詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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九、049卷804_46 《和人次韻》 魚玄機
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、049卷804_46 《和人次韻》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ10070
(情交を通じたいという事を暗に示した申し込みのような書簡が届けられ、その詩に対しお返しの詩を書いたもの。)
表通りの喧騒で俗な人間のお付き合いから、また、朱紫の方とのお付き合いからもかくれるように身を退いて、只今ではただひとり、誰にわずらわされることもなく、歌詠みに日を送って、静かな時を眺め過ごしております。
このたび、詩文をたくみに作られたごようす。わたくしの始終とじている柴門の戸をたたいて、お使いの人にりっぱな詩を持たせてよこされました。
その詩に雪の降るのを見て、柳の白いわたが飛んでいるようだとうたったあの謝道韞のようだと私のことをいわれましたが畏れ多いことですし、孔子さまの弟子だったあの顔回が、僻巷の奥に住んでいたのをまねてただくらしているだけなのです。
過分なるご厚情に感謝申し上げます。あの高い所の松の大木と姫葛のように喝采を浴びるものと違いこうして、前の小山にあるようにただひっそりと暮らしているのでございます。
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魚玄機 全詩 訳注解説 |
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卷804_41 寄子安
醉別千卮不浣愁,離腸百結解無由。
蕙蘭銷歇歸春圃,楊柳東西絆客舟。
聚散已悲雲不定,恩情須學水長流。
有花時節知難遇,未肯厭厭醉玉樓。
卷804_42 送別
秦樓幾夜愜心期,不料仙郎有別離。
睡覺莫言雲去處,殘燈一盞野蛾飛。
卷804_43 迎李近仁員外
今日喜時聞喜鵲,昨宵燈下拜燈花。
焚香出戶迎潘嶽,不羨牽牛織女家。
卷804_44 送別
水柔逐器知難定,雲出無心肯再歸。
惆悵春風楚江暮,鴛鴦一隻失群飛。
卷804_45 左名場自澤州至京,使人傳語
閑居作賦幾年愁,王屋山前是舊遊。
詩詠東西千嶂亂,馬隨南北一泉流。
曾陪雨夜同歡席,別後花時獨上樓。
忽喜扣門傳語至,為憐鄰巷小房幽。
相如琴罷朱弦斷,雙燕巢分白露秋。
莫倦蓬門時一訪,每春忙在曲江頭。
卷804_46 和人次韻
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
卷804_47 折楊柳
朝朝送別泣花鈿,折盡春風楊柳煙。
願得西山無樹木,免教人作淚懸懸。
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魚玄機 《和人次韻》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10070 |
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卷804_46 【和人次韻】魚玄機
和人次韻
(情交を通じたいという事を暗に示した申し込みのような書簡が届けられ、その詩に対しお返しの詩を書いたもの。)
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
表通りの喧騒で俗な人間のお付き合いから、また、朱紫の方とのお付き合いからもかくれるように身を退いて、只今ではただひとり、誰にわずらわされることもなく、歌詠みに日を送って、静かな時を眺め過ごしております。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
このたび、詩文をたくみに作られたごようす。わたくしの始終とじている柴門の戸をたたいて、お使いの人にりっぱな詩を持たせてよこされました。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
その詩に雪の降るのを見て、柳の白いわたが飛んでいるようだとうたったあの謝道韞のようだと私のことをいわれましたが畏れ多いことですし、孔子さまの弟子だったあの顔回が、僻巷の奥に住んでいたのをまねてただくらしているだけなのです。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
過分なるご厚情に感謝申し上げます。あの高い所の松の大木と姫葛のように喝采を浴びるものと違いこうして、前の小山にあるようにただひっそりと暮らしているのでございます。
(人の次韻に和す)
喧喧【けんけん】朱紫【しゅし】人寰【じんかん】に雜り、獨自 清吟 日色間なり。
何事ぞ 玉郎 藻思【そうし】を捜し、忽ち瓊韻【けいいん】を將って 柴関【しかん】を叩く。
白花 詠を發するも 謝を称するを慚づ、僻巷【へきこう】深居 謬【あやま】って顔を学ぶ。
用ひず 多情 相見んと欲するを、松羅【しょうら】高き處 是れ前山なり。
『和人次韻』 現代語訳と訳註
(本文)
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
(下し文)
(人の次韻に和す)
