忍者ブログ

中国文学 李白・杜甫・韓愈・李商隠と女性詩 研究

詩の訳注解説をできるだけ物語のように解釈してゆく。中国詩を日本の詩に換えて解釈とする方法では誤訳されることになる。 そして、最終的には、時代背景、社会性、詩人のプロファイルなどを総合的に、それを日本人的な語訳解釈してゆく。 全体把握は同系のHPhttp://chubunkenkyu.byoubu.com/index.htmlを参照してもらいたい。

九、009卷804_9 《情書(書情寄李子安)》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9690

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

九、009卷804_9 《情書(書情寄李子安)》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9690

九、009804_9 《情書(書情寄李子安)》 魚玄機

 

20171215

の紀頌之"6"つの校注Blog

10年のBLOGの集大成

   李白総合案内

 

●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説

Ⅰ李白詩(李白集校注)      LiveDoor

746-014-#3 答從弟幼成過西園見贈(卷十九(二)一一一六)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集Blog9713

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注      LiveDoor

807年元和二年40歳- 巻一-01§2-2元和聖德詩 #5 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集9721

Ⅲ 杜詩詳注                  LiveDoor

767年-179 十六夜玩月(卷二○(四)一七五二)注(1195) Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9715

杜甫詩 全詩 総合案内 

Ⅳブログ詩集漢・唐・宋詞  fc2Blog

花間集 訳注解説 (322)回目顧巻六40河傳 三首其一 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9702 (12/15)

.唐五代詞詩・女性・玉臺新詠     Livedoor

巻三-19 合歡詩五首其一-#3 (虎嘯谷風起)〔楊  方〕  Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9661

Ⅵ唐代女性論ブログ唐代女性論

九、009卷804_9 《情書(書情寄李子安)》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9690

杜甫全詩案内

韓愈全詩案内

李白全集

李白詩のサイト

古詩源

花間集案内

漢詩・唐詩・宋詩研究

http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/

 

九、009804_9 《情書(書情寄李子安)》 魚玄機 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9690

(こころをこめて李子安さまへ書を寄せます。)
氷をのんでも、あんなに食べにくいキハダを食べても、情炎を消すことできないのです。夜ごとの夢のなかに、あなたとすごした晉水、壺關にいたころのことが毎夜あらわれるのです。
このままだと私だってカササギが落ちて愁いを分けた様「秦鏡」に映しだされてしまう操を守れないかもしれませんよ。また古代舜の時代からの琴を弾くと「南風」がおこり、飛べないわが身をとんでいきたいと思うばかり、大鳥が飛んでいくのを恨むばかりです。
井戸のあたりに植えられている夫婦の象徴のあおぎりの葉が、秋雨に打たれて音をたてています。窓の近くにおいてある燭燈火でさえも、暁け方近くなると、夜明けの冷たい風に消えそうになってしまいます。
帰られるお約束はともかく私への書簡さえも春笠にまで注意してみていてもどこからもなにも言って来ませんね。鳥も、飛脚もだめで、魚書でというなら釣竿を以て日がな一日、青空が夕空に変わるまで釣り糸を垂れましょう。

 

 

 

 

魚玄機 全詩 

 

 

 

九、000《魚玄機の全詩 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9578

九、001804_1《賦得江邊柳 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9585

九、002804_2《贈鄰女 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9592

九、003804_3《寄國香 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9599

九、004804_4《寄題錬師  》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9606

九、005804_5《寄劉尚書  》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9613

九、006804_6《浣紗廟 》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9620

九、007804_7《賣殘牡丹》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9627

九、008804_8《酬李學士寄簟》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9634

九、009804_9《情書(書情寄李子安)》漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9641

九、010804_10《閨怨》 漢文委員会kanbuniinkai 紀 頌之 ブログ9648

 

 

 

魚玄機《魚玄機の全詩》

 

 

訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9578

 

 

 


