詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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九、040卷804_37 《和人 》 魚玄機
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、040卷804_37 《和人 》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ10007
(咸宜観にはいって女遺士として暮らしていたころのある日、客のひとりが留守中にたずねてきて、詩を置いていった。これに対して、返した歌である。)
これだけ広い長安の大通り、長安の街で知己を通じて援助を受けようなどとは思いません。くる日もくる日も、毎日のように、着物を質に入れて、くらしています。
美しい小箱に以前使っていた鏡を曇らせたままに収めております。前のように蟬髪にすることではなくてそのままおろして修行しております。「博山爐」で麝香をたまにたくだけで微かにその香を残すのです。
ご厚情にもあなた様はおいでくださいまして、わたくしの「春のきもち」を呼び戻す詩句を残してくれました。卓文君のように詩文で少し心が動きますが、今、お昼は修行での身ですから表の門も閉めたままにしております。
修業の時はおいでくださいましても、なんの風情もございません。修行のない時、このわたくしを車にのせて、いっしょに郊外へ行楽しましょう。それでしたら何度でもお供いたします。柳も芽をふき、梅の花もほころび、草もよい香の花を咲かせているころには楽しみしております。
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魚玄機 全詩 訳注解説 |
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卷804_36 《代人悼亡
曾睹夭桃想玉姿,帶風楊柳認蛾眉。
珠歸龍窟知誰見,鏡在鸞臺話向誰。
從此夢悲煙雨夜,不堪吟苦寂寥時。
西山日落東山月,恨想無因有了期。
卷804_37 《和人
茫茫九陌無知己,暮去朝來典繡衣。
寶匣鏡昏蟬鬢亂,博山爐暖麝煙微。
多情公子春留句,少思文君晝掩扉。
莫惜羊車頻列載,柳絲梅綻正芳菲。
卷804_38 《隔漢江寄子安
江南江北愁望,相思相憶空吟。
鴛鴦暖臥沙浦,鸂鶒閑飛橘林。
煙裏歌聲隱隱,渡頭月色沈沈。
含情咫尺千裏,況聽家家遠砧。
卷804_39 《寓言
紅桃處處春色,碧柳家家月明。
樓上新妝待夜,閨中獨坐含情。
芙蓉月下魚戲,螮蝀天邊雀聲。
人世悲歡一夢,如何得作雙成。
卷804_40 《江陵愁望寄子安
楓葉千枝復萬枝,江橋掩映暮帆遲。
憶君心似西江水,日夜東流無歇時。
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魚玄機 《代人悼亡》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10000 |
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卷804_37 【和人】魚玄機
咸宜観にはいって女遺士として暮らしていたころのある日、客のひとりが留守中にたずねてきて、詩を置いていった。これに封して、返した歌である。
和人
(咸宜観にはいって女遺士として暮らしていたころのある日、客のひとりが留守中にたずねてきて、詩を置いていった。これに対して、返した歌である。)
茫茫九陌無知己,暮去朝來典繡衣。
これだけ広い長安の大通り、長安の街で知己を通じて援助を受けようなどとは思いません。くる日もくる日も、毎日のように、着物を質に入れて、くらしています。
寶匣鏡昏蟬鬢亂,博山爐暖麝煙微。
美しい小箱に以前使っていた鏡を曇らせたままに収めております。前のように蟬髪にすることではなくてそのままおろして修行しております。「博山爐」で麝香をたまにたくだけで微かにその香を残すのです。
多情公子春留句,少思文君晝掩扉。
ご厚情にもあなた様はおいでくださいまして、わたくしの「春のきもち」を呼び戻す詩句を残してくれました。卓文君のように詩文で少し心が動きますが、今、お昼は修行での身ですから表の門も閉めたままにしております。
莫惜羊車頻列載,柳絲梅綻正芳菲。
修業の時はおいでくださいましても、なんの風情もございません。修行のない時、このわたくしを車にのせて、いっしょに郊外へ行楽しましょう。それでしたら何度でもお供いたします。柳も芽をふき、梅の花もほころび、草もよい香の花を咲かせているころには楽しみしております。
(和人)
茫茫たり 九陌に知己【ちき】無し,暮去【ぼきょ】朝來【ちょうらい】繡衣【しゅうい】を典す。
寶匣【ほうこう】鏡 昏うして蟬鬢【ぜんびん】亂れ,博山【はくざん】爐 暖こうして麝煙【じゃえん】微かなり。
多情の公子 春 句を留め,少思の文君 晝 扉を掩う。
惜しむこと莫れ羊車 頻りに列載するを,柳絲【りゅうし】梅綻【ばいたん】正に芳菲なり。
和人
茫茫九陌無知己,暮去朝來典繡衣。
寶匣鏡昏蟬鬢亂,博山爐暖麝煙微。
多情公子春留句,少思文君晝掩扉。
莫惜羊車頻列載,柳絲梅綻正芳菲。
(下し文)
(和人)
茫茫たり 九陌に知己【ちき】無し,暮去【ぼきょ】朝來【ちょうらい】繡衣【しゅうい】を典す。
寶匣【ほうこう】鏡 昏うして蟬鬢【ぜんびん】亂れ,博山【はくざん】爐 暖こうして麝煙【じゃえん】微かなり。
多情の公子 春 句を留め,少思の文君 晝 扉を掩う。
