忍者ブログ

中国文学 李白・杜甫・韓愈・李商隠と女性詩 研究

詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。

八、2.96 薛濤 《寄舊詩與元微之 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9543

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

八、2.96 薛濤 《寄舊詩與元微之 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9543

八、2.96 薛濤 《寄舊詩與元微之 》

 

 

20171124

の紀頌之"6"つの校注Blog

10年のBLOGの集大成

   李白総合案内

 

●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説

Ⅰ李白詩(李白集校注)      LiveDoor

746-005卷一七五 送韋八之西京(卷十六(二)九八八)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集Blog9531

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注      LiveDoor

806年- 先生-巻19-10送許郢州序 -#7 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集9476

Ⅲ 杜詩詳注                  LiveDoor

767年-158 復愁十二首其二(卷二○(四 )頁一七四一)注(1176) Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9512

杜甫詩 全詩 総合案内 

Ⅳブログ詩集漢・唐・宋詞  fc2Blog

花間集 訳注解説 (302)回目和凝巻六26天仙子二首其二 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9541 (11/24)

.唐五代詞詩・女性・玉臺新詠     Livedoor

玉-巻三-11 樂府三首其一 豔歌行-#5(扶桑升朝暉) 〔陸  機〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9535

Ⅵ唐代女性論ブログ唐代女性論

八、2.96 薛濤 《寄舊詩與元微之 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9543

杜甫全詩案内

韓愈全詩案内

李白全集

李白詩のサイト

古詩源

花間集案内

漢詩・唐詩・宋詩研究

http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/

八、2.96 薛濤 《寄舊詩與元微之 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9543

 

 

 

 

薛濤詩 

 


94. 江月樓

秋風仿佛吳江冷,鷗鷺參差夕陽影。 

垂虹納納臥譙門,雉堞耽耽俯漁艇。

陽安小兒拍手笑,使君幻出江南景。 

 

95.  謁巫山廟

亂猿啼處訪高唐,路入煙霞草木香。

山色未能忘宋玉,水聲猶是哭襄王。

朝朝夜夜陽台下,為雨為云楚國亡。

惆悵廟前多少柳,春來空斗畫眉長。

 

96.  寄舊詩與元微之

詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。   

月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。   

長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。   

老大不能收拾得,與君開似好男兒。

 

 

 

 薛濤 96 《寄舊詩與元微之》

 

 

訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9543     

 

 

 


寄舊詩與元微之

(昔作った詩を元稹におくる。)

詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。 

詩篇というものの形態・雰囲気は、人それぞれ違うものであるが、きめの細かさややわらかな自然のすがたについて、わたくしひとりだけが、よく知っているつもりでいます。

月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。 

明月が影を落す時、花の趣きをうたうのは、その暗く静まりかえっているところを、こよなくうれしいと思って詠うものです。雨に煙る朝の柳のありさまを詩題に詠うと、その枝がまっすぐに垂れてしずかに動かない状景を、風流をとらえるのです。

長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。 

耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。

老大不能收拾得,與君開似好男兒。

年をとるまでどんどん詩を作っていくと、作品を集めまとめることが、できないほどにもなってしまうでしょう。でも、そのときになったら、将来の夫と二人して、それを二人の間にできた息子に示し、詩のお手本にさせようというつもりでいるのです。

 

(舊詩【きゅうし】を寄せて元微之に與う)

詩篇の調態【ちょうたい】は 人 皆有るも、細膩【さいじ】の風光は 我 濁り知る。

月下に 花を詠じては暗淡を憐み、雨朝に 柳に題しては欹垂【きすい】を為【おも】う。

長へに 碧玉をして深處に蔵せしめ、總て 紅箋に向っては自隨を寫【しる】さん。

老大 收拾【しゅうしゅう】し得ること能はざらんも、君と與【とも】に 開き似【しめ】して 男兒【だんじ】に教へん。

 

『寄舊詩與元微之』 現代語訳と訳註

(本文)

寄舊詩與元微之

詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。  

月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。  

長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。  

老大不能收拾得,與君開似好男兒。

 

(下し文)

(舊詩【きゅうし】を寄せて元微之に與う)

詩篇の調態【ちょうたい】は 人 皆有るも、細膩【さいじ】の風光は 我 濁り知る。

月下に 花を詠じては暗淡を憐み、雨朝に 柳に題しては欹垂【きすい】を為【おも】う。

長へに 碧玉をして深處に蔵せしめ、總て 紅箋に向っては自隨を寫【しる】さん。

老大 收拾【しゅうしゅう】し得ること能はざらんも、君と與【とも】に 開き似【しめ】して 男兒【だんじ】に教へん。

 

(現代語訳)

(昔作った詩を元稹におくる。)

