詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
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八、2.87 薛濤 《贈蘇十三中丞 》
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2017年11月14日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
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10年のBLOGの集大成 |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
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八、2.87 薛濤 《贈蘇十三中丞 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9480
(蘇辯十三中丞さまにこの詩を贈ります。)
後漢の時代に、地方官の心のゆるみをひきしめるために派遣されました張嗣が、「中央の執政者がよくない行為をしているのにくらぶれば、地方の小官の乱れなどは些細なことである。むしろ問題は中央の宰相の行為にあるんだ」といって、地方出張のためにあたえられた車を、都の郊外で埋めて、出かけなかったというような気概のあるものでしたが、あなたさまは、御史臺の長官できっとそのようなお方だと思っております。またたとえたならば、秋峯を高く飛んでいるはやぶさのように、役所に巣食う悪者どもを射落としてもらいたいものです。
天子さまの新しい印肉の勅命で悪い者どもを成敗されるという、どうかわるい人の恐れるようなきびしいご態度で、あらゆる方面におのぞまれることと、心からご期待申しあげております。
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薛濤詩 |
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79. 上王尚書
碧玉雙幢白玉郎,初辭天帝下扶桑。
手持云篆題新榜,十萬人家春日長。
80. 段相國游武擔寺病不能從題寄
消瘦翻堪見令公,落花無那恨東風。
儂心猶道青春在,羞看飛蓬石鏡中。
81. 贈段校書
公子翩翩說校書,玉弓金勒紫綃裾。
玄成莫便驕名譽,文采風流定不知。
82. 題武擔寺西臺
秋天如鏡空,樓閣盡玲瓏。
水暗餘霞外,山明落照中。
鳥行看漸遠,松韻聽難窮。
今日登臨意,多歡語笑同。
83. 和段相公登武擔寺西臺
開閣錦城中,餘閑訪梵宮。
九層連晝景,萬象寫秋空。
天半將身到,江長與海通。
提攜出塵土,曾是穆清風。
84. 酬文使君
延英曉拜漢恩新,五馬騰驤九陌塵。
今日謝庭飛白雪,巴歌不復舊陽春。
85. 酬李校書
才游象外身雖遠,學茂區中事易聞。
自顧漳濱多病後,空瞻逸翮舞青云。
86. 酬雍秀才貽巴峽圖
千疊云峰萬頃湖,白波分去繞荊吳。
感君識我枕流意,重示瞿塘峽口圖。
87. 贈蘇十三中丞
洛陽陌上埋輪氣,欲逐秋空擊隼飛。
今日芝泥檢征詔,別須台外振霜威。
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薛濤 87 《贈蘇十三中丞》 |
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訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9480 |
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84
酬李校書
(李校書さまから贈られた詩にお返しの詩を作りました。)
才游象外身雖遠,學茂區中事易聞。
すはらしい才をおもちで、現象の世界を越えて、高遠な道の世界にまで達していらっしゃるし、人柄も、それにふさわしく高尚なお方なのです。しかも学問の点においては、幕府・役所でもひときわぬきんでているといううわさは、誰の耳にもよくはいっているのです。
自顧漳濱多病後,空瞻逸翮舞青云。
さて、あなたさまもご自分のこと振り返ってみて、賓客を支えるには、これからはいろんな病気が心配でなりません、あの青室の雲の上を群をぬいて飛んでいる鳥を仰ぎ見るように、ご出世になったあなたさまを仰ぎみることでございましょう。
李校書に酬ゆ
才は象外に游び 身は雖【こ】れ遠く,學は區中に茂【ひい】いで 事 聞し易し。
自ら顧うに 漳濱【しょうひん】多病の後,空しく逸翮【いつかく】青云に舞うを瞻ん。
酬雍秀才貽巴峽圖
(雍秀才がのこしている巴峡の絵図を見せてもらったことへお返しの詩。)
千疊云峰萬頃湖,白波分去繞荊吳。
かぞえきれない雲をつくような高い山々はすばらしい、こんなにも広い湖、洞庭湖。白い波をたててながれる長江は、それらの山々の間をぬい、湖の水をふくらませながら、はるか東の方、荊呉の地方へと、めぐりめぐって流れくだっています。
感君識我枕流意,重示瞿塘峽口圖。
雄大なその姿を写した絵図は、俗界を離れて、石を枕に自然のふところにはいりたいと願っていることを、ご理解され、続いて瞿塘峡の入口の風景をえがいた絵図をみせくださったご厚意には、心うたれるのです。
(雍秀才の巴峽の圖を貽【のこ】せしに酬る)
