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中国文学 李白・杜甫・韓愈・李商隠と女性詩 研究

詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。

九、007卷804_7 《賣殘牡丹②》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9676

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九、007卷804_7 《賣殘牡丹②》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9676

九、007卷804_7 《賣殘牡丹②》 魚玄機

 

 

20171213

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 九、007卷804_7 《賣殘牡丹②》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9676

(牡丹のように咲き誇っていた私は、芸妓として評判を高め、詩文も評価を得ていた。其のボタンも売れ残ればそのうち、凋み落ちてしまうというのが女の「さだめ」であろうが、私自身は、九重の奥か、上林苑に植え替えられることこそふさわしいというものと詠う。)

春の突風が牡丹の花に吹き付ける、盛春のころには咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春から、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。

私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れない。

この私の才力、魅力は九重の奥深い所に大切にしされて濾すふさわしいし、孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。

若しあんな程度のところでなくて、上林苑のような高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来て、貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はないというもの。

 

 

 

 

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魚玄機《賣殘牡丹》

 

 

訳注解説

 

 

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804_7 【賣殘牡丹】魚玄機

 
賣殘牡丹
(牡丹のように咲き誇っていた私は、芸妓として評判を高め、詩文も評価を得ていた。其のボタンも売れ残ればそのうち、凋み落ちてしまうというのが女の「さだめ」であろうが、私自身は、九重の奥か、上林苑に植え替えられることこそふさわしいというものと詠う。)

臨風興嘆落花頻,芳意潛消又一春。
春の突風が牡丹の花に吹き付ける晩秋の季節には咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。
應為價高人不問,卻緣香甚蝶難親。
私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れない。

紅英只稱生宮裏,翠葉那堪染路塵。
この私の性的な魅力は九重の奥深い所に大切にしている。孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。
及至移根上林苑,王孫方恨買無因。
若しあんな程度のところでなくて、上林苑のような高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来て、貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はないというもの。

(賣残の牡丹)
風に臨んで落花の頻なるを興嘆し、芳意又一春潜に消ゆ。
應に價高きが為に人 問はざるなるべし、却て香甚だしきに練って 蝶 親しみ難し。
紅英只稱ふ 宮裏に生まるるに、翠葉那んぞ堪えん 路塵に染まるに。
根を上林苑に移すに至るに及んで、王孫方に恨まん 買ふに困なきを。



『賣殘牡丹』 現代語訳と訳註
(本文)
臨風興嘆落花頻,芳意潛消又一春。
應為價高人不問,卻緣香甚蝶難親。
紅英只稱生宮裏,翠葉那堪染路塵。
及至移根上林苑,王孫方恨買無因。


(下し文)
賣残の牡丹
風に臨んで落花の頻なるを興嘆し、芳意又一春潜に消ゆ。
應に價高きが為に人 問はざるなるべし、却て香甚だしきに練って 蝶 親しみ難し。
紅英只稱ふ 宮裏に生まるるに、翠葉那んぞ堪えん 路塵に染まるに。
根を上林苑に移すに至るに及んで、王孫方に恨まん 買ふに困なきを。


(現代語訳)
(牡丹のように咲き誇っていた私は、芸妓として評判を高め、詩文も評価を得ていた。其のボタンも売れ残ればそのうち、凋み落ちてしまうというのが女の「さだめ」であろうが、私自身は、九重の奥か、上林苑に植え替えられることこそふさわしいというものと詠う。)

春の突風が牡丹の花に吹き付ける、盛春のころには咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春から、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。

私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れない。

この私の才力、魅力は九重の奥深い所に大切にしされて濾すふさわしいし、孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。

若しあんな程度のところでなくて、上林苑のような高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来て、貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はないというもの。

 

(訳注)
賣殘牡丹
1.
 (牡丹のように咲き誇っていた私は、芸妓として評判を高め、詩文も評価を得ていた。其のボタンも売れ残ればそのうち、凋み落ちてしまうというのが女の「さだめ」であろうが、私自身は、九重の奥か、上林苑に植え替えられることこそふさわしいというものと詠う。)