詩篇というものの形態・雰囲気は、人それぞれ違うものであるが、きめの細かさややわらかな自然のすがたについて、わたくしひとりだけが、よく知っているつもりでいます。

明月が影を落す時、花の趣きをうたうのは、その暗く静まりかえっているところを、こよなくうれしいと思って詠うものです。雨に煙る朝の柳のありさまを詩題に詠うと、その枝がまっすぐに垂れてしずかに動かない状景を、風流をとらえるのです。

耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。

年をとるまでどんどん詩を作っていくと、作品を集めまとめることが、できないほどにもなってしまうでしょう。でも、そのときになったら、将来の夫と二人して、それを二人の間にできた息子に示し、詩のお手本にさせようというつもりでいるのです。

 

(訳注)

寄舊詩與元微之

1. (昔作った詩を元稹におくる。)

2. ・旧詩 旧作。処女時代の作品であろう。

3. ・與元微之 元微之は元稹。元稹が監察使として蜀の地にあった頃、薛濤は厳司空(当時は東川節度使)の命によって、その旅情を慰むるために、身辺に侍した〔妓女であり、詩人であった彼女は、両方の意味で奉仕したのであろう。そこでふつうなれは、一贈」の字を使うべきところを、「与」の字を使ったのではないだろうか。もっとも年齢からいえば、辞藩の方が十二歳年長(薛濤が大暦三年に生まれたとして)であるが、身分の高い元稹に「与ふ」 の字を使ったのは、元稹から贈ったものとすれば当然であろう。

 

詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。   

詩篇というものの形態・雰囲気は、人それぞれ違うものであるが、きめの細かさややわらかな自然のすがたについて、わたくしひとりだけが、よく知っているつもりでいます。

4. ・調態 詩のふり。詩風。

5. ・細膩 きめがこまかく、かつ光沢があること。

6. ・風光 自然の姿。風や光のおもむき。  

月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。   

明月が影を落す時、花の趣きをうたうのは、その暗く静まりかえっているところを、こよなくうれしいと思って詠うものです。雨に煙る朝の柳のありさまを詩題に詠うと、その枝がまっすぐに垂れてしずかに動かない状景を、風流をとらえるのです。

7. ・暗淡 あざやかでなく、うすぐろいさま。くらくてしずかなさま。

8. ・爲 念う。

9. ・欹垂 欹はそばだつ意。垂はたれる。まっすぐに条を垂れていること。

 

長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。   

耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。

10. ・碧玉 処女の語に対応する女性の局部を意味するもの。微細な石英の結晶が集まってできた鉱物(潜晶質石英)であり、宝石の一種。 不純物 を含んだ石英は種類が多く、それゆえに様々な呼び方がある。3月の誕生石になっているブラッドストーン(血玉髄)も碧玉の一つである。薛濤『上王尚書』(王尚書にたてまつる。)「碧玉雙幢白玉郎,初辭天帝下扶桑。手持云篆題新榜,十萬人家春日長。」(碧玉の雙幢【そうとう】白玉の郎、初めて天帝を辞して 扶桑に下る。手に雲篆【うんてん】を持して 新榜【しんぼう】に題す、十萬の人家 春 日長し。)

碧玉はエメラルド色の玉。尊いものを意味し、破瓜とあわせて、処女をいう。結句の「君」は、この孫絆の詩を踏んで、嫁いだ相手、すなわち将来の夫をさしていると思われ、男児は、従って夫婦の問に生まれた男の子の意であろう。

11. ・紅偶 赤い色の詩儀。詩を書く囁く

12. ・白随 自分の気まま。

 

老大不能收拾得,與君開似好男兒。

年をとるまでどんどん詩を作っていくと、作品を集めまとめることが、できないほどにもなってしまうでしょう。でも、そのときになったら、将来の夫と二人して、それを二人の間にできた息子に示し、詩のお手本にさせようというつもりでいるのです。

13. ・君 将来の夫を指す。

14. ・男兒 男の子。息子。ただしこの作を元稹のものとして、その方にも収めている「全唐詩」では、末句を、「君と与に間に好男児に似さん」となっている。

★この詩も中唐期の男性が艶閨詩で使う語で歌われており、薛濤の七言絶句では見られない表現であることから、元稹が薛濤に贈ったものと考えるのが妥当であろう。

拍手[0回]

PR

コメント

プロフィール

HN:
漢文委員会 紀 頌之(きのあきゆき))
年齢:
78
性別:
男性
誕生日:
1946/09/10
職業:
文学者
趣味:
中国文学
自己紹介:
漢詩から唐・宋詩まで基本となる詩人・詩集を各全詩訳注解説してゆく、その中で、これまで他ブログに、掲載した女性の詩を、手を加えて、整理して掲載してゆく。
これまで日本では紹介されていないもの、誤訳の多かった詩などを、時代の背景、出自、その他関連するものなどから正しい解釈を進めてゆく。
毎日、20000文字掲載しているので、また、大病後で、ブログコミュニケーションが直ちに取ることができないけれど、精一杯努力してお返事いたします。

P R