千疊 云峰 萬頃【ばんけい】の湖,白波 分去して荊吳を繞る。
君 我が枕流【ちんりゅう】の意を識すを感じ,重ねて示す 瞿塘峽 口の圖を。
87
贈蘇十三中丞
(蘇辯十三中丞さまにこの詩を贈ります。)
洛陽陌上埋輪氣,欲逐秋空擊隼飛。
後漢の時代に、地方官の心のゆるみをひきしめるために派遣されました張嗣が、「中央の執政者がよくない行為をしているのにくらぶれば、地方の小官の乱れなどは些細なことである。むしろ問題は中央の宰相の行為にあるんだ」といって、地方出張のためにあたえられた車を、都の郊外で埋めて、出かけなかったというような気概のあるものでしたが、あなたさまは、御史臺の長官できっとそのようなお方だと思っております。またたとえたならば、秋峯を高く飛んでいるはやぶさのように、役所に巣食う悪者どもを射落としてもらいたいものです。
今日芝泥檢征詔,別須台外振霜威。
天子さまの新しい印肉の勅命で悪い者どもを成敗されるという、どうかわるい人の恐れるようなきびしいご態度で、あらゆる方面におのぞまれることと、心からご期待申しあげております。
(蘇十三中丞に贈る)
洛陽 陌上【はくじょう】 埋輪【まいりん】の氣,秋空を逐うて隼の飛ぶを擊たんと欲す。
今日 芝泥【しでい】 征詔【せいしょう】に檢し,別に台外に霜威【そうい】を振わんことを須【ま】つのみ。
『贈蘇十三中丞』 現代語訳と訳註
(本文)
贈蘇十三中丞
洛陽陌上埋輪氣,欲逐秋空擊隼飛。
今日芝泥檢征詔,別須台外振霜威。
(下し文)
(蘇十三中丞に贈る)
洛陽 陌上【はくじょう】 埋輪【まいりん】の氣,秋空を逐うて隼の飛ぶを擊たんと欲す。
今日 芝泥【しでい】 征詔【せいしょう】に檢し,別に台外に霜威【そうい】を振わんことを須【ま】つのみ。
(現代語訳)
(蘇辯十三中丞さまにこの詩を贈ります。)
後漢の時代に、地方官の心のゆるみをひきしめるために派遣されました張嗣が、「中央の執政者がよくない行為をしているのにくらぶれば、地方の小官の乱れなどは些細なことである。むしろ問題は中央の宰相の行為にあるんだ」といって、地方出張のためにあたえられた車を、都の郊外で埋めて、出かけなかったというような気概のあるものでしたが、あなたさまは、御史臺の長官できっとそのようなお方だと思っております。またたとえたならば、秋峯を高く飛んでいるはやぶさのように、役所に巣食う悪者どもを射落としてもらいたいものです。
天子さまの新しい印肉の勅命で悪い者どもを成敗されるという、どうかわるい人の恐れるようなきびしいご態度で、あらゆる方面におのぞまれることと、心からご期待申しあげております。
(訳注)
贈蘇十三中丞
1. (蘇辯十三中丞さまにこの詩を贈ります。)
2. ・蘇十三中丞 蘇は姓。名は弁。十三は排行。同一血族中の男の順位。三十とした本もある。名をいうかわりに、この排行の順で、人をよぶ場合が多い。中丞は官名。官吏の弾劾や法律の施行をつかさどる御史台の長官。蘇十三中丞は、蘇世長の徒孫、蘇辯とおもわれる。蘇辯は、あざなを元容といい、京兆武功の人。進士に及第して奉天(駅西省乾陽)の主簿をしていたときに、朱泚の亂があり、(徳宗の建中四年)、徳宗が奉天に蒙塵したとき、よく部下をひきいて奉仕したので、乱が平らぐと、功によって大理司直に任ぜられ、司法関係の事務についていたが、やがて監察御史に抜擢された。中丞は御吏臺の長官をいう。この詩はこのときの就任をききつけ、おくったものである。
洛陽陌上埋輪氣,欲逐秋空擊隼飛。
後漢の時代に、地方官の心のゆるみをひきしめるために派遣されました張嗣が、「中央の執政者がよくない行為をしているのにくらぶれば、地方の小官の乱れなどは些細なことである。むしろ問題は中央の宰相の行為にあるんだ」といって、地方出張のためにあたえられた車を、都の郊外で埋めて、出かけなかったというような気概のあるものでしたが、あなたさまは、御史臺の長官できっとそのようなお方だと思っております。またたとえたならば、秋峯を高く飛んでいるはやぶさのように、役所に巣食う悪者どもを射落としてもらいたいものです。
3. ・洛陽 後漢の首都。長安の西都にたいし、東都、東京と呼ばれた。
4. ・陌上 陌は道路。
5. ・埋輪気 順帝(115-144)は後漢の第8代皇帝。 概要[編集]. 安帝の末年から権勢を振るっていた外戚の閻氏や側近の宦官の讒言により一時廃嫡されたが、それを憎んだ宦官の孫程のクーデターにより閻氏らが打倒されたため、皇帝となった。梁商は専横を振るうことも無く、宦官と融和を図り朝政を運営した。しかし、その子梁冀を世襲させたことで、梁冀が宰相として権勢をほしいままにして、勝手なふるまいした。順帝は八人の特別使を各地方へ派遣して、風俗の乱れを正させようとしたところ、七人の署はそれぞれ出発したが、ひとり張嗣だけは、郊外に出ると、その乗車を破棄、埋めて云った。「射狼、国に当る。安くんぞ狐狸を問はん」大悪人が中央で政治を乱している時に、地方の小役人や小悪者をただしてみたところで、何になる?」といったという故事。
今日芝泥檢征詔,別須台外振霜威。
天子さまの新しい印肉の勅命で悪い者どもを成敗されるという、どうかわるい人の恐れるようなきびしいご態度で、あらゆる方面にのぞまれることと、心からご期待申しあげております。
6. ・芝泥 印肉のこと。
7.・徴詔 天子より車夫官署へのお召のみことのり。したがってこの時、蘇弁は成都にいたと思われる。
8. ・檢 ふういんすること。
9. ・台外 御史台のほかに。
10. ・霜威 きびしい威力。