詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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薛濤 《柳絮詠 》
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2017年6月20日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.18 薛濤 《柳絮詠 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ8932
春の盛りに風に吹かれて飛ぶ柳絮に儚い女を重ね年を重ねていくことを詠う。
春も二月になれば柳絮が舞う季節になる、若い女たちは、軽やかに踊り微かな香りを残しますが、年を重ねた女の人は相手をする男がいないのです。それが春風に乗ったならふんわり飛んで男の着物にでもくっつけるのです。そうであっても、相手の男の人に女を愛す気持ちが元々ないので会ったらどうしようもないのです。でも、女として、この路に入った以上は南に飛んでいくこともあるだろうし、また北に飛んでいくことだってあるのです。好いた惚れたといってはいけないのです。
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薛濤詩 《柳絮詠》 |
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柳絮詠
春の盛りに風に吹かれて飛ぶ柳絮に儚い女を重ね年を重ねていくことを詠う。
二月楊花輕復微,春風搖蕩惹人衣。
春も二月になれば柳絮が舞う季節になる、若い女たちは、軽やかに踊り微かな香りを残しますが、年を重ねた女の人は相手をする男がいないのです。それが春風に乗ったならふんわり飛んで男の着物にでもくっつけるのです。
他家本是無情物,一向南飛又北飛。
そうであっても、相手の男の人に女を愛す気持ちが元々ないので会ったらどうしようもないのです。でも、女として、この路に入った以上は南に飛んでいくこともあるだろうし、また北に飛んでいくことだってあるのです。好いた惚れたといってはいけないのです。
柳絮
二月の楊花【ようか】は輕やかに 復た微かに,春風は搖蕩【ようとう】して 人の衣を惹【ひ】く。
他家【たか】は本【もとも】と 是れ無情の物なり,一び向うて 南に飛び 又た 北に飛ぶ。
『柳絮詠』 現代語訳と訳註
(本文)
二月楊花輕復微,春風搖蕩惹人衣。
他家本是無情物,一向南飛又北飛。
(下し文)
(柳絮詠)
二月の楊花【ようか】は輕やかに 復た微かに,春風は搖蕩【ようとう】して 人の衣を惹【ひ】く。
他家【たか】は本【もとも】と 是れ無情の物なり,一び向うて 南に飛び 又た 北に飛ぶ。
(現代語訳)
春の盛りに風に吹かれて飛ぶ柳絮に儚い女を重ね年を重ねていくことを詠う。
春も二月になれば柳絮が舞う季節になる、若い女たちは、軽やかに踊り微かな香りを残しますが、年を重ねた女の人は相手をする男がいないのです。それが春風に乗ったならふんわり飛んで男の着物にでもくっつけるのです。
そうであっても、相手の男の人に女を愛す気持ちが元々ないので会ったらどうしようもないのです。でも、女として、この路に入った以上は南に飛んでいくこともあるだろうし、また北に飛んでいくことだってあるのです。好いた惚れたといってはいけないのです。
(訳注)
柳絮
1.(春の盛りに風に吹かれて飛ぶ柳絮に儚い女を重ね年を重ねていくことを詠う。)
2. ・柳絮 白い綿毛のついた柳の種子。また、それが春に飛び漂うこと。女性の浮気心の喩えをいう。
3. この詩も、薛濤自身のことを詠っているのではない。教養も何もなく、男の接待をさせられ、年をかせねていくと相手にもされない。しかし、行楽の季節でお相手をするお客もいない女を見て詠ったものである。
二月楊花輕復微,春風搖蕩惹人衣。
春も二月になれば柳絮が舞う季節になる、若い女たちは、軽やかに踊り微かな香りを残しますが、年を重ねた女の人は相手をする男がいないのです。それが春風に乗ったならふんわり飛んで男の着物にでもくっつけるのです。
4・二月 陰暦二月は現在の三月から四月初めころ。
5・楊花 柳絮の綿帽子。女性の浮気心の喩え
・輕復微 かろやかには上の方を意味し、微かには中間的な高さを云う。性行為の喩えである。
6・春風 春の生産行動。
7・搖蕩 ゆれ動くこと。ゆり動かすこと。動揺。
8・惹人衣 男に携えられていくこと。
他家本是無情物,一向南飛又北飛。
そうであっても、相手の男の人に女を愛す気持ちが元々ないので会ったらどうしようもないのです。でも、女として、この路に入った以上は南に飛んでいくこともあるだろうし、また北に飛んでいくことだってあるのです。好いた惚れたといってはいけないのです。
9・他家 柳絮がくっついた男と人のこと。
10・本是無情物 もともと感情があるわけではない。好かれてくっついたわけではないことを云う。
11・一向 ひとたび向かうこと。つまり、色町の女となった以上はという意味。
12・南飛又北飛 南に飛び、また北に飛ぶ。男の選り好みはできないということ。
【解説】この詩について、ある本では、軽妙なタッチの詠物詩で、これまた春風に舞う柳絮の軽薄なさまが活写されていて、柳絮を“無情の物”ということにより“有情の人”の春愁がきわ立つと解説されているが、表面的なきれいごとのとらえ方で、これでは、薛濤たちのおんなの苦しみは伝わらない。