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中国文学 李白・杜甫・韓愈・李商隠と女性詩 研究

詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。

48-#4【聯句】 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10140

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48-#4【聯句】 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻

 

 

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だけど、巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったというし、彼女たちも女であるから、そのように男と契りを結ぶという心の下地は、間違いなく持っているはずである。そして、弄玉のように簫の笛を吹くことは、䔥史のような好きな男を見出して、恋することをお知られ、契りを結びあい、そろって天上に上り帰ってゆくという事になる。

あの三人の娘が、花の下で、詰まらぬ男と恋に落ちて、何度もお母さんから叱られたこともあるだろうし、夢の中では、潘岳のような詩才もあり、美男子でもある男が、きっと彼女らの前に現れるであろう。

そんな男たちは、三姉妹の清らかな詩句を読んだだけでも、魂さえも消えてゆく思いがしたであろうから、もし実際に彼女たちの花のように美しい顔つきを見たならば、それこそ死んでもよいと思うに違いないのである。

それにしてもそのような美男子がどこにいるというのであろうか、流れ雲、「雲となるに甘んず」と言って男につき従うのか、北方についてゆくのか、或はまた「江南恋し」と箏曲に乗せて故郷の江南に還ることになるだろうか。彼女らの居る張案を方を眺めて心配するのである。

 

 

 

 

魚玄機 全詩 訳注解説

 

804_47 【光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。】魚玄機



光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。


有貌終堪比,西子無言我更慚。
一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。
當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。
小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。


但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。

 

聯句 光・威・裒
朱樓影直日當午,玉樹陰低月已三【:光。】。
膩粉暗銷銀鏤合,錯刀閒翦泥金衫【:威。】。
繡床怕引烏龍吠,錦字愁教青鳥銜【:裒。】。
百味鍊來憐益母,千花開處鬥宜男【:光。】。
鴛鴦有伴誰能羨,鸚鵡無言我自慚【:威。】。
浪喜游蜂飛撲撲,佯驚孤燕語喃喃【:裒。】。
偏憐愛數
蛦掌,每憶光抽玳瑁簪【:光。】。
煙洞幾年悲尚在,星橋一夕帳空含【:威。】。
窗前時節羞虛擲,世上風流笑苦諳【:裒。】。
獨結香綃
餉送,暗垂檀袖學通參【:光。】。
須知化石心難定,卻是為雲分易甘【:威。】。
看見風光零落盡,弦聲猶逐望江南【:裒。】。

 

 

 

魚玄機 《光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作》

 

 

訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10119

 

 


昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
昔から言う、南方には容姿端麗の美人は少ないというけれど、今、昔から言うように、東鄰のおんなは賢くて美しい、こんな國一番の美人三姉妹がいるのである。

妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
彼女たちは化粧する部屋で、「鸚鵡の賦」を見せ合ったり、窓辺で着物に鳳凰の模様をしたりしているのである。

紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
一面に赤い花の咲いた中庭に出ては、三人で、或は長く、或は短く、花を手折ったり、うまい酒を、杯に次いでは、しまい仲良く、順々に飲んでいるに違いない。

恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。

こんな詩を作った彼女たちは、きっと前世では、天上の仙宮で西王母に仕えていた仙女で、それが何かの罪で、下界に謫遷されたもので、男に生まれ変わっていたら、立派な詩人になっても良かったものを女とされたからなかなか受け入れられていない。

 

昔聞く南国には 容華 少なりと、今日東隣に 姉妹三たりあり。
妝閣相看る 鸚鵡の賦、碧窗応に繍すべし 鳳凰の衫。
紅芳 院に滞つれば 参差として折り、綠醑 杯に盈つれば 次第に銜む。
恐らくは 瑤池に向って曾つて女となり、謫せられて塵世に来って 未だ男と爲らざりしならん。

有貌終堪比,西子無言我更慚。

後漢末の蔡琰は、美人の上に評判の良い詩人であったから、美人であり、詩才のある今日の三人姉妹は匹敵するのであるが、同じ美人であっても、詩才のなかった西施と比べられると却って起こってしまうだろう。

