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中国文学 李白・杜甫・韓愈・李商隠と女性詩 研究

詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。

九、集-09【字解集】 41.寄子安 42.送別 43.迎李近仁員外 44.送別 45.左名場自澤州至京,使人傳語 46.和人次韻 47.折楊柳   魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ10098 –B

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九、集-09【字解集】 41.寄子安 42.送別 43.迎李近仁員外 44.送別 45.左名場自澤州至京,使人傳語 46.和人次韻 47.折楊柳

 

2018217

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【字解集】44.送別 45.左名場自 –B

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説

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 【字解集】 44.送別

寄子安
1. (李億を怨んで、寄せる)
2. ・この詩は別れる以上元の女郎、花街に還すことはやめてくれと夫に訴えている。この時代の常識としても高級官僚の第二夫人として迎えられた女性が娼屋にすぐ戻るとなればそれは男の恥というものである。「別れてもいいからこの問題を放置したままにするな」といっているのである。この詩の「蕙蘭銷歇歸春圃,楊柳東西絆客舟。」は名句とされている。ただでさえ難しくて、男性詩人でも少ない七言句でありながら、魚玄機は七言律詩が多い。ここに、女性詩人を越えたい魚玄機の矜持があるのである。

3. ・子安 夫の李億。この子安を使う段階では別れることを云われていたのではない時期で、思わせぶりな(魚玄機は度々「含情」という表現をしている。)面を持っていた男のようだ。

 

醉別千卮不浣愁,離腸百結解無由。
酔ってそして別れました。それ以来、お酒を何杯飲んでも心を晴れやかにすることが出来ません。あなたとの夜のいとなみから別れた今も何度も結ばれたいと思います。しかしそれも許されないことなのでしょう。

4. ・千卮 卮はさかずき。いくたび杯を重ねること。
5.
 ・浣 水で洗う。ここは消す意味だが、暗いじめじめした感じではなく、明るくさばさばした感じに使う。

6. ・離腸 腸は性交を示す語でセックスをしないことを含めて別れることを云う。別れても好きな人ではないことを示す。


蕙蘭銷歇歸春圃,楊柳東西絆客舟。
香りのよい蘭の花も色あせ香しい香りも消え失せて春圃の街に帰るのです、ここには柳が植えられた岸辺、男と女、楊と柳とが東と西にわかれるあなたの舟をつないでいます。
7. ・蕙蘭 かおりぐさ。一種の香草。魚玄機の字名。

8. ・銷歇 銷はきえること。歇はなくなること。

9. ・春圃 圃はその、はたけ。商業をうえるところ。花街娼屋のこと。
10.
 ・楊柳 やなぎ。楊は男性をしめし、柳は女性を示すもの。男女が東西に別れること、別れに楊柳の枝を折って贈る風習がある。
11.
 ・客舟(かくしゅう) 旅人をのせる舟。「このまま離れることは恥ですよ」ということ。


聚散已悲雲不定,恩情須學水長流。

人は離合集散であり、前々からそうなることはあなたの優柔不断なところでわかっておりました。しかし、あなたのこれまでの恩情については感謝し、人生長い水の流れの中のことと学びました。

12. ・聚散 離合集散。
13.
 ・已悲 前々からそうなることはあなたの優柔不断なところでわかっていたということ。

 

有花時節知難遇,未肯厭厭醉玉樓。
私もまだ、今まだ花が咲いている季節なのですが、あなたとはもうお会いできないことわかっております。ただ、これから厭で厭で仕方がないことはあの玉楼で酔わなければならないことです。(道観に隠遁させてくれという願いをこめている。)

14. (結果隠遁するのである。日本の出家とは違って俗世界と完全に立つわけではなく普通に生活をする。)

 

 


 

 

 

【字解集】 45.左名場自澤州至京,使人傳語

 

 

 

 

 

 

【字解集】 46.和人次韻

和人次韻
1.
 (情交を通じたいという事を暗に示した申し込みのような書簡が届けられ、その詩に対しお返しの詩を書いたもの。)

2. 逢いたいという意味の詩をよこした相手に対して、迭った返事の詩で、その「合いたい」という意味は、情を通じたいという含みをもったものであるし、貰った魚玄機も、型通り返事をしている。後のことはご想像に任せるということだろう。唐は明清の時代より、男女間の道徳感は緩い時代である。生きていくためには質素倹約に務め、「芸、勤勉、従属と性」によった時代に「女性の才」を最大の売りとした魚玄機には媚びるところがないのである。女性史に突出した人物である。


喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
表通りの喧騒で俗な人間のお付き合いから、また、朱紫の方とのお付き合いからもかくれるように身を退いて、只今ではただひとり、誰にわずらわされることもなく、歌詠みに日を送って、静かな時を眺め過ごしております。
3. ・喧喧 やかましい。表通りの音声がさわがしくわずらわしいこと。
4.
 ・朱紫 衣服や官印のひもがあかやむらさきの人。高位高官の人。
5.
 ・人寰 人の住むところ。人境。人界。
6
 ・清吟 清らかに詩や歌をうたう。詩を作ってもそれを表に出さないで楽しむだけにしている。
7.
 ・日色 宋本には月色となっている。日常生活。
8.
 ・間 しずか。


何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
このたび、詩文をたくみに作られたごようす。わたくしの始終とじている柴門の戸をたたいて、お使いの人にりっぱな詩を持たせてよこされました。
9. ・玉郎 玉のような男。相手の男の尊称。
10.
 ・藻思 詩文をたくみに作る才能。
11.
 ・瓊韻 玉のような韻文。りっぱな詩。
12.
 ・柴関 柴門でできている関戸。隠棲の住居。女性の隠遁者という意味。


