詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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【字解集】 魚玄機 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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48-【字解集】 魚玄機 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10103 |
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48-【字解集】 魚玄機 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10103
卷804_47 【光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。】魚玄機
光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。
文姬有貌終堪比,西子無言我更慚。
一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。
當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。
小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。
但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。
【字解集】 魚玄機 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻
光・威・裒、姉妹三人、
聯句を詠っている姉妹三人、光・威・裒のことである。
1.・光、威、裒 三人の姉妹の名。姓はあきらかでないが、魚玄機のこの作によって、南方の生まれと想像される。
小孤、而始姸乃有是作。
小さいころに父親と死別した。(十分に教育してくれる人もなかったであろうと思われるのに)しかも初めから美人であり、美しい詩を作る。すなわち、こんなに立派な詩を作っている。
2. ・孤 父のないことをいう。現代のわが国では、父母のない場合にこの字を使っているが、それとことなることに注意。
3. ・姸 女の美しいこと。古代においては、今の西安附近の方言であったらしいが、一般に使われるようになった。ここでは見目麗しいこと、詩文が立派であることをいう。
4. ・是作 三姉妹の原作は、「全唐詩」の巻801におさめられている。
聯句 光威裒
朱樓影直日當午,玉樹陰低月已三【:光。】。
膩粉暗銷銀鏤合,錯刀閒翦泥金衫【:威。】。
繡床怕引烏龍吠,錦字愁教青鳥銜【:裒。】。
百味鍊來憐益母,千花開處鬥宜男【:光。】。
鴛鴦有伴誰能羨,鸚鵡無言我自慚【:威。】。
浪喜游蜂飛撲撲,佯驚孤燕語喃喃【:裒。】。
偏憐愛數蛓蛦掌,每憶光抽玳瑁簪【:光。】。
煙洞幾年悲尚在,星橋一夕帳空含【:威。】。
窗前時節羞虛擲,世上風流笑苦諳【:裒。】。
獨結香綃偷餉送,暗垂檀袖學通參【:光。】。
須知化石心難定,卻是為雲分易甘【:威。】。
看見風光零落盡,弦聲猶逐望江南【:裒。】。
精醉儔難。謝家聯雪何以加之。
九、049卷804_46 《和人次韻》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ10070
有客自京師来者示予。因次其韻。
都の長安からやってきた旅の人が、こちらにきて、わたくしに見せてくれた。感心のあまり、次韻して、この詩を作ってみた。
6. ・容華 容色の華麗なこと。美人をいう。
そうね曹植の詩に、「南國有佳人,容華若桃李。」(南国に佳人あり、容華、桃李の若し。)
『雜詩六首其四』「南國有佳人,容華若桃李。朝游江北岸,夕宿瀟湘沚。時俗薄朱顏,誰為發皓齒。俯仰歲將暮,榮耀難久恃。」(南国に佳人有り、容華 桃李の若し。朝に 江北の岸に遊び、夕に 瀟湘の沚に宿す。
7. 時俗 朱顔を薄んず、誰が為にか皓歯を発かん。俯仰すれば 歳将に暮れんとす、栄耀 久しくは恃み難し。)
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
昔から言う、南方には容姿端麗の美人は少ないというけれど、今、昔から言うように、東鄰のおんなは賢くて美しい、こんな國一番の美人三姉妹がいるのである。
8. 容華 容姿端麗であるということ。
9. 東鄰 東鄰女:国一番の美女が隣に住んいる。
