詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
48-#2【聯句】 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻
2018年2月19日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
||||
李白詩 |
韓愈詩 |
杜甫詩 |
花間集 |
玉臺新詠 |
古代史女性論 |
48-#2【聯句】 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10216
昔から言う、南方には容姿端麗の美人は少ないというけれど、今、昔から言うように、東鄰のおんなは賢くて美しい、こんな國一番の美人三姉妹がいるのである。
彼女たちは化粧する部屋で、「鸚鵡の賦」を見せ合ったり、窓辺で着物に鳳凰の模様をしたりしているのである。
一面に赤い花の咲いた中庭に出ては、三人で、或は長く、或は短く、花を手折ったり、うまい酒を、杯に次いでは、しまい仲良く、順々に飲んでいるに違いない。
こんな詩を作った彼女たちは、きっと前世では、天上の仙宮で西王母に仕えていた仙女で、それが何かの罪で、下界に謫遷されたもので、男に生まれ変わっていたら、立派な詩人になっても良かったものを女とされたからなかなか受け入れられていない。
|
|
|
魚玄機 全詩 訳注解説 |
||
|
卷804_47 【光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。】魚玄機
光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。
文姬有貌終堪比,西子無言我更慚。
一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。
當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。
小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。
但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。
聯句 光・威・裒
朱樓影直日當午,玉樹陰低月已三【:光。】。
膩粉暗銷銀鏤合,錯刀閒翦泥金衫【:威。】。
繡床怕引烏龍吠,錦字愁教青鳥銜【:裒。】。
百味鍊來憐益母,千花開處鬥宜男【:光。】。
鴛鴦有伴誰能羨,鸚鵡無言我自慚【:威。】。
浪喜游蜂飛撲撲,佯驚孤燕語喃喃【:裒。】。
偏憐愛數蛓蛦掌,每憶光抽玳瑁簪【:光。】。
煙洞幾年悲尚在,星橋一夕帳空含【:威。】。
窗前時節羞虛擲,世上風流笑苦諳【:裒。】。
獨結香綃偷餉送,暗垂檀袖學通參【:光。】。
須知化石心難定,卻是為雲分易甘【:威。】。
看見風光零落盡,弦聲猶逐望江南【:裒。】。
|
||
|
魚玄機 《光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作》 |
|
|
訳注解説 |
|
|
漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10119 |
|
|
光・威・裒、姉妹三人、
(聯句を詠っている姉妹三人、光・威・裒のことである。)
小孤、而始姸乃有是作。
光・威・裏の三人の姉妹は、幼い時に父をうしない、年ごろになると、こんな詩を作っている。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。
まことにりっぱな作品で、これに匹敵するような作品は、見出せないようなりっぱなものである。昔、晋の謝安の家で集まりがあったときに、たまたま降ってきた雪に封して、娘の道韞がそれを詩に詠んで、風にふかれて飛んでいる柳のわたのようだといい、いまだに語り草としてもてはやされているが、それさえもこの作以上とは思われない。
有客自京師来者示予。因次其韻。
都の長安からやってきた旅の人が、こちらにきて、わたくしに見せてくれた。感心のあまり、次韻して、この詩を作ってみた。
(光・威・哀三姉妹は、小くして孤、而も始めて姸、乃ち是の作あり。精醉儔し難し。謝家の聯雪と雖も、何を以てか之に加へん。客の京師より來る者あり、予に示す。困って其の韻に次す。)
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
昔から言う、南方には容姿端麗の美人は少ないというけれど、今、昔から言うように、東鄰のおんなは賢くて美しい、こんな國一番の美人三姉妹がいるのである。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
彼女たちは化粧する部屋で、「鸚鵡の賦」を見せ合ったり、窓辺で着物に鳳凰の模様をしたりしているのである。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
一面に赤い花の咲いた中庭に出ては、三人で、或は長く、或は短く、花を手折ったり、うまい酒を、杯に次いでは、しまい仲良く、順々に飲んでいるに違いない。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。
