詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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全唐詩卷804_32 《寄飛卿》 魚玄機
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、035卷804_32 《寄飛卿》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9944
(魚玄機の詩人としての才能を引き出してくれ、余の名声にも力を与えてくれた温庭筠に、秋のさみしさを紛らわす手紙を送った、温庭筠は都を離れ、各地に遊んでいた。)
庭へおりるきざはしからのたたきの先あたりで、こおろぎがやたらに鳴いている。庭木の枝のあたりには、夜霧がこめて、すがすがしい気配に包まれる。
そんな月の光があたる夜には、隣家の宴の音楽の音が聞こえてくるものだし、高楼からは、遠くの山が月光にくっきりと見えもの。
すっかり秋になり、立派な簟の寝ござだと涼しすぎるし、美しい玉のような琴だとをひいていますと、逆に良すぎて引きずらいことになってしまうもの。
詩文と琴の演奏に秀でた嵇康は、詩を読んでも記録しようとはしなかったのですが。わたしはこうした下手な詩でも作って秋の夜のさびしさも、どんなにか慰めるのです。(お越しいただけないなら、せめて詩文でもいただけませんか。)
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魚玄機 全詩 訳注解説 |
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遣懷 全唐詩卷804_31
閑散身無事,風光獨自遊。斷雲江上月,解纜海中舟。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。叢篁堪作伴,片石好為儔。
#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。臥牀書冊遍,半醉起梳頭。
寄飛卿 全唐詩卷804_32
階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。
月中鄰樂響,樓上遠山明。
珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。
嵇君懶書劄,底物慰秋情。
過鄂州 全唐詩卷804_33
柳拂蘭橈花滿枝,石城城下暮帆遲。
折牌峰上三閭墓,遠火山頭五馬旗。
白雪調高題舊寺,陽春歌在換新詞。
莫愁魂逐清江去,空使行人萬首詩。
夏日山居 全唐詩 卷804_34
移得仙居此地來,花叢自遍不曾栽。
庭前亞樹張衣桁,坐上新泉泛酒杯。
軒檻暗傳深竹徑,綺羅長擁亂書堆。
閑乘畫舫吟明月,信任輕風吹卻回。
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魚玄機 《寄飛卿》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9944 |
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卷804_32 【寄飛卿】魚玄機
寄飛卿
(魚玄機の詩人としての才能を引き出してくれ、余の名声にも力を与えてくれた温庭筠に、秋のさみしさを紛らわす手紙を送った、温庭筠は都を離れ、各地に遊んでいた。)
階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。
庭へおりるきざはしからのたたきの先あたりで、こおろぎがやたらに鳴いている。庭木の枝のあたりには、夜霧がこめて、すがすがしい気配に包まれる。
月中鄰樂響,樓上遠山明。
そんな月の光があたる夜には、隣家の宴の音楽の音が聞こえてくるものだし、高楼からは、遠くの山が月光にくっきりと見えもの。
珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。
すっかり秋になり、立派な簟の寝ござだと涼しすぎるし、美しい玉のような琴だとをひいていますと、逆に良すぎて引きずらいことになってしまうもの。
嵇君懶書劄,底物慰秋情。
詩文と琴の演奏に秀でた嵇康は、詩を読んでも記録しようとはしなかったのですが。わたしはこうした下手な詩でも作って秋の夜のさびしさも、どんなにか慰めるのです。(お越しいただけないなら、せめて詩文でもいただけませんか。)
飛卿に寄す
階砌【かいぜい】蛩鳴【きょうめい】亂れ,庭柯【ていか】煙露【えんろ】清し。
月中 鄰樂【りんがく】響き,樓上 遠山 明かなり。
珍簟【ちんてん】涼風 著しく,瑤琴【ようきん】寄恨【きこん】生ず。
嵇君【けいくん】書劄に懶し,底物か 秋情を慰めん。
『寄飛卿』 現代語訳と訳註
(本文)
寄飛卿 卷804_32 【寄飛卿】魚玄機
階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。
月中鄰樂響,樓上遠山明。
珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。