一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。

彼女たちが、琴に合わせて艶っぽく歌うと、琴の調べの合わせた歌声は杳杳として奥ゆかしい余韻を漂わせ、琵琶を弾いて歌うと、その歌声は軽妙なばちさばきに応じて、優しくいつまでも続いている。

當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。

鏡台の前に座っては、三姉妹は自慢の黒髪の美しさを競い合い、そして、照る月に向かっては、結った髪の毛に指した白玉の簪の美しさを誇らしげに見せ合ったのである。

小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。

仙女である三姉妹は、きっと松から滴り落ちてくる清浄なあの小有洞へ帰ってゆくのだろうか、柳のかすむ清々しい大羅天の天上の仙界に、やがて昇天してゆくことであろう。

 

には貌有り 終に比べるに堪ゆ,西子は言無く我更に慚づ。
一曲 艷歌 琴 杳杳【ようよう】,四弦 輕撥 語喃喃【なんなん】。
臺に當り競鬥して青絲の發,月に對し爭誇して白玉の簪。
小有 洞中 松露 滴り,大羅 天上 柳煙 含む。

 

但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
だけど、巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったというし、彼女たちも女であるから、そのように男と契りを結ぶという心の下地は、間違いなく持っているはずである。そして、弄玉のように簫の笛を吹くことは、䔥史のような好きな男を見出して、恋することをお知られ、契りを結びあい、そろって天上に上り帰ってゆくという事になる。

阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
あの三人の娘が、花の下で、詰まらぬ男と恋に落ちて、何度もお母さんから叱られたこともあるだろうし、夢の中では、潘岳のような詩才もあり、美男子でもある男が、きっと彼女らの前に現れるであろう。

暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
そんな男たちは、三姉妹の清らかな詩句を読んだだけでも、魂さえも消えてゆく思いがしたであろうから、もし実際に彼女たちの花のように美しい顔つきを見たならば、それこそ死んでもよいと思うに違いないのである。

悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。

それにしてもそのような美男子がどこにいるというのであろうか、流れ雲、「雲となるに甘んず」と言って男につき従うのか、北方についてゆくのか、或はまた「江南恋し」と箏曲に乗せて故郷の江南に還ることになるだろうか。彼女らの居る張案を方を眺めて心配するのである。

 

但だ能く 雨と為る 心は 長へに在り、怕れず 簫を吹く 事 未だ諳んぜざるを。
阿母 幾たびか 花下に語るを 嗔り、潘郎 曾て 夢中に向って 参ず。
暫時の清句にも、魂 猶は断ゆ、若し 紅顔を睹なは 死もまた甘んぜん。
悵望す 佳人 何れの處にか 在る、行雲は 北に歸り 叉 南に歸る。

 

 

『光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。』 現代語訳と訳註

(本文)

但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。

阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。

暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。

悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。

 

(下し文)

但だ能く 雨と為る 心は 長へに在り、怕れず 簫を吹く 事 未だ諳んぜざるを。

阿母 幾たびか 花下に語るを 嗔り、潘郎 曾て 夢中に向って 参ず。

暫時の清句にも、魂 猶は断ゆ、若し 紅顔を睹なは 死もまた甘んぜん。

悵望す 佳人 何れの處にか 在る、行雲は 北に歸り 叉 南に歸る。

 

(現代語訳)

だけど、巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったというし、彼女たちも女であるから、そのように男と契りを結ぶという心の下地は、間違いなく持っているはずである。そして、弄玉のように簫の笛を吹くことは、䔥史のような好きな男を見出して、恋することをお知られ、契りを結びあい、そろって天上に上り帰ってゆくという事になる。

あの三人の娘が、花の下で、詰まらぬ男と恋に落ちて、何度もお母さんから叱られたこともあるだろうし、夢の中では、潘岳のような詩才もあり、美男子でもある男が、きっと彼女らの前に現れるであろう。

そんな男たちは、三姉妹の清らかな詩句を読んだだけでも、魂さえも消えてゆく思いがしたであろうから、もし実際に彼女たちの花のように美しい顔つきを見たならば、それこそ死んでもよいと思うに違いないのである。

それにしてもそのような美男子がどこにいるというのであろうか、流れ雲、「雲となるに甘んず」と言って男につき従うのか、北方についてゆくのか、或はまた「江南恋し」と箏曲に乗せて故郷の江南に還ることになるだろうか。彼女らの居る張案を方を眺めて心配するのである。

 

(訳注)

光・威・裒、姉妹三人、
聯句を詠っている姉妹三人、光・威・裒のことである。

但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。

だけど、巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったというし、彼女たちも女であるから、そのように男と契りを結ぶという心の下地は、間違いなく持っているはずである。そして、弄玉のように簫の笛を吹くことは、䔥史のような好きな男を見出して、恋することをお知られ、契りを結びあい、そろって天上に上り帰ってゆくという事になる。

為雨 巫山の巫女は、楚の襄王とちぎって、雲雨となったという故事に基づく。宋玉《高唐賦》にみえる。

 

阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。

あの三人の娘が、花の下で、詰まらぬ男と恋に落ちて、何度もお母さんから叱られたこともあるだろうし、夢の中では、潘岳のような詩才もあり、美男子でもある男が、きっと彼女らの前に現れるであろう。

潘郎 潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。
『和新及第悼亡詩二首 其一』 
仙籍人間不久留,片時已過十經秋。
鴛鴦帳下香猶暖,鸚鵡籠中語未休。
朝露綴花如臉恨,晚風欹柳似眉愁。
彩雲一去無消息,潘嶽多情欲白頭。

和新及第悼亡詩二首 其一 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-87-23-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1982

和新及第悼亡詩二首 其二 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-88-24-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1987

 

暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。

そんな男たちは、三姉妹の清らかな詩句を読んだだけでも、魂さえも消えてゆく思いがしたであろうから、もし実際に彼女たちの花のように美しい顔つきを見たならば、それこそ死んでもよいと思うに違いないのである。

 

悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。

それにしてもそのような美男子がどこにいるというのであろうか、流れ雲、「雲となるに甘んず」と言って男につき従うのか、北方についてゆくのか、或はまた「江南恋し」と箏曲に乗せて故郷の江南に還ることになるだろうか。彼女らの居る張案を方を眺めて心配するのである。

悵望 心をいためて思いやること。うらめしげに見やること。

佳人 通常、美人を言うが、ここは美男子。杜甫の詩に、同じ意味に使う《聽楊氏歌》がある。

佳人代歌,獨立發皓齒。滿堂慘不樂,響下清虛裏。

江城帶素月,況乃清夜起。老夫悲暮年,壯士淚如水。

(楊氏歌を聽く)佳人 絶代の歌、独り立ちて 皓歯を発く。満堂 惨として 楽しまず、響きは 下る清虚の裏。江城 素月を帯び、況んや 乃ち 晴夜に起こるをや。老夫暮 年を悲しみ、壮士も 涙 水の如し。

(都で一盤の歌い手といわれた楊某の歌声を聴く。)

絶代の歌の名手である一佳人が独り立ちあがって、皓い歯をひらいて歌をうたいだす。

その歌は虚空にまいあがって虚空から響きがくだってくるように感ぜられる、これをきくものは満堂のものすべて、ものがなしさをおぼえる。

ちょうど長江のほとりの城は、しろい月の光を帯びている頃で、すみわたった夜にこの歌声が起こるのであるから一層その感が深い。

じぶんごとき老人は己れの晩年の身を悲しくおもうし、壮士と雖も、涙が水のようにながれおちる。

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プロフィール

HN:
漢文委員会 紀 頌之(きのあきゆき))
年齢:
78
性別:
男性
誕生日:
1946/09/10
職業:
文学者
趣味:
中国文学
自己紹介:
漢詩から唐・宋詩まで基本となる詩人・詩集を各全詩訳注解説してゆく、その中で、これまで他ブログに、掲載した女性の詩を、手を加えて、整理して掲載してゆく。
これまで日本では紹介されていないもの、誤訳の多かった詩などを、時代の背景、出自、その他関連するものなどから正しい解釈を進めてゆく。
毎日、20000文字掲載しているので、また、大病後で、ブログコミュニケーションが直ちに取ることができないけれど、精一杯努力してお返事いたします。

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