白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
その詩に雪の降るのを見て、柳の白いわたが飛んでいるようだとうたったあの謝道韞のようだと私のことをいわれましたが畏れ多いことですし、孔子さまの弟子だったあの顔回が、僻巷の奥に住んでいたのをまねてただくらしているだけなのです。
13. ・白花發詠 晋の謝安の家で家族の者があつまっていると、牡丹のような雪片が落ちはじめた。謝安が「これを何にたとえたらよかろう」というと、男の子は、「白い塩を空にまきちらしているようです」と答えたが、謝安の娘の謝道韞は、「楊柳の架が飛び散っているようです」と答え、詩才があると褒められたという故事をふんだ。白花は、楊柳の白い花すなわち柳絮をいったもの。魚玄機も柳絮を詠っている。『賦得江邊柳』
翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
影鋪秋水面,花落釣人頭。
根老藏魚窟,枝低繫客舟。
蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。
『折楊柳』
朝朝送別泣花鈿,折盡春風楊柳煙。
願得西山無樹木,免教人作淚懸懸。
14.
 ・稱謝 謝は右の謝安のむすめ謝道韞。それに自己をたとえられること。
15.
 ・僻巻(へきこう)探居 顔淵(回)のように、陋巷に住居すること。陋巷はうらまち。「論語」の蕹也篇に「子日く、賢なるかな回や。一箪の食一瓢の飲、陋巷に在り。人はその憂いに堪へず。回やその楽を改めず。賢なるかな回や」とあるによる。陋巷は僻巷におなじ。
16.
 ・學顏 顔淵のまねをして隈巷におること。


不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
過分なるご厚情に感謝申し上げます。あの高い所の松の大木と姫葛のように喝采を浴びるものと違いこうして、前の小山にあるようにただひっそりと暮らしているのでございます。
17. ・松蘿高處 羅はかずら。松の幹にはいのぼって生きている植物。松が夫であり、蘿は女。その松蘿が高い所、目立つところで。
18.
 ・前山 眼前の山。

 

 

 

 

 

 

【字解集】 47.折楊柳

折楊柳
1. (親戚知友が遠方に旅立つときには,城外まで見送り,水辺の柳の枝を折り取り環の形に結んで贈った、それについての感慨を述べた。)

2.  親戚知友が遠方に旅立つときには,城外まで見送り,水辺の柳の枝を折り取り環(わ)の形に結んで贈った。〈環〉は〈還〉で,旅人の無事帰還を祈る意味とされている。魚玄機が、特定の人物を見送ったわけではなく、売文ではなかろうか。詩題の「折楊柳」は、前漢の張騫が西域から持ち帰った音楽を素にして出来たものだが、この時の辞は、魏晉時代に亡失してしまっているという。晉代には兵事の労苦が陳べられるようになり、それが南朝の梁、陳に始まり唐代ではさらにひろがった。
『折楊柳』の曲調。別離の曲。離愁を覚えるということ。王翰の『涼州詞』「秦中花鳥已應闌,塞外風沙猶自寒。夜聽胡笳折楊柳,敎人意氣憶長安。」、李白に『春夜洛城聞笛』「誰家玉笛暗飛聲,散入春風滿洛城。此夜曲中聞折柳,何人不起故園情。」とある。
六朝時代の軍歌の一種であったが、恋歌の内容ももられるようになり、さらに隋の滅亡をいたむ歌ともなった。中唐以後は、気のきいた民話風のものとなり、柳をよみこんだ歌として流行した。


朝朝送別泣花鈿,折盡春風楊柳煙。
朝になると川端にはいつも、いつも花簪の女の涕がある。春風に楊柳を折って旅立つ人をおくる、柳の並木は朝靄に煙る。
3. ・朝朝 毎日毎日。別れの前の晩から朝まで一緒に過ごし、夜明けに別れるのである。
4.
 ・花鈿(かでん) 花かんざし。ここは花かんざしを挿した女をいう。女が見送り男が旅立つのである。


願得西山無樹木,免教人作淚懸懸。
お願いだから男の人が旅立つなら、西に向かう山には樹木が無くなって欲しい、そうしたら、おんなのひとがこんなにもとりすがってなくことはなくなるのです。
5. ・西山 特定の山ではなく、西域にある山の意。西に向かうことを想像させる。
6.
 ・懸懸 懸は吊りさける意。涙をつぎつぎとおとすこと。男に取りすがって泣くこと。
7.
 ・樹木 木であるが、ここではあらゆる木で旅立つ男の総称である、したがって当然そのうちに楊柳の木もふくまれている。楊柳が無かったら別れに涙がなくなるのではなく、男そのものが居なかったら涙を流すことはない。

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プロフィール

HN:
漢文委員会 紀 頌之(きのあきゆき))
年齢:
77
性別:
男性
誕生日:
1946/09/10
職業:
文学者
趣味:
中国文学
自己紹介:
漢詩から唐・宋詩まで基本となる詩人・詩集を各全詩訳注解説してゆく、その中で、これまで他ブログに、掲載した女性の詩を、手を加えて、整理して掲載してゆく。
これまで日本では紹介されていないもの、誤訳の多かった詩などを、時代の背景、出自、その他関連するものなどから正しい解釈を進めてゆく。
毎日、20000文字掲載しているので、また、大病後で、ブログコミュニケーションが直ちに取ることができないけれど、精一杯努力してお返事いたします。

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