嵇君懶書劄,底物慰秋情。
(下し文)
飛卿に寄す
階砌【かいぜい】蛩鳴【きょうめい】亂れ,庭柯【ていか】煙露【えんろ】清し。
月中 鄰樂【りんがく】響き,樓上 遠山 明かなり。
珍簟【ちんてん】涼風 著しく,瑤琴【ようきん】寄恨【きこん】生ず。
嵇君【けいくん】書劄に懶し,底物か 秋情を慰めん。
(現代語訳)
(魚玄機の詩人としての才能を引き出してくれ、余の名声にも力を与えてくれた温庭筠に、秋のさみしさを紛らわす手紙を送った、温庭筠は都を離れ、各地に遊んでいた。)
庭へおりるきざはしからのたたきの先あたりで、こおろぎがやたらに鳴いている。庭木の枝のあたりには、夜霧がこめて、すがすがしい気配に包まれる。
そんな月の光があたる夜には、隣家の宴の音楽の音が聞こえてくるものだし、高楼からは、遠くの山が月光にくっきりと見えもの。
すっかり秋になり、立派な簟の寝ござだと涼しすぎるし、美しい玉のような琴だとをひいていますと、逆に良すぎて引きずらいことになってしまうもの。
詩文と琴の演奏に秀でた嵇康は、詩を読んでも記録しようとはしなかったのですが。わたしはこうした下手な詩でも作って秋の夜のさびしさも、どんなにか慰めるのです。(お越しいただけないなら、せめて詩文でもいただけませんか。)
(訳注)
寄飛卿
1. (魚玄機の詩人としての才能を引き出してくれ、余の名声にも力を与えてくれた温庭筠に、秋のさみしさを紛らわす手紙を送った、温庭筠は都を離れ、各地に遊んでいた。)
2. ・飛卿 温飛脚、名は庭筋。もとの名は岐。岐は「旧唐書」に見える。森鴎外はその「魚玄機」にこの岐をとっている。魚玄機の詩才を見出した人。この詩は、都にいる魚玄機から地方に都落ちしている温庭筠に。寄せたもので、魚玄機が旅先から都落ちしている温庭筠に寄せるのは不自然で詩の内容からも、「大系15」のようにこじつけることには無理がある。この詩は長安で作られたものとしか考えられない。森鴎外も長安の作としているのが正しい。(それにしても集英社発行辛島驍著「漢詩大系15」の訳註はひどすぎる。)
階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。
庭へおりるきざはしからのたたきの先あたりで、こおろぎがやたらに鳴いているし、庭木の枝のあたりには、夜霧がこめて、すがすがしい気配に包まれる。
3. ・階砌 階はきざはし。室内から庭へおりるところにある段。砌は石または煉瓦のきざはしの段をいうが、今のポーチ(タタキ)と思えばよい。
・亂蛩 亂蛩はこおろぎ。白居易『禁中聞蛩』詩「悄悄禁門閉,夜深無月明。西窗獨暗坐,滿耳新蛩聲。」(西窗独り闇坐すれば、満耳新蛩の声)がある。乱蟄は、やかましくしきりにあちこちで鳴くこおろぎ。
4. ・庭柯 庭の木のえだ。
5. ・煙露 煙は、水蒸気のもや。ここでは夕もや。
月中鄰樂響,樓上遠山明。
そんな月の光があたる夜には、隣家の宴の音楽の音が聞こえてくるものだし、高楼からは、遠くの山が月光にくっきりと見えもの。
珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。
すっかり秋になり、立派な簟の寝ござだと涼しすぎるし、美しい玉のような琴だとをひいていますと、逆に良すぎて引きずらいことになってしまうもの。
6. ・珍簟 竹または葦で編んだ敷き物。夏期ベッドの上に敷いて涼をとる場合と、ベッドなり長椅子が竹で張ってある場合とあるが、ここは前者。シーツに似た寝具で、竹を編んで作る。夏はその上に寝ると、涼しい。珍は立派なという意味。『酬李學士寄簟』「珍簟新鋪翡翠樓,泓澄玉水記方流。唯應雲扇情相似,同向銀牀恨早秋。」
7. ・涼風(りょうふう)
8. ・瑤琴(ようきん) 瑤は美しい玉。
9. ・寄恨 琴が思い切って引けなもどかしさ。花街のものが男性に云う言葉。さびしい夜、お待ちしてますというほどの意味。
嵇君懶書劄,底物慰秋情。
詩文と琴の演奏に秀でた嵇康は、詩を読んでも記録しようとはしなかったのですが。わたしはこうした下手な詩でも作って秋の夜のさびしさも、どんなにか慰めるのです。(お越しいただけないなら、せめて詩文でもいただけませんか。)
10. ・嵇君 温庭筠を晋の嵇康にたとえてよんだもの。嵆 康(けい こう、224年 - 262年あるいは263年)は、中国三国時代の魏の文人。竹林の七賢の一人で、その主導的な人物の一人。字は叔夜。非凡な才能と風采を持ち、日頃から妄りに人と交際しようとせず、山中を渉猟して仙薬を求めたり、鍛鉄をしたりするなどの行動を通して、老荘思想に没頭した。気心の知れた少数の人々と、清談と呼ばれる哲学論議を交わし名利を求めず、友人の山濤が自分の後任に、嵆康を吏部郎に推薦した時には、「与山巨源絶交書」(『文選』所収)を書いて彼との絶交を申し渡し、それまで通りの生活を送った。嵆康は「琴(きん)」を演奏する事を好み、ある時に謎の人物から「広陵散」と呼ばれる琴の曲を学び得意としていたが、誰にもそれを教えなかった。刑の直前にこの曲を演奏し「広陵散今に於いて絶ゆ」と言い残し処刑されたという[5]。「声無哀楽論」・「琴賦」を著すなど、音楽理論に精通していた。
11. ・書劄 詩文を随時書き記したもの。
12. ・秋情 秋のさびしい思い