忍者ブログ

中国文学 李白・杜甫・韓愈・李商隠と女性詩 研究

詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。

八、2.4 薛濤詩 《風》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ8848

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

八、2.4 薛濤詩 《風》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ8848

 
薛濤詩 《風》

 

 

201766

の紀頌之5つの校注Blog

10年のBLOGの集大成

   李白総合案内

 

●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩(李白集校注)      LiveDoor

745年-06 【字解集】006 【字解集】 a.寓言三首  b.登廣武古戰場懷古 c.單父東樓秋夜送族弟沈之秦Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8843

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注      LiveDoor

806年-105 先生-巻八-01#24城南聯句 §5 【韓愈、孟郊】【此首又見張籍集】 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集8844

Ⅲ 杜詩詳注                  LiveDoor

767年-121七絶 解悶十二首其九(卷一七(四)頁一五一六)七絶 杜詩詳注( Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8857

杜甫詩 全詩 総合案内 

Ⅳブログ詩集漢・唐・宋詞  fc2Blog

花間集 訳注解説 (213)回目張泌 《巻四39 河傳二首其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8846 

.唐五代詞詩・女性・玉臺新詠     Live oor

玉-巻二21 樂府詩七首 其二苦相篇 豫章行 -#3〔傳玄〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 8847

Ⅵ唐代女性論ブログ唐代女性論

八、2.4 薛濤詩 《風》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ8848

漢詩・唐詩・宋詩研究

http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/

 

八、2.4 薛濤詩 《風》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ8848

(自分の置かれている芸妓を風に比喩して詠う。)

香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。

 

 

地方の官妓(2

さて、これらの女性はひとたび楽籍に入ると、官に隷属する賤民となり、その地位は官奴婢とほとんど同じであった。李商隠は「妓席」という詩の中で、〔君に勧む 面指名の際には〕小字(幼名)を書し、慎んで官奴と喚ぶ英かれ」と述べ、官妓たちが宮奴の身分であったことを明らかにしている。

 地方官妓は「楽営」の管理下に属していたので、常に「楽営妓人」、「楽営子女」などと呼ばれた。唐代にはまた「営妓」という呼称もあった。営妓は専ら軍士の娯楽に供されたもので、官妓と異なる人々であるという人もいる。しかし今まで見た文献の記載では「官妓恍左「営妓」は混同されて使われており、何らの区別も見出せない。営妓とよばれた人々の多くも、一般の官妓と同じように地方長官の管理下に置かれ官府に奉仕したのであって、専ら軍士の娯楽の用にのみ供されたという根拠を見出すことはできない。こうした理由で、唐代に専業の軍妓がいたと断定することは不可能である。筆者が思うに、営妓とはただ地方官妓の一種の別称にすぎず、楽営に所属していたがゆえに「楽営妓人」と呼ばれ、或いは単に「営妓」とも略称されたのではないか。誤解を生んだ理由は、一つには営妓という名が軍営を連想させたこと、二つには唐代の中期以後、地方官妓はみな藩帥(藩鎖)の統括下に入り、長官が軍事長官の職権を兼ねたので、人々は属下の営妓は軍事長官が軍隊のために設置したもの、と考えたことにあろう。

 

1. 井梧吟

庭除一古桐,聳干入雲中。
枝迎南北鳥,葉送往來風。

 

2. 鴛鴦草
綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。
春日長,不管秋風早。

 

3. 池上雙鳧 
雙棲綠池上,朝去暮飛還。 
更憶將雛日,同心蓮葉間。

 

4. 
獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。

 
 

 

 

 

薛濤詩 《 風kaze 》

   



獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。

獵蕙【りょうけい】微風【びふう】遠のき、飄って弦ずれば 唳くこと一聾。
林梢 明るく淅瀝【せきれき】し、松徑【しょうけい】夜となり淒清【せいせい】す。


『風』 現代語訳と訳註(本文)


獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。


(下し文)
(風)

獵蕙【りょうけい】微風【びふう】遠のき、飄って弦ずれば 唳くこと一聾。
林梢 明るく淅瀝【せきれき】し、松徑【しょうけい】夜となり淒清【せいせい】す。


(現代語訳)
(自分の置かれている芸妓を風に比喩して詠う。)

香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。


(訳注)

23. (自分の置かれている芸妓を風に比喩して詠う。)

24. この詩は中国では珍しい「風」が主語である。日本では“風が通り抜ける”という表現が「風」を表す表現として一番よく使われ自然に理解できるが、そうしたあまりない表現を薛濤は使っている詩である。中国人はほとんどが自分が主語であることが多い。そのため、漢詩大系15『魚玄機・薛濤』P229<風の姿を四つの場合にうけとめてよんだもの。ふつうの五絶のように各句が順に起伏しっつも連嬉し一首を構成するのではなく、各旬はそれぞれ燭立して、風の姿をとらえているのであるから、起承輪結の法は守られていない。特異な作品である。> と解釈している。女性らしさ、賢さと同時にかわいらしさを感じさせる、もて女のまぎれもなく五言詞である。

25. 【構成】

獵蕙微風遠  飄弦唳一

林梢明淅瀝  松徑夜淒

●●○△●  ○○●●○

○△○●●  ○●●○○


獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。
26. ・獵蕙 香草の間を通り抜けた風。・蕙 かおり草。一種の香草。・猟 とる。かならずしも禽獣をとることにかぎらない。漁船のことを猟船ということもある。(1)野生の鳥や獣をとること。猟(りよう)。狩猟。[季]冬。 (2)犯罪者などを捜索し、つかまえること。 「暴力団―」「山―」 (3)自然の中に分け入って、野草や貝などをとったり、花やもみじを観賞した.1. 捕捉禽獸:~捕。~獲。~逐。~取。~奇。狩~。田~。漁~。圍~。 2. 打獵的:~人。~。~狗。~槍。
27.
 ・弦 矢をつがえて弓の弦を放つこと。
28.
 ・唳 鳴くこと。鶴のなくことを鶴唳という。風声鶴唳とは。おじけづいて、わずかなことにも恐れおののくことのたとえ。▽「風声」は風の音。「鶴唳」はつるの鳴き声。わずかな物音にもおびえるたとえ。「鶴唳風声 かくれいふうせい 」ともいう。


林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。
29. ・林梢(りんしよう) 林の木々のこずえ。
30.
 ・淅瀝 風音の形容。ひゅうひゅう。雨や雪の音をいうこともある。
杜甫『白水崔少府十九翁高齋三十韻』
「危階根青冥,曾冰生淅瀝。」(この書斎のたかくてあぶなげなきざはしはあおぞらに根をおろしているのかと思うほどである、渓間の風音で木々のざわついているあたりには幾層かの氷が生じているほどつめたいのである。)
31.
 ・松徑 松林中の小路。
32.
 ・淒清 涼しい意。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさをいう。

拍手[1回]

PR

コメント

プロフィール

HN:
漢文委員会 紀 頌之(きのあきゆき))
年齢:
78
性別:
男性
誕生日:
1946/09/10
職業:
文学者
趣味:
中国文学
自己紹介:
漢詩から唐・宋詩まで基本となる詩人・詩集を各全詩訳注解説してゆく、その中で、これまで他ブログに、掲載した女性の詩を、手を加えて、整理して掲載してゆく。
これまで日本では紹介されていないもの、誤訳の多かった詩などを、時代の背景、出自、その他関連するものなどから正しい解釈を進めてゆく。
毎日、20000文字掲載しているので、また、大病後で、ブログコミュニケーションが直ちに取ることができないけれど、精一杯努力してお返事いたします。

P R