こんな詩を作った彼女たちは、きっと前世では、天上の仙宮で西王母に仕えていた仙女で、それが何かの罪で、下界に謫遷されたもので、男に生まれ変わっていたら、立派な詩人になっても良かったものを女とされたからなかなか受け入れられていない。
昔聞く南国には 容華 少なりと、今日東隣に 姉妹三たりあり。
妝閣相看る 鸚鵡の賦、碧窗応に繍すべし 鳳凰の衫。
紅芳 院に滞つれば 参差として折り、綠醑 杯に盈つれば 次第に銜む。
恐らくは 瑤池に向って曾つて女となり、謫せられて塵世に来って 未だ男と爲らざりしならん。
但だ能く 雨と為る 心は 長へに在り、怕れず 簫を吹く 事 未だ諳んぜざるを。
阿母 幾たびか 花下に語るを 嗔り、潘郎 曾て 夢中に向って 参ず。
暫時の清句にも、魂 猶は断ゆ、若し 紅顔を睹なは 死もまた甘んぜん。
悵望す 佳人 何れの處にか 在る、行雲は 北に歸り 叉 南に歸る。
『光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。』 現代語訳と訳註
(本文)
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。
(下し文)
昔聞く南国には 容華 少なりと、今日東隣に 姉妹三たりあり。
妝閣相看る 鸚鵡の賦、碧窗応に繍すべし 鳳凰の衫。
紅芳 院に滞つれば 参差として折り、綠醑 杯に盈つれば 次第に銜む。
恐らくは 瑤池に向って曾つて女となり、謫せられて塵世に来って 未だ男と爲らざりしならん。
(現代語訳)
昔から言う、南方には容姿端麗の美人は少ないというけれど、今、昔から言うように、東鄰のおんなは賢くて美しい、こんな國一番の美人三姉妹がいるのである。
彼女たちは化粧する部屋で、「鸚鵡の賦」を見せ合ったり、窓辺で着物に鳳凰の模様をしたりしているのである。
一面に赤い花の咲いた中庭に出ては、三人で、或は長く、或は短く、花を手折ったり、うまい酒を、杯に次いでは、しまい仲良く、順々に飲んでいるに違いない。
こんな詩を作った彼女たちは、きっと前世では、天上の仙宮で西王母に仕えていた仙女で、それが何かの罪で、下界に謫遷されたもので、男に生まれ変わっていたら、立派な詩人になっても良かったものを女とされたからなかなか受け入れられていない。
(訳注)
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
昔から言う、南方には容姿端麗の美人は少ないというけれど、今、昔から言うように、東鄰のおんなは賢くて美しい、こんな國一番の美人三姉妹がいるのである。
8. 容華 容姿端麗であるということ。
9. 東鄰 東鄰女:国一番の美女が隣に住んいる。
李白《詠鄰女東窗海石榴》「魯女東窗下,海榴世所稀。珊瑚映綠水,未足比光輝。清香隨風發,落日好鳥歸。願為東南枝,低舉拂羅衣。無由共攀折,引領望金扉。」(鄰女東窗の海石榴を詠ず)魯女 東窗の下,海榴 世の稀なる所。珊瑚 綠水に映じ,未だ光輝を比する足らず。清香 風に隨って發し,落日 好鳥歸る。願わくば 東南の枝と為り,低く舉って 羅衣を拂わん。共に攀折する由無く,領を引いて 金扉を望む。
(国一番の美女が隣に住んでいて、その窓下の椿の花を見て詠う。)隣の家にいる魯女の住む部屋の東窓のもとに植えたツバキの花は世にもまれなものである。サンゴが東海の緑水に映えるも、いまだその花の光輝ある姿に比しがたいというものである。そして、この花の清香は、したがって発し、夕日が沈むころには、珍しい小鳥がその花に宿せんがために帰ってくる。我、願わくば、その木の東南の枝となり、低く挙がって、魯女が木のほとりに来た時には、おもむろに羅衣を払いたいと思うのである。何はともあれ、隣家ではあるものの、余人して、その枝を攀折することもできず、ただ首をのばして、その東隣の女の住んでいる部屋の金色の門扉を望むのみである。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
彼女たちは化粧する部屋で、「鸚鵡の賦」を見せ合ったり、窓辺で着物に鳳凰の模様をしたりしているのである。
10. 鸚鵡賦 「黄射(黄祖の長子)が鸚鵡州の地で宴会を催した際、鸚鵡を献上する者があり、それにちなんで禰衡が『鸚鵡賦』(『文選』巻13に所収)を作ったため、この名が付いた。
11. 碧窗 東側の窓、青緑に塗った牖。
12. 繡鳳凰衫 単衣の袖なしに、鳳凰の刺繍をする。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
一面に赤い花の咲いた中庭に出ては、三人で、或は長く、或は短く、花を手折ったり、うまい酒を、杯に次いでは、しまい仲良く、順々に飲んでいるに違いない。
13. 紅芳 赤い花の咲いている。
14. 滿院 中庭。
15. 參差 花が長短、高低とそろっていない。
16. 綠醑 うまい酒。瀼東情け。
17. 次第 順々にすすめる。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。
こんな詩を作った彼女たちは、きっと前世では、天上の仙宮で西王母に仕えていた仙女で、それが何かの罪で、下界に謫遷されたもので、男に生まれ変わっていたら、立派な詩人になっても良かったものを女とされたからなかなか受け入れられていない。
18. 瑤池 崑崙山にある池の名。西王母(せいおうぼ)が住んでいるところ。西王母とは、女の仙人で崑崙山に住んで不死の薬を持っている。
19. 謫來 罪によって遠地に流されること。
20. 塵世 人間の棲む俗世界のこと。