詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
九、集-09【字解集】 41.寄子安 42.送別 43.迎李近仁員外 44.送別 45.左名場自澤州至京,使人傳語 46.和人次韻 47.折楊柳
2018年2月15日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
||||
李白詩 |
韓愈詩 |
杜甫詩 |
花間集 |
玉臺新詠 |
古代史女性論 |
|
|||||
2018年2月15日 |
の紀頌之"6"つの校注Blog |
||||
10年のBLOGの集大成 |
|
||||
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 |
|||||
Ⅰ李白詩(李白集校注) LiveDoor |
747-0ⅲ【字解集】9.採蓮曲 10.-14.越女詞五首漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之の李白詩訳注解説Blog10100 |
||||
Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注 LiveDoor |
|||||
Ⅲ 杜詩詳注 LiveDoor |
767年-214 耳聾(卷二○(四)一七八四)注(1232)生年鶡冠子 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10074 |
||||
Ⅳブログ詩集漢・唐・宋詞 fc2Blog |
花間集 訳注解説 (373)回目顧敻巻七32臨江仙三首其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10103 (02/15) |
||||
Ⅴ.唐五代詞詩・女性・玉臺新詠 Livedoor |
巻三-38-#1 雜詩五首其四代靑靑河畔草〔劉 鑠〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 10083 |
||||
Ⅵ唐代女性論ブログ唐代女性論 |
|||||
九、集-09【字解集】 41.寄子安 42.送別 43.迎李近仁員外 44.送別 45.左名場自澤州至京,使人傳語 46.和人次韻 47.折楊柳 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ10098 –A
|
|
|
魚玄機 全詩 訳注解説 |
||
|
卷804_41 寄子安
醉別千卮不浣愁,離腸百結解無由。
蕙蘭銷歇歸春圃,楊柳東西絆客舟。
聚散已悲雲不定,恩情須學水長流。
有花時節知難遇,未肯厭厭醉玉樓。
卷804_42 送別
秦樓幾夜愜心期,不料仙郎有別離。
睡覺莫言雲去處,殘燈一盞野蛾飛。
卷804_43 迎李近仁員外
今日喜時聞喜鵲,昨宵燈下拜燈花。
焚香出戶迎潘嶽,不羨牽牛織女家。
卷804_44 送別
水柔逐器知難定,雲出無心肯再歸。
惆悵春風楚江暮,鴛鴦一隻失群飛。
卷804_45 左名場自澤州至京,使人傳語
閑居作賦幾年愁,王屋山前是舊遊。
詩詠東西千嶂亂,馬隨南北一泉流。
曾陪雨夜同歡席,別後花時獨上樓。
忽喜扣門傳語至,為憐鄰巷小房幽。
相如琴罷朱弦斷,雙燕巢分白露秋。
莫倦蓬門時一訪,每春忙在曲江頭。
卷804_46 和人次韻
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
卷804_47 折楊柳
朝朝送別泣花鈿,折盡春風楊柳煙。
願得西山無樹木,免教人作淚懸懸。
【字解集】 41.寄子安
寄子安
1. (李億を怨んで、寄せる)
2. ・この詩は別れる以上元の女郎、花街に還すことはやめてくれと夫に訴えている。この時代の常識としても高級官僚の第二夫人として迎えられた女性が娼屋にすぐ戻るとなればそれは男の恥というものである。「別れてもいいからこの問題を放置したままにするな」といっているのである。この詩の「蕙蘭銷歇歸春圃,楊柳東西絆客舟。」は名句とされている。ただでさえ難しくて、男性詩人でも少ない七言句でありながら、魚玄機は七言律詩が多い。ここに、女性詩人を越えたい魚玄機の矜持があるのである。
