詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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九、010卷804_10 《閨怨》 魚玄機
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2017年12月16日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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九、010卷804_10 《閨怨》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9697
(今度、夫に遭えたなら、やっぱり自分の方が魅力的な女だと別れたことを後悔するに違いないと思い、願い、希望とすると詠う。)
ある日、漢の古詩にあるように「蘼蕪」を手にいっぱいにとって山を下りると日が西に傾き女は誰にも会わないのです。こちらの女に聞くところによると帰ってこないと思っていた隣の浮気者の夫は帰ってきたというのです。
別れた日は大鳥が北に変える春の日でした。けさ、北に帰っていた雁が、南につがいで飛んでくる。
春に来て秋に去って行く雁には互いのことを思う気持ちがある。秋去るけれど春には來るという書簡に癒されるのは稀の事でいいのです。
貴族の家の南門は閂がされたままで主人は帰ってこない。秋に夫の冬着の準備の砧の音をさせるころ何事もなく薄いとばりを抜けて入ってくるのはその音だけなのです。
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魚玄機 全詩 |
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九、000《魚玄機の全詩 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9578
九、001卷804_1《賦得江邊柳 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9585
九、002卷804_2《贈鄰女 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9592
九、003卷804_3《寄國香 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9599
九、004卷804_4《寄題錬師 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9606
九、005卷804_5《寄劉尚書 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9613
九、006卷804_6《浣紗廟 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9620
九、007卷804_7《賣殘牡丹》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9627
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九、009卷804_9《情書(書情寄李子安)》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9641
九、010卷804_10《閨怨》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9648
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魚玄機《魚玄機の全詩》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9578 |
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蘼蕪盈手泣斜暉,聞道鄰家夫婿歸。
ある日、漢の古詩にあるように「蘼蕪」を手にいっぱいにとって山を下りると日が西に傾き女は誰にも会わないのです。こちらの女に聞くところによると帰ってこないと思っていた隣の浮気者の夫は帰ってきたというのです。