喧喧【けんけん】朱紫【しゅし】人寰【じんかん】に雜り、獨自 清吟 日色間なり。
何事ぞ 玉郎 藻思【そうし】を捜し、忽ち瓊韻【けいいん】を將って 柴関【しかん】を叩く。
白花 詠を發するも 謝を称するを慚づ、僻巷【へきこう】深居 謬【あやま】って顔を学ぶ。
用ひず 多情 相見んと欲するを、松羅【しょうら】高き處 是れ前山なり。
(現代語訳)
(情交を通じたいという事を暗に示した申し込みのような書簡が届けられ、その詩に対しお返しの詩を書いたもの。)
表通りの喧騒で俗な人間のお付き合いから、また、朱紫の方とのお付き合いからもかくれるように身を退いて、只今ではただひとり、誰にわずらわされることもなく、歌詠みに日を送って、静かな時を眺め過ごしております。
このたび、詩文をたくみに作られたごようす。わたくしの始終とじている柴門の戸をたたいて、お使いの人にりっぱな詩を持たせてよこされました。
その詩に雪の降るのを見て、柳の白いわたが飛んでいるようだとうたったあの謝道韞のようだと私のことをいわれましたが畏れ多いことですし、孔子さまの弟子だったあの顔回が、僻巷の奥に住んでいたのをまねてただくらしているだけなのです。
過分なるご厚情に感謝申し上げます。あの高い所の松の大木と姫葛のように喝采を浴びるものと違いこうして、前の小山にあるようにただひっそりと暮らしているのでございます。
(訳注)
和人次韻
1. (情交を通じたいという事を暗に示した申し込みのような書簡が届けられ、その詩に対しお返しの詩を書いたもの。)
2. 逢いたいという意味の詩をよこした相手に対して、迭った返事の詩で、その「合いたい」という意味は、情を通じたいという含みをもったものであるし、貰った魚玄機も、型通り返事をしている。後のことはご想像に任せるということだろう。唐は明清の時代より、男女間の道徳感は緩い時代である。生きていくためには質素倹約に務め、「芸、勤勉、従属と性」によった時代に「女性の才」を最大の売りとした魚玄機には媚びるところがないのである。女性史に突出した人物である。
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
表通りの喧騒で俗な人間のお付き合いから、また、朱紫の方とのお付き合いからもかくれるように身を退いて、只今ではただひとり、誰にわずらわされることもなく、歌詠みに日を送って、静かな時を眺め過ごしております。
3. ・喧喧 やかましい。表通りの音声がさわがしくわずらわしいこと。
4. ・朱紫 衣服や官印のひもがあかやむらさきの人。高位高官の人。
5. ・人寰 人の住むところ。人境。人界。
6 ・清吟 清らかに詩や歌をうたう。詩を作ってもそれを表に出さないで楽しむだけにしている。
7. ・日色 宋本には月色となっている。日常生活。
8. ・間 しずか。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
このたび、詩文をたくみに作られたごようす。わたくしの始終とじている柴門の戸をたたいて、お使いの人にりっぱな詩を持たせてよこされました。
9. ・玉郎 玉のような男。相手の男の尊称。
10. ・藻思 詩文をたくみに作る才能。
11. ・瓊韻 玉のような韻文。りっぱな詩。
12. ・柴関 柴門でできている関戸。隠棲の住居。女性の隠遁者という意味。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
その詩に雪の降るのを見て、柳の白いわたが飛んでいるようだとうたったあの謝道韞のようだと私のことをいわれましたが畏れ多いことですし、孔子さまの弟子だったあの顔回が、僻巷の奥に住んでいたのをまねてただくらしているだけなのです。
13. ・白花發詠 晋の謝安の家で家族の者があつまっていると、牡丹のような雪片が落ちはじめた。謝安が「これを何にたとえたらよかろう」というと、男の子は、「白い塩を空にまきちらしているようです」と答えたが、謝安の娘の謝道韞は、「楊柳の架が飛び散っているようです」と答え、詩才があると褒められたという故事をふんだ。白花は、楊柳の白い花すなわち柳絮をいったもの。魚玄機も柳絮を詠っている。『賦得江邊柳』
翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
影鋪秋水面,花落釣人頭。
根老藏魚窟,枝低繫客舟。
蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。
『折楊柳』
朝朝送別泣花鈿,折盡春風楊柳煙。
願得西山無樹木,免教人作淚懸懸。
14. ・稱謝 謝は右の謝安のむすめ謝道韞。それに自己をたとえられること。
15. ・僻巻(へきこう)探居 顔淵(回)のように、陋巷に住居すること。陋巷はうらまち。「論語」の蕹也篇に「子日く、賢なるかな回や。一箪の食一瓢の飲、陋巷に在り。人はその憂いに堪へず。回やその楽を改めず。賢なるかな回や」とあるによる。陋巷は僻巷におなじ。
16. ・學顏 顔淵のまねをして隈巷におること。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
過分なるご厚情に感謝申し上げます。あの高い所の松の大木と姫葛のように喝采を浴びるものと違いこうして、前の小山にあるようにただひっそりと暮らしているのでございます。
17. ・松蘿高處 羅はかずら。松の幹にはいのぼって生きている植物。松が夫であり、蘿は女。その松蘿が高い所、目立つところで。
18. ・前山 眼前の山。