2. 【解説】 この詩は、作者が、李億に捨てられて長安に歸り、咸宜観にはいってから綠翹を殺すにいたるまでの間の作と思われる。牡丹に自己を喩えたもので、この時代、いずれの時期には棄てられるのは覚悟の上の事なので、自分の気持ちを率直に述べるというのは中国の歴史の中で目を見張らせるものがある。この詩を以て憐れと感じて解釈するのは間違いである。芸妓のプライドは愛より、金であるということだ。詩には嘆くとか憾むとか入っているが棄てられた女というより強く生き行く抜くことを感じる。この時代にしたたかに生きていくたくましい女性である。


臨風興嘆落花頻,芳意潛消又一春。
春の突風が牡丹の花に吹き付ける、盛春のころには咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春から、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。
3. ・興嘆 興は心の動くこと。嘆はなげく。
4. ・落花(らくか)
5. ・芳意(ほうい) 花の、花としての誇らしい心。
6. ・一春 春は早春、盛春、晩春の三春であり、その内の一春、盛春、そしてまた、晩春と過ぎていくというほどの意味である。


應為價高人不問,卻緣香甚蝶難親。
私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れない。
7. ・香(こう) かおり。におい。よい詩も作れるほどの教養をさす。魚玄機にこの詩人としての矜持があるから長安に戻ってきたのである。
8. ・蝶(ちょう) 男性をさす。

 

紅英只稱生宮裏,翠葉那堪染路塵。
この私の才力、魅力は九重の奥深い所に大切にしされて濾すふさわしいし、孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。
9. ・紅英 英は花びら。花。女性の局所を指す
10. ・翠葉(すいよう) 緑の葉。男性精気を示す。


及至移根上林苑,王孫方恨買無因。
若しあんな程度のところでなくて、上林苑のような高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来て、貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はないというもの。
11. ・上林苑 「史記」の「始皇紀」に、「朝官を沼南の上林苑中につくり、まづ前殿阿房をつくる」とある。それ以来、天子の御苑を一般に上林苑という。
12.
 ・王孫(おうそん) 貴人の子弟。貴公子。「史記」の推陰侯伝に、「吾、王孫を哀んで食を進む」とある。「楚辞・招隠士」 「王孫遊兮不帰、春草生兮萋萋」(王孫遊びて帰らず、春草生じて萋萋たり)・・王孫 楊 王孫(よう おうそん、生没年不詳)は、前漢の武帝の時代の人。自らを裸葬にさせた。 黄老の術を学び、家は千金を生む仕事を行っていた。
謝靈運『登池上樓』「池塘生春草,園柳變鳴禽。」
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  詩集 395 kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1002
謝霊運『悲哉行』
萋萋春草生,王孫遊有情,差池鷰始飛,夭裊桃始榮,
灼灼桃悅色,飛飛燕弄聲,檐上雲結陰,澗下風吹清,
幽樹雖改觀,終始在初生。
悲哉行 謝霊運(康楽) 詩<76-#1李白に影響を与えた詩502 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1323
13.
 ・買無因 もはや買う方法がない。多くの詩人が詠う語である。

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プロフィール

HN:
漢文委員会 紀 頌之(きのあきゆき))
年齢:
78
性別:
男性
誕生日:
1946/09/10
職業:
文学者
趣味:
中国文学
自己紹介:
漢詩から唐・宋詩まで基本となる詩人・詩集を各全詩訳注解説してゆく、その中で、これまで他ブログに、掲載した女性の詩を、手を加えて、整理して掲載してゆく。
これまで日本では紹介されていないもの、誤訳の多かった詩などを、時代の背景、出自、その他関連するものなどから正しい解釈を進めてゆく。
毎日、20000文字掲載しているので、また、大病後で、ブログコミュニケーションが直ちに取ることができないけれど、精一杯努力してお返事いたします。

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