李白《詠鄰女東窗海石榴》「魯女東窗下,海榴世所稀。珊瑚映綠水,未足比光輝。清香隨風發,落日好鳥歸。願為東南枝,低舉拂羅衣。無由共攀折,引領望金扉。」(鄰女東窗の海石榴を詠ず)魯女 東窗の下,海榴 世の稀なる所。珊瑚 綠水に映じ,未だ光輝を比する足らず。清香 風に隨って發し,落日 好鳥歸る。願わくば 東南の枝と為り,低く舉って 羅衣を拂わん。共に攀折する由無く,領を引いて 金扉を望む。
(国一番の美女が隣に住んでいて、その窓下の椿の花を見て詠う。)隣の家にいる魯女の住む部屋の東窓のもとに植えたツバキの花は世にもまれなものである。サンゴが東海の緑水に映えるも、いまだその花の光輝ある姿に比しがたいというものである。そして、この花の清香は、したがって発し、夕日が沈むころには、珍しい小鳥がその花に宿せんがために帰ってくる。我、願わくば、その木の東南の枝となり、低く挙がって、魯女が木のほとりに来た時には、おもむろに羅衣を払いたいと思うのである。何はともあれ、隣家ではあるものの、余人して、その枝を攀折することもできず、ただ首をのばして、その東隣の女の住んでいる部屋の金色の門扉を望むのみである。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
彼女たちは化粧する部屋で、「鸚鵡の賦」を見せ合ったり、窓辺で着物に鳳凰の模様をしたりしているのである。
10. 鸚鵡賦 「黄射(黄祖の長子)が鸚鵡州の地で宴会を催した際、鸚鵡を献上する者があり、それにちなんで禰衡が『鸚鵡賦』(『文選』巻13に所収)を作ったため、この名が付いた。
11. 碧窗 東側の窓、青緑に塗った牖。
12. 繡鳳凰衫 単衣の袖なしに、鳳凰の刺繍をする。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
一面に赤い花の咲いた中庭に出ては、三人で、或は長く、或は短く、花を手折ったり、うまい酒を、杯に次いでは、しまい仲良く、順々に飲んでいるに違いない。
13. 紅芳 赤い花の咲いている。
14. 滿院 中庭。
15. 參差 花が長短、高低とそろっていない。
16. 綠醑 うまい酒。瀼東情け。
17. 次第 順々にすすめる。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。
こんな詩を作った彼女たちは、きっと前世では、天上の仙宮で西王母に仕えていた仙女で、それが何かの罪で、下界に謫遷されたもので、男に生まれ変わっていたら、立派な詩人になっても良かったものを女とされたからなかなか受け入れられていない。
18. 瑤池 崑崙山にある池の名。西王母(せいおうぼ)が住んでいるところ。西王母とは、女の仙人で崑崙山に住んで不死の薬を持っている。
19. 謫來 罪によって遠地に流されること。
20. 塵世 人間の棲む俗世界のこと。
文姫有貌終堪比,西子無言我更慚。
後漢末の蔡琰は、美人の上に評判の良い詩人であったから、美人であり、詩才のある今日の三人姉妹は匹敵するのであるが、同じ美人であっても、詩才のなかった西施と比べられると却って起こってしまうだろう。
21. 文姫 蔡琰【177年(熹平6年) - 249年(嘉平元年)】は、中国後漢末期から三国時代の魏にかけての詩人。字は文姫、元々の字は昭姫(後述)。兗州陳留郡圉県(現在の河南省杞県)の出身。父は蔡邕。甥は羊祜。才女の誉高く、博学かつ弁術に巧みで音律に通じ、数奇な運命を辿った。
22. 西子 西施(せいし 生没年不詳)は、中国の女性。美人として知られ、王昭君・貂蝉・楊貴妃を合わせて中国古代四大美女といわれる。越王勾践が、呉王夫差に、復讐のための策謀として献上した美女たちの中に、西施や鄭旦などがいた。貧しい薪売りの娘として産まれた施夷光は谷川で洗濯をしている姿を見出されたといわれている。策略は見事にはまり、夫差は彼女らに夢中になり、呉国は弱体化し、ついに越に滅ぼされることになる。
一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。
彼女たちが、琴に合わせて艶っぽく歌うと、琴の調べの合わせた歌声は杳杳として奥ゆかしい余韻を漂わせ、琵琶を弾いて歌うと、その歌声は軽妙なばちさばきに応じて、優しくいつまでも続いている。
23. 杳杳 暗くはっきりしないさま。また、遠くかすかなさま。
24. 四弦 琵琶。
25. 喃喃 小声でつまらないことをいつまでもしゃべり続けるさま。
當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。
鏡台の前に座っては、三姉妹は自慢の黒髪の美しさを競い合い、そして、照る月に向かっては、結った髪の毛に指した白玉の簪の美しさを誇らしげに見せ合ったのである。
26. 青絲發 自慢の黒髪の美しさをいう。