3. ・子安 夫の李億。この子安を使う段階では別れることを云われていたのではない時期で、思わせぶりな(魚玄機は度々「含情」という表現をしている。)面を持っていた男のようだ。
醉別千卮不浣愁,離腸百結解無由。
酔ってそして別れました。それ以来、お酒を何杯飲んでも心を晴れやかにすることが出来ません。あなたとの夜のいとなみから別れた今も何度も結ばれたいと思います。しかしそれも許されないことなのでしょう。
4. ・千卮 卮はさかずき。いくたび杯を重ねること。
5. ・浣 水で洗う。ここは消す意味だが、暗いじめじめした感じではなく、明るくさばさばした感じに使う。
6. ・離腸 腸は性交を示す語でセックスをしないことを含めて別れることを云う。別れても好きな人ではないことを示す。
蕙蘭銷歇歸春圃,楊柳東西絆客舟。
香りのよい蘭の花も色あせ香しい香りも消え失せて春圃の街に帰るのです、ここには柳が植えられた岸辺、男と女、楊と柳とが東と西にわかれるあなたの舟をつないでいます。
7. ・蕙蘭 かおりぐさ。一種の香草。魚玄機の字名。
8. ・銷歇 銷はきえること。歇はなくなること。
9. ・春圃 圃はその、はたけ。商業をうえるところ。花街娼屋のこと。
10. ・楊柳 やなぎ。楊は男性をしめし、柳は女性を示すもの。男女が東西に別れること、別れに楊柳の枝を折って贈る風習がある。
11. ・客舟(かくしゅう) 旅人をのせる舟。「このまま離れることは恥ですよ」ということ。
人は離合集散であり、前々からそうなることはあなたの優柔不断なところでわかっておりました。しかし、あなたのこれまでの恩情については感謝し、人生長い水の流れの中のことと学びました。
12. ・聚散 離合集散。
13. ・已悲 前々からそうなることはあなたの優柔不断なところでわかっていたということ。
有花時節知難遇,未肯厭厭醉玉樓。
私もまだ、今まだ花が咲いている季節なのですが、あなたとはもうお会いできないことわかっております。ただ、これから厭で厭で仕方がないことはあの玉楼で酔わなければならないことです。(道観に隠遁させてくれという願いをこめている。)
14. (結果隠遁するのである。日本の出家とは違って俗世界と完全に立つわけではなく普通に生活をする。)
【字解集】 42.送別
送別
1. (赴任地に向かうひとと別れ、おくる詩。)
2. この詩は特定の人と別れることを意味しておらず、別れの酒宴において吟じられるためのものである。この詩が評判になり、詩箋などで売れることが、魚玄機の物心両面に大きく影響するものであった。
水柔逐器知難定,雲出無心肯再歸。
酔いが進み酒を注がれてもなかなか盃に収まらないようにあなたのこころに私が定まりませんか。男の人は旅に出て行くと残したものへの心はなくなってしまうというものですが、それでもいいから必ず帰ってきてください。
3. ・水柔逐器 よってふらふらする盃にお酒が柔らかいので継ぐことが出来ないさまを云う。杯は男の心を云い、女のことを思っていてくれないことをあらわしている。
4. ・雲出無心 雲は男の浮気心を云い別れて残してゆく女を思う心がなくなっていくという意味である。
惆悵春風楚江暮,鴛鴦一只失群飛。
この別れの憂え悲しむことは春情にかける春風にのって江南地方の春の暮までつづくでしょう。長安では二人は鴛鴦のようにすごしました。あなたは群れを離れた飛び立つ鳥のようですが、私も一人で待っております。
5. ・憫帳 憂え悲しむこと。温庭筠『更漏子 一』「惆悵謝家池閣」 謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」送姪良携二妓赴会稽戯有此贈 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -287
池閣は、謝霊運の「池塘生春草」謝霊運の「池塘生春草」にかけて、池堀に春草の生ずるようになったという春情にかける意がある。
6. ・楚江暮 長安に春が来たばかりであっても江南で春が終わろうとする頃まで憂えていますという意味。楚の国は美人の多い所で女性関係の心配もあるということ。当時の楚という範囲は浙江省杭州・会稽から江蘇省・安徽省あたりであろう。
《楚江懷古》 作者:馬戴
露氣寒光集,微陽下楚丘。
猿啼洞庭樹,人在木蘭舟。
廣澤生明月,蒼山夾亂流。
雲中君不見,竟夕自悲秋。
1、木蘭舟:此因楚江而用《楚辭》中的木蘭舟。木蘭:小喬木。
2、雲中君:本《楚辭九歌》篇名,為祭祀雲神之作,此也因楚江而想到《九歌》。
馬戴. (775-?),字虞臣,今陝西華縣人,一說河北人或江蘇人。屢試不第,直到武宗會昌四年才中進士。宣宗大中初年在太原幕中掌書記,因直言得罪,被貶為龍陽(今湖南漢壽)尉,後官太常博士。詩風與賈島相近,嚴羽認為其律詩成就在晚唐諸人之上。
【字解集】 43.迎李近仁員外
迎李近仁員外
1. (李近仁員外さまを迎える。)
2. この詩も客に対してそのお誘いの詩である。技巧を用いて作っており、貰った相手も嬉しい気持ちになることであったろう。
3. ・員外(いんがい) 唐代に始まった名目だけの官吏で、権力者にとり入って賄賂によって得たものが多い。富貴のものが金によってその地位を得ていたものが多い職責であった。李近仁についてもその中の一人で、官の管轄の娼屋に來るお客の一人であったのだ。
4. ・妓女(ぎじょ)は、中国における遊女もしくは芸妓のこと。娼妓、娼女という呼称もある。歌や舞、数々の技芸で人々を喜ばせ、時には宴席の接待を取り持つこともあった。娼婦を指すこともある。また、道教の寺観にも娼婦に近い巫女がいた。この時代において、女性が男性と対等にできる唯一の場所であった。
もともとは国家による強制的な徴発と戦時獲得奴隷が主な供給源だったと考えられるが、罪人の一族を籍没(身分を落とし、官の所有とする制度)する方法が加わった。また、民間では人身売買による供給が一般的であった。(1.宮妓 2.家妓 3.営妓、4.官妓、5.民妓、6.道妓
魚玄機は小さいころにあずけられた4官妓であった。
中央政府の道教観や州府の管轄に置かれた。実際は、妓楼や酒楼は個別に運営されており、唐代・長安の北里、明代・南京の旧院は、その代表的な色町である。唐代の天宝年間以降に彼女らを題材にして、多くの士大夫が詩文にうたい、妓女となじんだという記録が盛んになる。唐代はその活動は最大なものであった。
唐代女流詩人の魚玄機、明代の陳円円、李香君、柳如是が有名。
今日喜時聞喜鵲,昨宵燈下拜燈花。
今朝の良い時刻に、喜鵲の聲を開きました。ゆうべも、燈芯に花がさいてよい前兆があり、そのともし火に拝したのです。
5. ・喜時 鵲が朝鳴くとその日よい事があるという俗信があった。朝をいう。
6. ・喜鵲 鵲はかささぎの一種。杜甫も『畫鶻行』詩に、「烏鵲滿樛枝,軒然恐其出」(烏鵲樛枝に満つ 軒然として其の出でんことを恐る)と詠っている。魚玄機『暮春即事』で「鵠語」かさきざのなく声。朝、かさきざが騒がしく鳴くとその日よいことがある吉兆であるといわれる。道観の名前にも使われる。
暮春即事
深巷窮門少侶儔,阮郎唯有夢中留。
香飄羅綺誰家席,風送歌聲何處樓。
街近鼓鼙喧曉睡,庭閑鵲語亂春愁。
安能追逐人間事,萬裏身同不系舟。
7. ・昨宵 昨夜。
8. ・燈火(とうか) 燈心の余感がむすんで花の形となるとこれを燈花といい、これもよいことのある前兆として拝んだ風習がある。漢代にはこの燈花を占うようなことも行なわれた。
焚香出戶迎潘嶽,不羨牽牛織女家。
そして、部屋に香を焚いて、今の潘岳であるあなたさまをおむかえするのです。こんなわけでこの家にお迎えできるのでわたしは牽牛星と織女星をうらやむことはないのです。
9. ・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。
魚玄機『和新及第悼亡詩二首 其一』
仙籍人間不久留,片時已過十經秋。
鴛鴦帳下香猶暖,鸚鵡籠中語未休。
朝露綴花如臉恨,晚風欹柳似眉愁。
彩雲一去無消息,潘嶽多情欲白頭。
和新及第悼亡詩二首 其一 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-87-23-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1982
和新及第悼亡詩二首 其二 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-88-24-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1987