詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.73 薛濤 《寄詞 》
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2017年10月30日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.73 薛濤 《寄詞 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9382
(あなたにこの詩をおくります。)
朝まだきの暗いもやのなかに、菌閣といわれ、霊芝の樓のある道教のお寺のいろいろな建物がねむっている。朝日がさしはじめ、かすみは幕を開き消えてゆき、そのずっと奥の方には、最上神天帝のお住まいになる玉皇宮(本殿)が、あらわれた。
この道数の天上官においては、あなたの吐蕃での功績をお誉めになって、天上から一時的に下界に下られた仙人とされたのです。
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薛濤詩 |
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73. 寄詞
菌閣芝樓杳靄中,霞開深見玉皇宮。
紫陽天上神仙客,稱在人間立世功。
74. 送友人
水國蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
誰言千里自今夕,離夢杳如關塞長。
75. 贈遠二首 其一
擾弱新蒲葉又齊,春深花發塞前溪。
知君未轉秦關騎,月照千門掩袖啼。
76. 贈遠二首 其二
芙蓉新落蜀山秋,錦字開緘到是愁。
閨閣不知戎馬事,月高還上望夫樓。
77. 寄張元夫
前溪獨立後溪行,鷺識朱衣自不驚。
借問人間愁寂意,伯牙弦絕已無聲。
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薛濤 73 《寄詞》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9382 |
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寄詞
(あなたにこの詩をおくります。)
菌閣芝樓杳靄中,霞開深見玉皇宮。
朝まだきの暗いもやのなかに、菌閣といわれ、霊芝の樓のある道教のお寺のいろいろな建物がねむっている。朝日がさしはじめ、かすみは幕を開き消えてゆき、そのずっと奥の方には、最上神天帝のお住まいになる玉皇宮(本殿)が、あらわれた。
紫陽天上神仙客,稱在人間立世功。
この道数の天上官においては、あなたの吐蕃での功績をお誉めになって、天上から一時的に下界に下られた仙人とされたのです。
(詞を寄せる)
菌閣【きんかく】芝樓【しろう】杳靄【ようあい】の中,霞開いて 深く見る玉皇の宮。
紫陽天上神仙の客,人間に在りて世功をて立しを稱う。
『寄詞』 現代語訳と訳註
(本文)
寄詞
菌閣芝樓杳靄中,霞開深見玉皇宮。
紫陽天上神仙客,稱在人間立世功。
(下し文)
(詞を寄せる)
菌閣【きんかく】芝樓【しろう】杳靄【ようあい】の中,霞開いて 深く見る玉皇の宮。
紫陽天上神仙の客,人間に在りて世功をて立しを稱う。
(現代語訳)
(あなたにこの詩をおくります。)
朝まだきの暗いもやのなかに、菌閣といわれ、霊芝の樓のある道教のお寺のいろいろな建物がねむっている。朝日がさしはじめ、かすみは幕を開き消えてゆき、そのずっと奥の方には、最上神天帝のお住まいになる玉皇宮(本殿)が、あらわれた。
この道数の天上官においては、あなたの吐蕃での功績をお誉めになって、天上から一時的に下界に下られた仙人とされたのです。
(訳注)
寄詞
1. (あなたにこの詩をおくります。)
2. ・薛濤と同時代で、呂姓で、侍御になった者には、呂元質・昌温・呂恭の三人がいる。このうち呂元質は、薛濤との関係がない。呂温と呂恭は兄弟で、どちらも侍御史であったことがある。呂温は、あざな和叙、また化光ともいった。呂謂の長男で、貞元十四年の進士。韋執誼とひじように親しかったことから、王叔文とも仲よく、左拾遺になり、やがて侍御史をもって張薦の吐蕃行き使節の副使をつとめた。在外中に王叔文一派(柳宗元のグループ)はそれぞれ中央政府からひどい適地へおいやられたが、呂温は、外國に足どめされていたことがかえって幸いして、罪せられずにすみ、帰国すると戸部員外郎へ昇進した。簹羣・羊士鍔と親しく、性格は腹黒いところがあり、遠州へおわれ、衡州へやられて、その地で四十歳でなくなっている。
菌閣芝樓杳靄中,霞開深見玉皇宮。
朝まだきの暗いもやのなかに、菌閣といわれ、霊芝の樓のある道教のお寺のいろいろな建物がねむっている。朝日がさしはじめ、かすみは幕を開き消えてゆき、そのずっと奥の方には、最上神天帝のお住まいになる玉皇宮(本殿)が、あらわれた。
3. ・菌閣芝棲 菌はまた芝ともいう。芝は霊芝で、ともに道教の寺の建物を美しく形容したもの。
4. ・杳靄 杳は暗い意。靄は、もや・かすみ。
5. ・玉皇(ぎょくこう) 天帝をいう。道教の最上神。
紫陽天上神仙客,稱在人間立世功。
この道数の天上官においては、あなたの吐蕃での功績をお誉めになって、天上から一時的に下界に下られた仙人とされたのです。
6. ・紫陽 道教の神仙につけられる称号。周の穆王の時の李八百は、紫陽貴君といい、漢の周義山および朱の張伯端は、ともに紫陽真君とよばれている。
7. ・神仙客 人間世界で一世をおどろかすような功績をたてた人をさす。その人は、もともと仙人だ。ここではそれが下界に一時おりて、そのような功績をたてたという考えで、この詩を贈る相手、呂温をさすものであろう。