別日南鴻才北去,今朝北雁又南飛。
別れた日は大鳥が北に変える春の日でした。けさ、北に帰っていた雁が、南につがいで飛んでくる。
春來秋去相思在,秋去春來信息稀。
春に来て秋に去って行く雁には互いのことを思う気持ちがある。秋去るけれど春には來るという書簡に癒されるのは稀の事でいいのです。
扃閉朱門人不到,砧聲何事透羅幃。
貴族の家の南門は閂がされたままで主人は帰ってこない。秋に夫の冬着の準備の砧の音をさせるころ何事もなく薄いとばりを抜けて入ってくるのはその音だけなのです。
閨怨
蘼蕪【びぶ】手に盈ちて斜暉【しゃき】に泣く,聞道らく鄰家夫婿【ふせい】の歸。
別日は南鴻【なんこう】才に北去し,今朝 北雁 又南に飛ぶ。
春來り秋去るも相い思う在り,秋去り春來るも 信に 息うも稀れなり。
扃閉じ朱門は人到らざる,砧聲【ちんせい】何事ぞ羅幃【らい】を透す。
『閨怨』 現代語訳と訳註
(本文)
閨怨
蘼蕪盈手泣斜暉,聞道鄰家夫婿歸。
別日南鴻才北去,今朝北雁又南飛。
春來秋去相思在,秋去春來信息稀。
扃閉朱門人不到,砧聲何事透羅幃。
(下し文)
閨怨
蘼蕪【びぶ】手に盈ちて斜暉【しゃき】に泣く,聞道らく鄰家夫婿【ふせい】の歸。
別日は南鴻【なんこう】才に北去し,今朝 北雁 又南に飛ぶ。
春來り秋去るも相い思う在り,秋去り春來るも 信に 息うも稀れなり。
扃閉じ朱門は人到らざる,砧聲【ちんせい】何事ぞ羅幃【らい】を透す。
(現代語訳)
(今度、夫に遭えたなら、やっぱり自分の方が魅力的な女だと別れたことを後悔するに違いないと思い、願い、希望とすると詠う。)
ある日、漢の古詩にあるように「蘼蕪」を手にいっぱいにとって山を下りると日が西に傾き女は誰にも会わないのです。こちらの女に聞くところによると帰ってこないと思っていた隣の浮気者の夫は帰ってきたというのです。
別れた日は大鳥が北に変える春の日でした。けさ、北に帰っていた雁が、南につがいで飛んでくる。
春に来て秋に去って行く雁には互いのことを思う気持ちがある。秋去るけれど春には來るという書簡に癒されるのは稀の事でいいのです。
貴族の家の南門は閂がされたままで主人は帰ってこない。秋に夫の冬着の準備の砧の音をさせるころ何事もなく薄いとばりを抜けて入ってくるのはその音だけなのです。
(訳注)
閨怨
1. (今度、夫に遭えたなら、やっぱり自分の方が魅力的な女だと別れたことを後悔するに違いないと思い、願い、希望とすると詠う。)
2. 魚玄機の詩は仕事柄、いわゆる「賦得」という詩題を与えられてつくる、あるいはテーマが先に有って、来客の受けを狙っているものである。だから、大人気だったのである。詩の内容が李億とのことで魚玄機があわれになればなるほど人気は高まった。この詩も、実際の出来事と詩の内容から魚玄機の心情を考えるというのは薄知恵である。
3. ・閨怨 ねやのもだえ。女のひとり寢のなやみ、さびしさをかこつうた。おそらく、これまでの詩人の同詩題の話題で作られたものだろう。
蘼蕪盈手泣斜暉,聞道鄰家夫婿歸。
ある日、漢の古詩にあるように「蘼蕪」を手にいっぱいにとって山を下りると日が西に傾き女は誰にも会わないのです。こちらの女に聞くところによると帰ってこないと思っていた隣の浮気者の夫は帰ってきたというのです。
4. ・蘼蕪盈手泣斜暉 ・蘼蕪 おんなかつら。この句は漢の無名氏、古詩、追い出された妻の話に基づいている。古詩 「上山採蘼蕪. 上山採蘼蕪,下山逢故夫。長跪問故夫:新人復何如?新人雖言好,未若故人殊。顏色類相似,手爪不相如。新人從門入,故人從閣去。新人工織縑,故人工織素。織縑一日匹,織素五丈餘。將縑來比素,新人不如故。」
山の上で香草をとり、帰りみち、ふもとで前の夫に出あった。そこで追い出された女が、前の大の前にひざまずいて、「新しい奥さまはどうですか」とひにくったところ、大の答えろのに、なるほど新しい妻はよいのはよいが、やっぱりおまえのガが突入だった。まあ所の美しさは、かりにおっかつだとしても、手の働きはとてもおまえにおJばない。後妻がきたのでおまえを追い出してしまったが、新しい後妻は桐を織るのが上手なぜいたくな女、おまえの方は、木綿を織るのが上手な働き者だったよ。
絹は一日に一匹(四丈)だが、木綿ならば、五丈を超える。はたらきものだった点では、やっぱりおまえほがよかったよ。-と答えたという。
5. ・斜暉 夕方の光線のなかで。