27. 白玉簪 美しい白玉の簪。
小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。
仙女である三姉妹は、きっと松から滴り落ちてくる清浄なあの小有洞へ帰ってゆくのだろうか、柳のかすむ清々しい大羅天の天上の仙界に、やがて昇天してゆくことであろう。
28. 小有洞 稱小有清虛之天,即山西垣曲、河南濟源兩縣的王屋山。
29. 大羅天 天上界は、欲界・色界・無色界に3分され、その3界は28天に分けられる。 欲界でさえ、1万年の寿命を得ることができ、上四天(じょうしてん)に昇れば、永遠の命を保てるという。 普通の人間が行けるのはここまで。 その上に8天が神々の住まいで、最上階の大羅天(だいらてん)には麒麟(きりん)などの聖獣とともに、元始天尊(げんしてんそん)がいて、宇宙の全てを運営している。
但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
だけど、巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったというし、彼女たちも女であるから、そのように男と契りを結ぶという心の下地は、間違いなく持っているはずである。そして、弄玉のように簫の笛を吹くことは、䔥史のような好きな男を見出して、恋することをお知られ、契りを結びあい、そろって天上に上り帰ってゆくという事になる。
30. 為雨 巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったという故事に基づく。宋玉《高唐賦》にみえる。
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
あの三人の娘が、花の下で、詰まらぬ男と恋に落ちて、何度もお母さんから叱られたこともあるだろうし、夢の中では、潘岳のような詩才もあり、美男子でもある男が、きっと彼女らの前に現れるであろう。
31. 潘郎 潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。
『和新及第悼亡詩二首 其一』
仙籍人間不久留,片時已過十經秋。
鴛鴦帳下香猶暖,鸚鵡籠中語未休。
朝露綴花如臉恨,晚風欹柳似眉愁。
彩雲一去無消息,潘嶽多情欲白頭。
和新及第悼亡詩二首 其一 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-87-23-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1982
和新及第悼亡詩二首 其二 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-88-24-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1987
暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
そんな男たちは、三姉妹の清らかな詩句を読んだだけでも、魂さえも消えてゆく思いがしたであろうから、もし実際に彼女たちの花のように美しい顔つきを見たならば、それこそ死んでもよいと思うに違いないのである。
悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。
それにしてもそのような美男子がどこにいるというのであろうか、流れ雲、「雲となるに甘んず」と言って男につき従うのか、北方についてゆくのか、或はまた「江南恋し」と箏曲に乗せて故郷の江南に還ることになるだろうか。彼女らの居る張案を方を眺めて心配するのである。
32. 悵望 心をいためて思いやること。うらめしげに見やること。
33. 佳人 通常、美人を言うが、ここは美男子。杜甫の詩に、同じ意味に使う《聽楊氏歌》がある。
佳人絕代歌,獨立發皓齒。滿堂慘不樂,響下清虛裏。
江城帶素月,況乃清夜起。老夫悲暮年,壯士淚如水。
(楊氏歌を聽く)佳人 絶代の歌、独り立ちて 皓歯を発く。満堂 惨として 楽しまず、響きは 下る清虚の裏。江城 素月を帯び、況んや 乃ち 晴夜に起こるをや。老夫暮 年を悲しみ、壮士も 涙 水の如し。
(都で一盤の歌い手といわれた楊某の歌声を聴く。)
絶代の歌の名手である一佳人が独り立ちあがって、皓い歯をひらいて歌をうたいだす。
その歌は虚空にまいあがって虚空から響きがくだってくるように感ぜられる、これをきくものは満堂のものすべて、ものがなしさをおぼえる。
ちょうど長江のほとりの城は、しろい月の光を帯びている頃で、すみわたった夜にこの歌声が起こるのであるから一層その感が深い。
じぶんごとき老人は己れの晩年の身を悲しくおもうし、壮士と雖も、涙が水のようにながれおちる。