情書(書情寄李子安)
こころをこめて李子安さまへ書を寄せます
飲冰食檗誌無功,晉水壺關在夢中。
氷をのんでも、あんなに食べにくいキハダを食べても、情炎を消すことできないのです。夜ごとの夢のなかに、あなたとすごした晉水、壺關にいたころのことが毎夜あらわれるのです。
秦鏡欲分愁墮鵲,舜琴將弄怨飛鴻。
このままだと私だってカササギが落ちて愁いを分けた様「秦鏡」に映しだされてしまう操を守れないかもしれませんよ。また古代舜の時代からの琴を弾くと「南風」がおこり、飛べないわが身をとんでいきたいと思うばかり、大鳥が飛んでいくのを恨むばかりです。
井邊桐葉鳴秋雨,窗下銀燈暗曉風。
井戸のあたりに植えられている夫婦の象徴のあおぎりの葉が、秋雨に打たれて音をたてています。窓の近くにおいてある燭燈火でさえも、暁け方近くなると、夜明けの冷たい風に消えそうになってしまいます。
書信茫茫何處問,持竿盡日碧江空。
帰られるお約束はともかく私への書簡さえも春笠にまで注意してみていてもどこからもなにも言って来ませんね。鳥も、飛脚もだめで、魚書でというなら釣竿を以て日がな一日、青空が夕空に変わるまで釣り糸を垂れましょう。
情書、李子安に寄す
冰を飲むも檗【きにた】を食ふも志 功なし、晉水 壺關【こくかん】夢中に在り。
秦鏡【しんきょう】分たんと欲するも墮鵲【だじゃく】を愁ひ、舜琴【しゅんきん】弄【ろう】せんと將【す】るも飛鴻【ほこう】を怨む。
井邊【せいへん】の桐葉【とうよう】は 秋雨に鳴り、窗下【そうか】の銀燈【ぎんとう】は 暁風【ぎょうふう】に暗し。
書信【しょしん】 茫茫 何れの處にか問はん、竿を持つこと盡日【じんじつ】なるも 碧江【へきこう】空し。

 

『情書(書情寄李子安)』 現代語訳と訳註
(
本文)

情書
飲冰食檗誌無功,晉水壺關在夢中。
秦鏡欲分愁墮鵲,舜琴將弄怨飛鴻。
井邊桐葉鳴秋雨,窗下銀燈暗曉風。
書信茫茫何處問,持竿盡日碧江空。


(下し文)
(情書、李子安に寄す)
冰を飲むも檗【きにた】を食ふも志 功なし、晉水 壺關【こくかん】夢中に在り。
秦鏡【しんきょう】分たんと欲するも墮鵲【だじゃく】を愁ひ、舜琴【しゅんきん】弄【ろう】せんと將【す】るも飛鴻【ほこう】を怨む。
井邊【せいへん】の桐葉【とうよう】は 秋雨に鳴り、窗下【そうか】の銀燈【ぎんとう】は 暁風【ぎょうふう】に暗し。
書信【しょしん】 茫茫 何れの處にか問はん、竿を持つこと盡日【じんじつ】なるも 碧江【へきこう】空し。

 

(現代語訳)
(こころをこめて李子安さまへ書を寄せます。)
氷をのんでも、あんなに食べにくいキハダを食べても、情炎を消すことできないのです。夜ごとの夢のなかに、あなたとすごした晉水、壺關にいたころのことが毎夜あらわれるのです。
このままだと私だってカササギが落ちて愁いを分けた様「秦鏡」に映しだされてしまう操を守れないかもしれませんよ。また古代舜の時代からの琴を弾くと「南風」がおこり、飛べないわが身をとんでいきたいと思うばかり、大鳥が飛んでいくのを恨むばかりです。
井戸のあたりに植えられている夫婦の象徴のあおぎりの葉が、秋雨に打たれて音をたてています。窓の近くにおいてある燭燈火でさえも、暁け方近くなると、夜明けの冷たい風に消えそうになってしまいます。
帰られるお約束はともかく私への書簡さえも春笠にまで注意してみていてもどこからもなにも言って来ませんね。鳥も、飛脚もだめで、魚書でというなら釣竿を以て日がな一日、青空が夕空に変わるまで釣り糸を垂れましょう。