6. ・聞道鄰家夫婿歸 この詩は杜甫の詩に基づく。
杜甫『佳人』
世情惡衰歇,萬事隨轉燭。
夫婿輕薄兒,新人美如玉。
合昏尚知時,鴛鴦不獨宿。
但見新人笑,那聞舊人哭?』
世情【せじょう】衰歇【すいけつ】を悪む、万事【ばんじ】転燭【てんしょく】に随う。
夫婿【ふせい】は軽薄の児、新人【しんじん】美なること玉の如し。
合昏【ごうこん】すら 尚お時を知る、鴛鴦【えんおう】独り宿せず。
但だ見る新人の笑うを、那【なん】ぞ聞かんや旧人の哭するを。』
普通世間の人にたいする情というものは女盛りなら誰でも愛すものだが、歳を重ね衰えてしまった肢体顔色、後ろ盾がなく、頼る背のないものは嫌がられるものであり、わが身づくろいも万事はその場の成り行きのままになってきた。
見栄えと親族兄弟の後ろ盾の無くなった自分に対し婿夫【むこ】はうわきもので、わかくて玉のような美人をあらたにむかえいれた。
「ねむ」の花は、夕方になれば葉と葉がよりあう時刻を知っているものであり、おしどりのつがいは独りでは宿らず必ず並びあってねむる。(かつて私にそうであったように(新人に合歓の葉、おしどりのようにしている。)
ただ、新しい女のおもしろそうに笑うことはできているのはみとめられるが、彼らには元の妻が泣き悲しむ声などを聞く耳などありはしないのだ。(そのうち自分のみに帰ってくることだ)』
佳人 <229-#2>杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1112 杜甫特集700- 335
別日南鴻才北去,今朝北雁又南飛。
別れた日は大鳥が北に変える春の日でした。けさ、北に帰っていた雁が、南につがいで飛んでくる。
7. ・南鴻 鴻は、わたり鳥で、雁の大きなもの。南鴻は、寒くなって南方にきていた雁。帰る時は孤雁でも來るときはつがいになっている。
春來秋去相思在,秋去春來信息稀。
春に来て秋に去って行く雁には互いのことを思う気持ちがある。秋去るけれど春には來るという書簡に癒されるのは稀の事でいいのです。
8. ・漢の蘇武が雁の足につけたてがみを天子が射て得たというはなしがある。また古人は絹に書信をかきそれを鯉魚の形状に結んだという。
扃閉朱門人不到,砧聲何事透羅幃。
貴族の家の南門は閂がされたままで主人は帰ってこない。秋に夫の冬着の準備の砧の音をさせるころ何事もなく薄いとばりを抜けて入ってくるのはその音だけなのです。
9. ・扃 かんぬき。戸じまり用の横木。また出入り口。
10.・朱門 高貴の邸は家の方位が守られ主用の門が南門で朱色で塗ってあったから、血八族または金持ちの意につかう。
11. ・人不到 他人がはいってこない意(ひとり夫を思って浮気もしないでいる心)。また自分がひたすら待ち続けている主人が入って來るもんは開けられない。隣家の夫は高貴な身分かどうかはわからないが、ここでいう夫は、朱塗りの門の夫で女が何人もいてもおかしくない。この時期の富貴のものは金に飽かして何人もいた、それがステータスでおかしいことはなかったのだ。
12. ・砧 きぬた。洗濯した衣桝を木製の台にのせ、木のつちでたたいて、布を閉めのはし縫いやすくする道具。秋になると、冬に備えて、主婦がする夜なべの什事。
謝惠連『擣衣』
衡紀無淹度、晷運倐如催。
白露園滋菊、秋風落庭槐。
肅肅莎雞羽、烈烈寒螿啼。
夕陰結空幕、霄月皓中閨。
美人戒裳服、端飭相招攜。
簪玉出北房、鳴金步南階。
楣高砧響發、楹長杵聲哀。
微芳起兩袖、輕汗染雙題。」
紈素既已成、君子行不歸。
裁用笥中刀、縫為萬里衣。
盈篋自予手、幽緘俟君開。
腰帶准疇昔、不知今是非。」
擣衣 謝惠連 <83-#3>Ⅱ李白に影響を与えた詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1362
杜甫『擣衣』
亦知戍不返,秋至拭清砧。
已近苦寒月,況經長別心。
寧辭擣衣倦,一寄塞垣深。
用盡閨中力,君聽空外音。
搗衣(擣衣) 杜甫 <295> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1352 杜甫詩 700- 415
李白
李白『子夜呉歌其三 秋』
長安一片月、万戸擣衣声。
秋風吹不尽、総是玉関情。
何日平胡虜、良人罷遠征。
《巻五 29李白24 子夜呉歌其三 秋》kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6583