詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.44 薛濤 《十離詩十首 馬離廄 》
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2017年9月30日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.44 薛濤 《十離詩十首 馬離廄 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9151
(馬がうまやから追われた。)
雪のようにまっ白い耳のあたりの毛があり、ほかの部分は赤い栗毛いろの馬で、ひずめは薄みどり色だからきっといい馬だ。かっては、風を追うようにして、日が昇ってから、西に沈むまで、一日中東へ西へと駆けまわっていた。
美しくかわいい若さまをお驚かせして、車から落としてしまったために、それ以来、りっはな事につけられて威勢よくいななくこともできなくなって、うまやから追い出されて追いやられてしまった。
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薛濤詩 |
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40十離詩十-幷序
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。因事獲怒。遠之。涛作十離詩以献。逐復善焉。
41.犬離主
出入朱門四五年,為知人意得人憐。 近緣咬著親知客,不得紅絲毯上眠。
42. 犬離主
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。因事獲怒。遠之。涛作十離詩以献。逐復善焉。
43. 筆離手
越管宣毫始稱情,紅箋紙上撒花瓊。 都緣用久鋒頭盡,不得羲之手里擎。
44. 馬離廄
雪耳紅毛淺碧蹄,追風曾到日東西。 為驚玉貌郎君墜,不得華軒更一嘶。
45. 燕離巢
出入朱門未忍拋,主人常愛語交交。銜泥穢污珊瑚枕,不得梁間更壘巢。
46. 珠離掌
皎潔圓明內外通,清光似照水晶宮。只緣一點玷相穢,不得終宵在掌中。
47. 鷹離鞲
爪利如鋒眼似鈴,平原捉兔稱高情。無端竄向青云外,不得君王臂上擎。
48. 鷹離鞲
爪利如鋒眼似鈴,平原捉兔稱高情。無端竄向青云外,不得君王臂上擎。
49. 竹離亭
蓊郁新栽四五行,常將勁節負秋霜。 為緣春筍鑽牆破,不得垂陰覆玉堂。
50. 鏡離台
鑄瀉黃金鏡始開,初生三五月徘徊。 為遭無限塵蒙蔽,不得華堂上玉台。
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薛濤詩 44 《十離詩十首 馬離廄 原註》 |
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十離詩
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。
元稹が官吏を取り締まる官、監察御史として蜀に遣わされた。厳綬(厳司空)は旅の慰労に薛濤を同行させた。
困事獲怒。遠之。
事件を起こして逆鱗に触れ、罰として遠ざけられた。
涛作十離詩以献。逐復善焉。
薛濤は、「十離詩」と題した詩を詩集にして元稹に献上した。やがてまた許され良いことになった。
犬離主
(飼い主の主人から追いだされた犬の歌。)
出入朱門四五年,為知人意得人憐。
高貴なお邸に出入りさせていただいて早、四、五年にもなっています。あなた様のご厚情にあまえつづけており、本当にご主人にかわいがられていたのです。
近緣咬著親知客,不得紅絲毯上眠。
ところが、ふとしたことから、ご主人の近縁のお方にかみつくようなまねをしてしまい、このうえは、紅い上等の毛せんの上で眠るわけにはいきませんと孟反省致しております。
42. 犬離主
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。
元稹が官吏を取り締まる官、監察御史として蜀に遣わされた。厳綬(厳司空)は旅の慰労に薛濤を同行させた。
困事獲怒。遠之。
事件を起こして逆鱗に触れ、罰として遠ざけられた。
涛作十離詩以献。逐復善焉。
薛濤は、「十離詩」と題した詩を詩集にして元稹に献上した。やがてまた許され良いことになった。
43. 筆離手
(筆がすてられた。)
越管宣毫始稱情,紅箋紙上撒花瓊。
