詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.54 薛濤 《酬郭簡州寄柑子》
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2017年10月10日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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745年 n-55-#1 鳴皋歌奉餞從翁清歸五崖山居(卷七(一)五一二)漢文委員会Kanbuniinkai紀頌之Blog9230 |
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八、2.54 薛濤 《酬郭簡州寄柑子》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9242
(郭簡州の刺史さまへ、成都近くの簡州の特産のミカンを送ってくださりそれに酬いた詩をおくります。)
御史台様から頂いたこの黄金色の物は同じ色をしていても責められることはありません。まるい形の中にふくまれている清らかな味と、すがすがしい香りは、清らかできびしい高潔なお役目のように思われます。
どこかで同じような詩を作り歌う、心持を一般の人とは違った善いお方を思われます。そうそれは六朝の山水詩人、清廉潔白な臨川太守の謝靈運ということでございましょう。
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薛濤詩 |
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52. 贈韋校書
芸香誤比荊山玉,那似登科甲乙年。
淡澹地鮮風將綺思,飄花散蕊媚青天。
53. 酬辛員外折花見遺
青鳥東飛正落梅,銜花滿口下瑤台。
一枝為授殷勤意,把向風前旋旋開。
54. 酬郭簡州寄柑子
霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。
何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。
55. 和郭員外題萬里橋
萬里橋頭獨越吟,知憑 文字 寫愁心。
細侯風韻兼前事,不止為舟也作霖。
56. 送鄭資州
雨暗眉山江水流,離人掩袂立高樓。
雙旌千騎駢東陌,獨有羅敷望上頭。
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酬郭簡州寄柑子 《薛濤》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9242 |
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酬郭簡州寄柑子
(郭簡州の刺史さまへ、成都近くの簡州の特産のミカンを送ってくださりそれに酬いた詩をおくります。)
霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。
御史台様から頂いたこの黄金色の物は同じ色をしていても責められることはありません。まるい形の中にふくまれている清らかな味と、すがすがしい香りは、清らかできびしい高潔なお役目のように思われます。
何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。
どこかで同じような詩を作り歌う、心持を一般の人とは違った善いお方を思われます。そうそれは六朝の山水詩人、清廉潔白な臨川太守の謝靈運ということでございましょう。
『酬郭簡州寄柑子』 現代語訳と訳註
(本文)
酬郭簡州寄柑子
霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。
何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。
(下し文)
郭簡州の柑子を寄せらるるに酬ゆ。
霜規 讓めず黃金の色,圓質 仍お含む御史の香。
何處か 同聲をじうして情は最も異なり,臨川の太守謝家の郎。
(現代語訳)
(郭簡州の刺史さまへ、成都近くの簡州の特産のミカンを送ってくださりそれに酬いた詩をおくります。)
御史台様から頂いたこの黄金色の物は同じ色をしていても責められることはありません。まるい形の中にふくまれている清らかな味と、すがすがしい香りは、清らかできびしい高潔なお役目のように思われます。
どこかで同じような詩を作り歌う、心持を一般の人とは違った善いお方を思われます。そうそれは六朝の山水詩人、清廉潔白な臨川太守の謝靈運ということでございましょう。
(訳注)
酬郭簡州寄柑子 郭簡州の柑子を寄せらるるに酬ゆ。
1. (郭簡州の刺史さまへ、成都近くの簡州の特産のミカンを送ってくださりそれに酬いた詩をおくります。)
2. ・郭簡州 簡州の刺史で郭という人。簡州は今の四川省簡陽縣。成都の東南(D-3)にあり、成都から比較的近い。郭という人物は不明であるが謝靈運と同じような境遇、詩才の人物であったのだろう。
3. ・柑子 みかんの一種。湖北・四川地方はみかんの名産地であったという。
霜規 不讓 黃金色,圓質 仍含 御史香。
御史台様から頂いたこの黄金色の物は同じ色をしていても責められることはありません。まるい形の中にふくまれている清らかな味と、すがすがしい香りは、清らかできびしい高潔なお役目のように思われます。
4. ・霜規 御史台のことを霜憲・霜台・霜署などということを跨まえ、規はおきて、法度の意。御史台は官吏を監察し司法をつかさどる役所。刺史もまた地方長官として管内でその一端をになう。
5. ・黄金 おうごんの色
6. ・圓質 円いみかんのなか身。
7. ・御史香 御史は右の御史台の官。香は、その清廉正直な風格をさす。
何處 同聲 情最異,臨川 太守 謝家郎。
どこかで同じような詩を作り歌う、心持を一般の人とは違った善いお方を思われます。そうそれは六朝の山水詩人、清廉潔白な臨川太守の謝靈運ということでございましょう。
8. ・臨川太守謝家郎 六朝宋代の有名な詩人謝霊運をさす。謝霊運は 「文章の美、江左第一といわれ、康楽侯に封ぜられたから、謝康楽ともよばれ、族弟の謝恵連らと「文章の四友」といわれ、当時第一の詩人で、李白は「春夜、桃李の園に宴するの序」で「吾人の詠歌は康楽に促づ」とまでいっている。
一般的に、性香惨を好み、高位に就き得ないことに不平を抱き.奇矯な行動が多かったので、臨川の内史の時、有司に訴えられて、広州(今の広東)に移され、そこで謀叛を謀ったという者があり、ついに死刑となった。しかし、文選、古詩源に取り上げられている詩からは、その一般的に言われる雰囲気は全く見られない。当時の権力者にとって邪魔な存在であったのであろうとしか思えないのである。
9. 謝靈運の詩についてはそのほとんどを訳注解説しているので参考にされたい。
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1 ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。