惜しむこと莫れ羊車 頻りに列載するを,柳絲【りゅうし】梅綻【ばいたん】正に芳菲なり。
(現代語訳)
(咸宜観にはいって女遺士として暮らしていたころのある日、客のひとりが留守中にたずねてきて、詩を置いていった。これに対して、返した歌である。)
これだけ広い長安の大通り、長安の街で知己を通じて援助を受けようなどとは思いません。くる日もくる日も、毎日のように、着物を質に入れて、くらしています。
美しい小箱に以前使っていた鏡を曇らせたままに収めております。前のように蟬髪にすることではなくてそのままおろして修行しております。「博山爐」で麝香をたまにたくだけで微かにその香を残すのです。
ご厚情にもあなた様はおいでくださいまして、わたくしの「春のきもち」を呼び戻す詩句を残してくれました。卓文君のように詩文で少し心が動きますが、今、お昼は修行での身ですから表の門も閉めたままにしております。
修業の時はおいでくださいましても、なんの風情もございません。修行のない時、このわたくしを車にのせて、いっしょに郊外へ行楽しましょう。それでしたら何度でもお供いたします。柳も芽をふき、梅の花もほころび、草もよい香の花を咲かせているころには楽しみしております。
(訳注)
和人
1. (咸宜観にはいって女遺士として暮らしていたころのある日、客のひとりが留守中にたずねてきて、詩を置いていった。これに対して、返した歌である。)
2. この詩も「漢詩大系15」P145-146の解釈はどうかしているとしか思えない。私の解釈と比較されたい。
意味深な語句は花街の女性であったから男に対して自分に対して関心を引こうというとしていうのである。同時に、プライドの高い女性である。詩は、杜甫でも数が少ないのように七言律詩を詠っている。
茫茫九陌無知己,暮去朝來典繡衣。
これだけ広い長安の大通り、長安の街で知己を通じて援助を受けようなどとは思いません。くる日もくる日も、毎日のように、着物を質に入れて、くらしています。
3. ・茫茫 遠く広いさま。
4. ・九陌 九陌はもともと南北に通じている田の畦みちをいったが、後には、都会の街もいうようになった。九陌は、漢の都の長安にあった九つの大道を指したが、これも転じて、ひろく都大路をいうことになった。ここでは唐の長安城においても南北の通りは九本である。
5. ・暮去朝来 くる日もくる日も、毎日のように。
6. ・繍衣 ぬいとりのある着物。ここではたんに着物。
7. ・典 衣類を入質すること。これは惨めな事と解釈するのは間違い。儒教、道教問わず、その日を楽しく過ごすことを矜持の事としていっているわけである。杜甫『曲江三章章五句(2)』『奉陪鄭駙馬韋曲二首其一』 杜甫 樂遊園歌 杜甫
寶匣鏡昏蟬鬢亂,博山爐暖麝煙微。
美しい小箱に以前使っていた鏡を曇らせたままに収めております。前のように蟬髪にすることではなくてそのままおろして修行しております。「博山爐」で麝香をたまにたくだけで微かにその香を残すのです。
8. ・寶匣 匣はハコ。宝は単に美しい意。
9. ・昏 うす暗い。磨くのを怠っているから。
10. ・蟬鬢 女の髪をゆった形が、蝉の羽のようだから畔蛍という。
11. ・繍衣・宝匝撃、みな美しい語を使っただけで、上にかぶせた形容詞に深い比重はおいていない。詩語というものである。
12. ・博山爐 仙山のかたちをした香炉のこと。
李白 「楊叛兒」
君歌楊叛兒、妾勸新豐酒。
何許最關人、烏啼白門柳。
烏啼隱楊花、君醉留妾家。
博山爐中沈香火、雙煙一氣凌紫霞。○博山香 「博山」という仙山のかたちをした香炉かんたんにいえは、山の形をした香炉である。博山は、山東省にある山の名。炉の形は山形をしているが、下の盤に湯を入れ、それに蒸されて、上にある香が煙になって昇るように仕掛けたものらしい。
13. ・麝煙微 麝香の煙がわずかに立ちのぼっている。麝香は貴重高価なものであった。微の字に重点があり、たまにたくことでほのかに残している。修行において香は重要である。以前は客を迎えるために焚いたものと比較する。漢詩ブログについて、と李白36 楊叛兒と蘇東坡-蘇軾 ⑪江城子 密州出猟
多情公子春留句,少思文君晝掩扉。
ご厚情にもあなた様はおいでくださいまして、わたくしの「春のきもち」を呼び戻す詩句を残してくれました。卓文君のように詩文で少し心が動きますが、今、お昼は修行での身ですから表の門も閉めたままにしております。
14. ・少思 思うことの少ない、自分を文署にたとえ、それに比べれば物思い、恋心の少ないといったもの。
15. ・文君 蜀の司馬相如の妻であった卓文君。卓文君は司馬相如の詩文を見て司馬相如のもとに走った。自分をそれにたとえていう。
莫惜羊車頻列載,柳絲梅綻正芳菲。
修業の時はおいでくださいましても、なんの風情もございません。修行のない時、このわたくしを車にのせて、いっしょに郊外へ行楽しましょう。それでしたら何度でもお供いたします。柳も芽をふき、梅の花もほころび、草もよい香の花を咲かせているころには楽しみしております。
16. ・羊車 羊にひかせる小型の車、控えめに言っている。
17. ・列戴 ならんでのせること。道女がたくさんいて、どの車にも女を同伴してのせていること。
18. ・柳絲 柳の枝が芽をふくこと。
19. ・梅綻 梅の花がほころびること。
20. ・芳菲 芳も菲も、ともにかんばしいことをいう。
李白『春日獨酌 二首 其一』
東風扇淑氣、水木榮春暉。
白日照綠草、落花散且飛。
孤雲還空山、眾鳥各已歸。
彼物皆有托、吾生獨無依。
對此石上月、長醉歌芳菲。
春日獨酌二首 其一 李白 104