詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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薛濤詩 《風》
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2017年6月6日 |
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八、2.4 薛濤詩 《風》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ8848
(自分の置かれている芸妓を風に比喩して詠う。)
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。
地方の官妓(2)
さて、これらの女性はひとたび楽籍に入ると、官に隷属する賤民となり、その地位は官奴婢とほとんど同じであった。李商隠は「妓席」という詩の中で、〔君に勧む 面指名の際には〕小字(幼名)を書し、慎んで官奴と喚ぶ英かれ」と述べ、官妓たちが宮奴の身分であったことを明らかにしている。
地方官妓は「楽営」の管理下に属していたので、常に「楽営妓人」、「楽営子女」などと呼ばれた。唐代にはまた「営妓」という呼称もあった。営妓は専ら軍士の娯楽に供されたもので、官妓と異なる人々であるという人もいる。しかし今まで見た文献の記載では「官妓恍左「営妓」は混同されて使われており、何らの区別も見出せない。営妓とよばれた人々の多くも、一般の官妓と同じように地方長官の管理下に置かれ官府に奉仕したのであって、専ら軍士の娯楽の用にのみ供されたという根拠を見出すことはできない。こうした理由で、唐代に専業の軍妓がいたと断定することは不可能である。筆者が思うに、営妓とはただ地方官妓の一種の別称にすぎず、楽営に所属していたがゆえに「楽営妓人」と呼ばれ、或いは単に「営妓」とも略称されたのではないか。誤解を生んだ理由は、一つには営妓という名が軍営を連想させたこと、二つには唐代の中期以後、地方官妓はみな藩帥(藩鎖)の統括下に入り、長官が軍事長官の職権を兼ねたので、人々は属下の営妓は軍事長官が軍隊のために設置したもの、と考えたことにあろう。
1. 井梧吟
庭除一古桐,聳干入雲中。
枝迎南北鳥,葉送往來風。
2. 鴛鴦草
綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。
但娛春日長,不管秋風早。
3. 池上雙鳧
雙棲綠池上,朝去暮飛還。
更憶將雛日,同心蓮葉間。
4. 風
獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
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薛濤詩 《 風kaze 》 |
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風
獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。
獵蕙【りょうけい】微風【びふう】遠のき、飄って弦ずれば 唳くこと一聾。
林梢 明るく淅瀝【せきれき】し、松徑【しょうけい】夜となり淒清【せいせい】す。
『風』 現代語訳と訳註(本文)
風
獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
(下し文)
(風)
獵蕙【りょうけい】微風【びふう】遠のき、飄って弦ずれば 唳くこと一聾。
林梢 明るく淅瀝【せきれき】し、松徑【しょうけい】夜となり淒清【せいせい】す。
(現代語訳)
(自分の置かれている芸妓を風に比喩して詠う。)
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。
(訳注)
風
23. (自分の置かれている芸妓を風に比喩して詠う。)
24. この詩は中国では珍しい「風」が主語である。日本では“風が通り抜ける”という表現が「風」を表す表現として一番よく使われ自然に理解できるが、そうしたあまりない表現を薛濤は使っている詩である。中国人はほとんどが自分が主語であることが多い。そのため、漢詩大系15『魚玄機・薛濤』P229<風の姿を四つの場合にうけとめてよんだもの。ふつうの五絶のように各句が順に起伏しっつも連嬉し一首を構成するのではなく、各旬はそれぞれ燭立して、風の姿をとらえているのであるから、起承輪結の法は守られていない。特異な作品である。> と解釈している。女性らしさ、賢さと同時にかわいらしさを感じさせる、もて女のまぎれもなく五言詞である。
25. 【構成】
獵蕙微風遠 飄弦唳一聲
林梢明淅瀝 松徑夜淒清
●●○△● ○○●●○
○△○●● ○●●○○
獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。
26. ・獵蕙 香草の間を通り抜けた風。・蕙 かおり草。一種の香草。・猟 とる。かならずしも禽獣をとることにかぎらない。漁船のことを猟船ということもある。(1)野生の鳥や獣をとること。猟(りよう)。狩猟。[季]冬。 (2)犯罪者などを捜索し、つかまえること。 「暴力団―」「山―」 (3)自然の中に分け入って、野草や貝などをとったり、花やもみじを観賞した.1. 捕捉禽獸:~捕。~獲。~逐。~取。~奇。狩~。田~。漁~。圍~。 2. 打獵的:~人。~戶。~狗。~槍。
27. ・弦 矢をつがえて弓の弦を放つこと。
28. ・唳 鳴くこと。鶴のなくことを鶴唳という。風声鶴唳とは。おじけづいて、わずかなことにも恐れおののくことのたとえ。▽「風声」は風の音。「鶴唳」はつるの鳴き声。わずかな物音にもおびえるたとえ。「鶴唳風声 かくれいふうせい 」ともいう。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。
29. ・林梢(りんしよう) 林の木々のこずえ。
30. ・淅瀝 風音の形容。ひゅうひゅう。雨や雪の音をいうこともある。
杜甫『白水崔少府十九翁高齋三十韻』
「危階根青冥,曾冰生淅瀝。」(この書斎のたかくてあぶなげなきざはしはあおぞらに根をおろしているのかと思うほどである、渓間の風音で木々のざわついているあたりには幾層かの氷が生じているほどつめたいのである。)
31. ・松徑 松林中の小路。
32. ・淒清 涼しい意。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさをいう。