍となり、九日龍山で催おされた登高の宴に、秋風のいたずらに孟嘉の帽子を飛ばした。本人はそれに気づかなかったが、桓温はそっと左右のものに目配せをし放置させ、やがて、孟嘉が手洗いに立つと文士の孫盛に命じ、孟嘉を嘲笑する文を孟嘉の席に置いた。席に戻った孟嘉は冷静に答辭を作った。其の文は見事な美文で一同を感嘆させた。東晉の風流の故事の一つとされている。その故事から、龍山を落帽山ともいう。
別に荊州にも関羽が劉備を助ける際帽子を落した山があるが、詩人の言う落帽山とは無関係である。なお、魚玄機の前に下記の詩人が題材としている。魚玄機の彼女らしい詠い方をしたのである。
羞将短髪環吹帽、笑倩旁人為正冠。
藍水遠従千澗落、玉山高並両峰寒。
明年此会知誰健、酔把茱萸子細看。
李白『九日龍山飲』
九日龍山飲、黄花笑逐臣。
酔看風落帽、舞愛月留人。
獨孤及『九月九日李蘇州東樓宴』
是菊花開日,當君乘興秋。風前孟嘉帽,月下庾公樓。
酒解留征客,歌能破別愁。醉歸無以贈,只奉萬年酬。
唐 元稹 『答姨兄胡靈之見寄五十韻』
「登樓王粲望,落帽孟嘉情。」
宋 陳師道 《後山詩話》:
「 孟嘉 落帽, 前世以為勝絕。
明 無心子 《金雀記‧訪花》:
「倘籬邊短幹, 肯移 陶令 之前;境上清風, 准擬落 孟嘉 之帽。」
魚玄機【字解集】 卷804_27 早秋
早秋
1. (秋の声を聴くと、景色も、風も、日も、変わるけれど、帰ってこない夫にどうしたら、思いを届けられるのか)
2. ・早秋 初秋。秋三秋(初秋・仲秋・晩秋)前半【首聯】【頷聯】で、初秋から仲秋を詠い、後半【頸聯】【尾聯】で晩秋を詠う。
嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
秋のはじめを感じさせる菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めたので、この時間でもう夕もやにかすんでいる。
3. ・嫩 1 発芽して最初に出る葉。双子葉植物で2枚出る。《季 春》2 人間の幼少のころ。また、物事の初め。「栴檀(せんだん)は―より芳(かんば)し」3 名香の一。伽羅(きゃら)で香味は苦甘。羅国。ふたばあおい双葉葵。
4. ・新彩 彩はいろどり。ここは花。
5. ・閑夕煙 夕靄がかすんで静かなかんじにひたっている。
涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
初秋の清々しい風が、緑の葉が茂る木々の間を抜けて吹いてきたからおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
6. ・涼風 秋になってまもない頃の涼しい秋かぜ。すがすがしい風はこの初秋の風を言う。
7. ・清韻 韻はひびき。清らかな風の音と琴の音かからみあうこと。
思婦機中錦,征人塞外天。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んで夫に渡している、そのあたたかい思いも、国境の塞を守る夫は、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきた中にいる。
8. ・思婦 旅に出た夫のことを思っている妻。この句から晩秋となる。
9. ・機中錦 錦を織る。夫を思い慕ったことばを回文で織り込むことをいう。この句は李白『烏夜啼』に基づいている。
黄雲城辺烏欲棲、帰飛唖亜枝上啼。
機中織錦秦川女、碧紗如煙隔窓語。
停梭悵然憶遠人、独宿弧房涙如雨。
