詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.65 薛濤 《上川主武元衡相國二首 其二 》
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2017年10月21日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.65 薛濤 《上川主武元衡相國二首 其二 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9319
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。
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薛濤詩 |
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62. 賊平后上高相公
驚看天地白荒荒,瞥見青山舊夕陽。
始信大威能照映,由來日月借生光。
63. 續嘉陵驛詩獻武相國
蜀門西更上青天,強為公歌蜀國弦。
卓氏長卿稱士女,錦江玉壘獻山川。
64. 上川主武元衡相國 其一
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。
65. 上川主武元衡相國 其二
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。
66. 題嘉陵驛 武元衡
悠悠風旆繞山川,山驛空濛雨作煙。
路半嘉陵頭已白,蜀門西更上靑天。
67. 聽歌 武元衝
月上重樓絲管秋,佳人夜唱古梁州。
滿堂誰是知音者,不惜千金與莫愁。
武元衝 贈歌人
林鶯一哢四時春、蟬翼羅衣白玉人。
曾逐使君歌舞地、淸泉長咽翠眉頻。
68. 摩訶池宴
摩訶池上春光早,愛水看花日日來。
穠李雪開歌扇掩,綠楊風動舞腰回。
蕪臺事往空留恨,金谷時危悟惜才。
晝短欲將清夜繼,西園自有月裴回。
69. 摩訶池贈蕭中丞
昔以多能佐碧油,今朝同泛舊仙舟。
淒涼逝水頹波遠,惟有碑泉咽不流。
70. 鄉思
峨嵋山下水如油,憐我心同不繫舟。
何日片帆離錦浦,棹聲齊唱發中流。
71. 送盧員外
玉壘山前風雪夜,錦官城外別離魂。
信陵公子如相問,長向夷門感舊恩。
72. 斛石山曉望寄呂侍
曦輪初轉照仙扃,旋擘煙嵐上窅冥。
不得玄暉同指點,天涯蒼翠漫青青。
武元衛は、彼女が成都で仕えた十一人の節度使のうちの一人。元和二年、彼女の四十六歳の年に、武元衛は宰相を兼務したまま剣南西川節度使となって赴任してきた。その着任と同時に献じた詩が、「嘉陵驛の詩に續けて、武相國に獻ず」(6 1)で、この詩はその翌年の春の作である。武元衡は、元和八年二月、成都を出塗して、宰相として都にもどっている。薛濤は、四十歳から四十七歳までの八年、營妓として武元衝に仕えた。
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薛濤《上川主武元衡相國二首其二》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9319 |
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上川主武元衡相國二首 其一
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。)
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
日が城の上に落ち掛け、そしてその後ろに重なり、夕もやも消えていく、節度使さまのお邸では、玳瑁がかざられ、豪華な筵を敷いて、宴合が開かれ、大勢の諸公をお招きになっている。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。
明るい月がのぼり、節度使さまは、「月に庭のかがり火がわりにちょうどよい」と仰せられて、すだれをおろすことをとめられた。おかげで月光とかがり火の風流な宴席となったのです。
上川主武元衡相國 其二
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。
『上川主武元衡相國二首』 現代語訳と訳註
(本文) 上川主武元衡相國 其二
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。
(下し文)
(上川主【せんしゅ】武元衡 相國【しょうこく】に【たてまつ】る 二首 其の二)
東閣に尊を移して 綺席【きせき】を陳ね,貂簪【ちょうしん】龍節【りょうせつ】更に春に宜し。
軍城の畫角【がかく】三聲【さんせい】歇【や】み,云幕【うんばく】初めて垂れて 紅燭 新なり。
(現代語訳)
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。
(訳注)
上川主武元衡相國 其二
10. (剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
11. ・東閣 邸内の東側にある別の高閣。
12. ・尊 さかずき。ここは宴席をいう。
13. ・綺席 はなやかに飾られた宴席をいう.
14. ・貂簪 貂はテン。いたち科の獣。その尾は淡黄色をしていて、冠につけて飾りとした。簪はかんむりをとめるために髪に挿すもの。高貴な人は貂尾のついた冠をかむり、その冠を簪で髪にとめていた。
15. ・龍節 竿の上部に竜の形を型どった飾りがつき。下にふさがついていて、将軍や外国に使する使節に与えられるしるしのはたである。節度使は将軍としてこれを与えられていたということ。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。
16. ・軍城 西川節度使(軍政長官)の屯する蜀都成郡のことであるから、詩的表現、軍城といった。
17. ・畫角 角笛。時を告げる。
18. ・雲幕 雲の模様のある幕。幕はカーテンと思えばよい。軍内と庭とを区切るもの幔幕。
19. ・紅燭 べに色のローソクの燈火。