越州産の軸に、宣州産の穂がついた筆がある。はじめから気に入って、紅い画宣紙や詩箋の上に、花瓊を撒いた様なみごとな書画を書くことができたものだった。
都緣用久鋒頭盡,不得羲之手里擎。
何もかもに愛用し、しかも久しく使ったことによって、穂さきまとまらなくなって、いかに有名な名筆家の晋の王義之の腕にかかっても、良い書画がえられなくなってしまったのだ。
(筆は手を離る。)
越管【えつかん】宣毫【せんごう】始めより情に稱【かな】う,紅箋【こうせん】紙上 花瓊【かけい】を撒【ま】く。
都【すべ】て用うること久しきことに緣り鋒頭【ほうとう】盡き,羲之の手里に擎【ささ】げらるるを得ず。
44. 馬離廄
(馬がうまやから追われた。)
雪耳紅毛淺碧蹄,追風曾到日東西。
雪のようにまっ白い耳のあたりの毛があり、ほかの部分は赤い栗毛いろの馬で、ひずめは薄みどり色だからきっといい馬だ。かっては、風を追うようにして、日が昇ってから、西に沈むまで、一日中東へ西へと駆けまわっていた。
為驚玉貌郎君墜,不得華軒更一嘶。
美しくかわいい若さまをお驚かせして、車から落としてしまったために、それ以来、りっはな事につけられて威勢よくいななくこともできなくなって、うまやから追い出されて追いやられてしまった。
『十離詩十首 馬離廄』 現代語訳と訳註
(本文)
馬離廄
雪耳紅毛淺碧蹄,追風曾到日東西。
為驚玉貌郎君墜,不得華軒更一嘶。
(下し文)
(馬、厩を離る)
雪耳 紅毛 浅碧の蹄、
風を追うて 曾て 日の東西に到る。
王貌の郎君を 驚かし堕せしが為に、
華軒に 更に一たび斯くことを 得ず。
(現代語訳)
(馬がうまやから追われた。)
雪のようにまっ白い耳のあたりの毛があり、ほかの部分は赤い栗毛いろの馬で、ひずめは薄みどり色だからきっといい馬だ。かっては、風を追うようにして、日が昇ってから、西に沈むまで、一日中東へ西へと駆けまわっていた。
美しくかわいい若さまをお驚かせして、車から落としてしまったために、それ以来、りっはな事につけられて威勢よくいななくこともできなくなって、うまやから追い出されて追いやられてしまった。
(訳注)
十離詩十首 馬離廄
24. 馬がうまやから追われた。
雪耳紅毛淺碧蹄,追風曾到日東西。
雪のようにまっ白い耳のあたりの毛があり、ほかの部分は赤い栗毛いろの馬で、ひずめは薄みどり色だからきっといい馬だ。かっては、風を追うようにして、日が昇ってから、西に沈むまで、一日中東へ西へと駆けまわっていた。
25.・紅毛(こうもう) あかい毛。実は粟毛色をさす。杜甫が多く馬について詠っている。
房兵曹胡馬詩
胡馬大宛名、鋒稜痩骨成。
竹批双耳峻、風入四蹄軽。
所向無空闊、真堪託死生。
驍騰有如此、万里可横行。
驄馬行 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 102
26. ・浅碧 うすあお色。
27. ・日東西 神話によれば、義和は日の車の御者で、東から太陽をのせた車を西へ駆るという。「楚辞」に「日忽々として其れ将に暮れんとす、吾、義和をして節を辞めしめん」とある。○義和 日の神であり、日を乗せる馬車の御者とも考えられ、更には、二つの名に分けて、暦法を定めた人ともされた。「山海経」に記載のある太陽の母神であり、炎帝に属し東夷人の先祖にあたる帝俊の妻。東海の海の外、甘水のほとりに義和の国があり、そこに生える世界樹・扶桑の下に住む女神である義和は、子である「十の太陽たち」を世話している。天を巡ってきてくたびれた太陽を湯谷で洗っては扶桑の枝にかけて干し、輝きを蘇らせるという。ここでは日の御者としての義和とすると、時間を進める御者として、義和をいっているから、日月といってもそう矛盾を感じないものである。太陽をのせて走る車の御者。神話中の人物である。「楚辞」離巌に「吾義和をして節を辞めしめ云云」と見える。○六竜 太陽神の乗る、六頭立ての竜の引く車。義和という御者がそれを御して大空を東から西にめぐる、という神話に基づく。(『初学記』巻一,『准南子』「天文訓」など)。
また、「書経」五子之歌から》くさった縄で6頭の馬を御するように、非常に難しくて危ないこと
義和の神を例にとることは、暗殺計画を意味するものである。
為驚玉貌郎君墜,不得華軒更一嘶。
美しくかわいい若さまをお驚かせして、車から落としてしまったために、それ以来、りっはな事につけられて威勢よくいななくこともできなくなって、うまやから追い出されて追いやられてしまった。
28. ・玉貌郎君 玉のように美しい顔をした若様。
29. ・華軒 豪華な車。高貴の人の乗る車。