(訳注)
情書情書(書情寄李子安)

1.
 (こころをこめて李子安さまへ書を寄せます。)

2. 山西の澤州の夫の実家から、自分だけひと足さきに長安に戻ってきた彼女が、すぐ後を追って長安へもどるといった李億がなかなか歸ってこないので、いらいらして待ちわびているころの作。
第一句の.こときは情熱の女魚玄機らしく、あからさまにばっと自分の悶える心をぶっつけている。詩全般としてもよいできばえの一つ。


飲冰食檗誌無功,晉水壺關在夢中。
氷をのんでも、あんなに食べにくいキハダを食べても、情炎を消すことできないのです。夜ごとの夢のなかに、あなたとすごした晉水、壺關にいたころのことが毎夜あらわれるのです。
3. ・冰(こおり)
4.
 ・檗 キハダ。黄檗(おうばく)のこと。1 (「黄柏」とも書く)キハダの別名。また、キハダの樹皮から作った染料、または生薬。漢方で内皮を健胃・収斂(しゅうれん)薬などに使用。熱をさげる効果がある。「木鶏」(中国の有名な机物に関する薫物) にも見えている。
5.
 ・晉水 山西省を流れている河。末は黄河に合流するひ この地方に李子安がいるわけ。魚玄機も去年はそこにいた。魚玄桟の第一の澤州の旅。
6.
 ・壺關(こかん) 壺關山のこと。山西省の長治牌の壷口山をいう。やはり李子安がいる地方をさす。


秦鏡欲分愁墮鵲,舜琴將弄怨飛鴻。
このままだと私だってカササギが落ちて愁いを分けた様「秦鏡」に映しだされてしまう操を守れないかもしれませんよ。また古代舜の時代からの琴を弾くと「南風」がおこり、飛べないわが身をとんでいきたいと思うばかり、大鳥が飛んでいくのを恨むばかりです。
7. ・秦鏡欲分愁墮鵲 「西京雑記」に、秦の始皇が人間の腸や胃など五臓を照らし見ることのできる鏡をもっていて、女が邪心なおもいをいだくと、胆臓が張り心臓が動くのでわかったという。心の奥底を照らし見せる鏡の意。また「鵲鏡」ということばがあり、「神異経」に、昔、別居している夫婦があり、それぞれ鏡の半分を分けてもっていたが、ある時、妻の方がよその男と通じた。すると女のもっていた鏡が、鵲に化して夫のもとへ飛んでいった。それから鵲を鏡の裏面にうきぼりにするようになったという。呉均の「閏怨」 の詩に、「ねがはくは飛鵲の鏡となり翩々として別離を照さん」という句がある。魚玄機の詩のこの旬は、これらを踏まえて詠じたもの。
8.
 ・舜琴將弄怨飛鴻 舜が五弦の琴を作り、「南風」の詩をうたったことが、「礼紀」という古典に見えている。「怨飛鴻」はあるいはそういう題の琴曲があるのではあるまいか。
9.
 ・弄(ろう)は琴を弾くこと。


井邊桐葉鳴秋雨,窗下銀燈暗曉風。
井戸のあたりに植えられている夫婦の象徴のあおぎりの葉が、秋雨に打たれて音をたてています。窓の近くにおいてある燭燈火でさえも、暁け方近くなると、夜明けの冷たい風に消えそうになってしまいます。
10. ・井邊 梧桐はしばしは井戸のそばに絶えられる。夫婦の象徴で、仲の良い所に植え育つという。
11.
 ・桐葉(とうよう)・秋雨(しゅぅぅ)・薗下(そうか)
12.
 ・暁風(ぎようふう)どの語も帰る約束に対しそれを守らないことで男女の結びつきが上手くいかない時のものである。