「機中織錦秦川女」織機(はた)を前に 錦を織っている長安の女。 ・機中:機(はた)で織り込む。 ・機:はた。はたおる。 ・織錦:錦を織る。夫を思い慕ったことばを回文で織り込む。 ・秦川女:蘇蕙(蘇若蘭)のこと。この句は『晋書・列伝第六十六・列女・竇滔妻蘇氏』砂漠方面に流された夫を思う妻の典型を引用。秦川は長安地方を指す。夫が秦川刺史であったことによるための言い方。回文の錦を織った妻のことで竇滔とうとうの妻の蘇蕙(蘇若蘭)のこと。回文:順序を逆に読めば、別の意味になる文のこと。
10. ・征人 国境守備の夫。
11. ・塞 邊塞、とりで。国境にある。
謝惠連『擣衣』
擣衣 謝惠連 詩<83-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩513 紀頌之の漢詩ブログ1356
搗衣(擣衣) 杜甫 <295> i紀頌之の漢詩ブログ1352
雁飛魚在水,書信若為傳。
古より、北、西域との連絡に、雁が飛ぶ雁足に、魚尺の魚が水の中にいれたまま書簡を送ったというが、それは故事でいうことであって、現実問題として、たよりを運ぶということどうしたらできるのだろうか。
12. ・雁飛魚在 雁は雁書であり、「魚在」は、鯉魚尺素の略。○雁足 蘇武の故事。妻からの手紙をいう。蘇武が漢の使となって匈奴に捕えられていたとき、漢より別の使者がいって匈奴をあざむいていうのに、天子が上林中において弓を射て雁を得たところ、雁の足に帛書が繋いであった「蘇武は大沢の中にある」により蘇武の所在がわかり、救出できた。○鴻魚尺素 鯉素 (故事). 手紙のこと。「鯉魚尺素」の略。鯉の腹の中から白絹(=素)に書かれた手紙が出てきた故事による。 「古楽府」飲馬長城窟行の「客従遠方来、遺我双鯉魚、呼児烹鯉魚、中有尺素書。
魚玄機【字解集】 卷804_28 感懷寄人
感懷寄人
1. (心に思うところをある人によせる。)
2. 森鴎外はこの詩をその小説「魚玄機」のなかで咸宜観での作として、新しい男である陳へ、彼女が心を動かして、この詩を贈るとしている。
「陳は翌日、詩を得て、直ちに咸宜観に来た。魚玄機は人をしりぞけて引見し、僮僕に客を謝することを命じた。魚玄機の書斎からは只微かに低語の聾が聞えるのみであった。初夜を過ぎて陳は辞し去った。これからは陳は姓名を通ぜずに玄機の書斎に入ることになり、玄機は陳を迎へる度に客を謝することになった。」
と記している。
3. ・感懐(かんかい) 心に思うところ。胸の思い。
恨寄朱弦上,含情意不任。
心のなかの満たされない思いをあなたに寄せます、赤いこと糸の音にそれをのせています。その思い焦がれる気持ちをこらえています、思いのままにすることはできないことでございます。
4. ・恨 満たされない思い。心に満足しえないでいるありさま。
5. ・朱弦 朱い琴いと。
早知雲雨會,未起蕙蘭心。
わたしのこの思いはもうご承知のことで、確かに雲雨のような二人の出会いがしたいのです。香しい蘭の花のような心を未だに起こしてはおりません。
6. ・雲雨會 男女の交情。雲は男性、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。
7. ・蕙蘭 ともにかおり草。美人をさす。略に自己の巽しい恋心をいったものか。
灼灼桃兼李,無妨國士尋。
わたくし、若くてつやつやしているあの桃や李の花のように咲きはこっています。国士とも申すべきりっぱなお方をおたずねくださっても、妨げるものはありません。
8. ・灼灼 桃の木の若くてつやつやしているさま。「詩経」の周南桃夭に、「灼々たりその華」の句がある。桃李の花をたとえたもの。曹植『雜詩六首 其四』「南國有佳人,容華若桃李。」南国に佳人有り、容華は桃李の若し。南の国には美しい人がいる。容貌の華やかなことは、桃や李の花のようである。
雜詩六首其四 曹植 魏詩<21>古詩源 巻三 女性詩647 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1805