書信茫茫何處問,持竿盡日碧江空。

帰られるお約束はともかく私への書簡さえも春笠にまで注意してみていてもどこからもなにも言って来ませんね。鳥も、飛脚もだめで、魚書でというなら釣竿を以て日がな一日、青空が夕空に変わるまで釣り糸を垂れましょう。

13. ・書信 魚書・尺素・雙鯉・雙魚ともいう。

 

古詩十九首之第十七首
孟冬寒氣至,北風何慘栗。愁多知夜長,仰觀眾星列。三五明月滿,四五蟾兔缺。客從遠方來,遺我一書劄。上言長相思,下言久離別。置書懷袖中,三字不滅。一心抱區區,懼君不識察。
孟冬寒気至り、北風何ぞ慘栗たる。
愁多くして夜の表きを知り、仰いで衆星の列るを観る。
三五明月満ち、四五蟾兔【せんと】缺く。
客遠方より来り、我に一書札を遣る。
上には長く相思ふと言ひ、下には久しく離別すると言ふ。
書を懐袖【かいしゅう】の中に置き、三歳なるも字滅せず。
(
現代語訳)
一心に區區を抱き、君の識察せざらんことを憤る。)
冬の初めというのに極寒の気がおとずれ来た、北風のなんとものすごくつめたいことであろうか。
愁いが鬱積して堪らないのに夜が長いのは身にしみるくるしさだ。見上げる空には多くの星かならんでいる。
月は三夜五夜と日々明るくなり、十五夜には満月になる、四夜五夜と蟾蜍に喰われ兔もいなくなり、二十日夜になると欠け月になる。
こうして辛い月日を過ごしたある日、遠方から訪ねて来た客が、わたしに一連の手紙を渡してくれた。
夫からの便りで、始めの方には「いつまでも忘れぬ」とあり、文末の方には「もうすこしこの別れが久しくなる」と書いてあった。
わたしはこの手紙を懐におさめて肌身離さず大切にし、三年たっても一字も消えてはいないのだ。
心のなかにひとつあるのは夫を思う女心のこまごまとした思い、それをあなたが察してくださらないのかと心配でたまらないのです。
古詩十九首之十七 漢の無名氏 (17) 漢詩<104>Ⅱ李白に影響を与えた詩539 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1434


・茫茫(ほうほう) はるかで見きわめがたいこと。ここではいくら待ち望んでも見られないの意。
・盡日一日中。
・碧江(へきこう) 青い水の流れる河。たんに河の意。


この詩を読むと恋しくてたまらないという内容ではないように思う。魚玄機の作詩能力が高く、過去の故事や、基になる詩があるというだけで、李億がどこまで理解してくれるのか確かめているようにしか思えない。魚玄機が李億に棄てられて嫉妬心でヒステリックな状態でいたという固定観念を捨てて客観的に解釈する必要があるのである。この固定観念により間違った解釈が横行している。ここではそういった解釈を一つ一つ訂正して行こうと思っている。

拍手[0回]

PR

コメント

プロフィール

HN:
漢文委員会 紀 頌之(きのあきゆき))
年齢:
77
性別:
男性
誕生日:
1946/09/10
職業:
文学者
趣味:
中国文学
自己紹介:
漢詩から唐・宋詩まで基本となる詩人・詩集を各全詩訳注解説してゆく、その中で、これまで他ブログに、掲載した女性の詩を、手を加えて、整理して掲載してゆく。
これまで日本では紹介されていないもの、誤訳の多かった詩などを、時代の背景、出自、その他関連するものなどから正しい解釈を進めてゆく。
毎日、20000文字掲載しているので、また、大病後で、ブログコミュニケーションが直ちに取ることができないけれど、精一杯努力してお返事いたします。

P R